ぼんくら
ウィリアムはそれからしばらくの間、ジョエルとその友人の令嬢たちに滅茶苦茶に怒られていた。
罵倒されていたに近く、ナナエルは少し可哀そうになってしまったくらいだ。
そこに様子を見に来たウィリアムの側近が、何がおきたのか聞いて、それから大きくため息をついて、令嬢達と一緒になって滾々と説明していた。
それからウィリアムは「勘違いをしていて、酷いことを言ってしまって申し訳ない」と深々と頭を下げて謝ってくれた。
「無かったことにしたい。とか、忘れていたとかではないんですよね」
「勿論だ!!
無かったことにしたいのなら、こんなもの送らないよ
それに二人きりの秘密って話もしたし……」
そう言って、ナナエルの髪飾りにそっと触れた。
「え? なによそれ、それ兄さまからの贈り物ですの!?」
ジョエルが言った。
「兄さま本当にわかっておりますの?
王家の布告より前に二人につながりがあったというのは密通を疑われかねないとあれだけ言いましたでしょ!?
あなたは一体本当に何がしたいんですの!?!?
恋愛関連はぼんくら以下じゃないですか!?」
うんうん、ウィリアムの横で側近が頷いていた。
ナナエルはとても気恥ずかしくなってしまった。
「あの、先ほどの言葉もお花達も私のことを思ってくださっていたみたいなので、もう……」
それくらいにしてください。
という言葉の続きは驚きで音にならなかった。
ジョエルの「それでも本当に竜殺しの英雄様なんですか!!」という言葉で。




