姫様暴走中☆
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キャサリンは自分が姫だと宣言する場を、学園でやる模擬夜会にすることに決めた。
模擬夜会は本当の夜会に参加する前に学生同士で練習するために開かれている生徒会主催の行事だ。
本当はもっと大きな規模の本物の舞踏会で高らかに宣言したかったのだけど、あの公爵令嬢の前で高らかに宣言してやりたかったし、竜殺しの英雄の前で自分が姫なのだと分からせたかった。
二人とも現在公式の社交の場に一切出てこないのだ。
無理矢理出てくるようにこの国の王家にかけあおうと思ったけれど、その時点で身分がばれてしまう。
そこで広がってしまったら色々台無しだ。
だから、キャサリンは学園で我慢することにした。
その代わり、全生徒を強制参加にした。
王子に頼んだら二つ返事で了承してくれた上、「全員に参加の機会を与えるなんて、やはりキャサリンは慈愛の女神の様だ」と言っていた。
キャサリンは嬉しくなって、手伝いで入っていた役員補佐の「ドレスの準備できない人用の用意とかまで仕事が来るってことですか?」というヒソヒソ声は頭に入ってこなかった。
とにかく、発表する場は決まった。
そして公爵令嬢も英雄も来る。
公爵令嬢はどんな格好をしていても「場にふさわしくない恰好だ」と指摘してあげるつもりだ。
華やかなら、やりすぎ、地味なら場を考えて、それ以外でもいくらでも嫌味の言いようがある。
別の科に逃げたらしいけど、そんなことが許されていいはずがない。
それに、キャサリンは、声を大きくして広げる魔道具を手に入れていた。
最新の魔道具であるこれを持っている人間は貴族でもまだ少ないだろう。
キャサリンの本当の身分を、そして公爵令嬢がいかに無能かを、そしてキャサリンがいかに魅力的なのかを英雄に余すことなく伝えることができる。
そうなったら、ドレス選びだ。
キャサリンはひそかに仕立て屋を男爵家に呼び、私財を投じてドレスを作った。
王子にドレスを送ってもらう事も考えたけれど、男爵令嬢に合わせたものを送られても困る。
ただ、「あなたの色の、アクセサリーをつけてみたいの」とだけ言っておいた。
公爵令嬢は王子の色をまとっていたことも、装飾品をプレゼントされたことが無いこともこの国では有名だった。
まあ、あの枯れ葉色にも似た色を持つ令嬢に似合うものを考えるのは難しい。だからもらえなかったのは仕方がないけれど、私はあなたとは違うのというところを見せつけたい。
王子はすぐに「最高のものを君に送るよ」と言った。
ドレスも最高のものを選んだ。
キャサリンは夜会の日が楽しみで仕方が無かった。




