表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

64/104

大河編 暗くて暑くて寒くて怖い

第四部 大河A・H編 黄色



何とか手を伸ばす。


後は引き上げてくれたら助かる。


暗闇に呑まれる前に救出してもらえばいいんだ。


簡単なことじゃないか。


もちろん一人では難しい。二人でも持ち上げるのは容易じゃない。


近づき過ぎれば巻き込まれる恐れだってある。


ほら俺冷静だろ? 



助けて! 助けて!


しかし居るのはこの男。俺を突き落とした翼だけだ。


前の二人と距離を取り気付かれないように俺を落とそうとした外道。


何のためらいもなく突き落とすその神経が分からない。


俺はこいつとは初対面。いや二回目か。


カナに紹介され一緒にこの島へ。


だから恨まれる程一緒に居なかった。


奴はなぜ俺を狙う。俺が邪魔だとでも?


もしそうだとしても突き落とさなくてもいいじゃないか。



助けて! 助けて! 助けろ!


さっきから助けを求めるが奴にしか聞こえていない。


「大丈夫ですか? 」


ガイドの女の子が戻って来た。


「近づくな! もう遅い! 」


何を言ってやがる! お前が突き落としたくせに。


早く引き上げてくれ! このままでは落ちる。


「ちょっと…… 」


彼女と目が合った。もう大丈夫だ。


「止めろ! もう手遅れだ! 君まで巻き込まれる」


奴は俺に生きていては困るらしい。


彼女は俺を見る。


俺も彼女に必死に目で訴えかける。


だが彼女は男には敵わない。腕を取られてしまった。



もうダメだ!


うわあああ!


手が手が……


握力を失った手は垂れ落下。


暗闇に呑み込まれる。


きゃあああ!


悲鳴が聞こえた気がする。



ハアハア

ハアハア


ここはどこだ? ここは? ここは?


一体俺は誰なんだ? 俺は一体何者?


ここはどこだ? ここはどこだ?


ここはどこなんだ! ここは!


何も見えない。何も見えない。


ここはどこだ? ここは一体?


何もない! 何もない! 何も! 何も!


ここはどこだ……


何も見えない。何も見えない。


やっぱり何も見えない。


何も……


まったく何も……



ここはどこだろう? 俺には分からない。


俺でいいのか? 僕なのか? 自分なのか? それとも私なのか? 


それさえも分からない。


俺は俺が分からない。全く何一つ。


悪夢なら覚めて欲しい。悪夢でなくても覚めて欲しい。


もういいよ。俺はここに居る。俺はここに居る。


だからもういいだろ? そろそろ気づいてくれ。


俺を助けてくれ! 助けてくれ!


誰か? 誰か? 誰もいないのか?


誰も。誰も…… いない…… 誰も…… 



痛い! 痛い! 痛い!


暑い! 暑い! 暑い!


寒い? 寒い? 寒い?


暗い! 暗い! 暗い!


痛い! 痛い! 痛い!


暗い! 暗い! 暗い!



疲れて眠ってしまったようだ。どれくらい経ったのだろうか?


皆目、見当がつかない。


朝なのか昼なのか夜なのかさえ分からない。



痛い! 痛い! 痛い!


痒い! 痒い! 痒い!


寒い! 寒い! 寒い!


気持ち悪い! 気持ち悪い! 気持ち悪い!


痒い! 痒い! 痒い!


寒い! 寒い! 寒い!



ああ…… また眠ってしまった。何とかしなくては。


このままでは野垂れ死ぬ。


水と食い物を確保しなくてはすぐにあの世だ。



立ち上がる。ダメだ力が入らない。


どうにか立ち上がる。フラフラする。気持ち悪い。


寒さが本格的になってきやがった。これはもう危険水域。


凍死してしまいそうだ。早く暖を取らなくては。寒い! 寒い!


ここは一体どこなんだ?



俺は? 俺は? 俺は?


寒い! 寒い! 寒い!


暗い! 暗い! 暗い!


痛い! 痛い! 痛い!


うるさい? うるさい? うるさい?


臭い? 臭い? 臭い?


怖い! 怖い! 怖い!


暗い! 暗い! 暗い!


怖い! 怖い! 怖い!


暗い! 暗い! 暗い!


痛い! 痛い! 痛い!


冷たい! 冷たい! 冷たい!


痛い! 痛い! 痛い!


冷たい! 冷たい! 冷たい!


痛い! 痛い! 痛い!


冷たい! 冷たい! 冷たい!


気持ちいい! 気持ちいい! 気持ちいい!


冷たい! 冷たい! 冷たい!


気持ちいい! 気持ちいい! 気持ちいい!


冷たい! 冷たい! 冷たい!


ありがとう! ありがとう! ありがとう!


サンキュウ! サンキュウ! サンキュウ!


ありがとう! ありがとう! ありがとう!


サンキュウ! サンキュウ! サンキュウ!


臭い! 臭い! 臭い!


臭い! 臭い! 臭い!


眠い! 眠い! 眠い!


眠い! 眠い! 眠い!



暑い! 暑い! 暑い!


暑い! 暑い! 暑い!


もう臭くない! もう臭くない! もう臭くない!


臭わない! 臭わない! 臭わない!


水! 水! 水!


水を…… 水を…… 水を……



両足が酷く痛い。


立ち上がるのがやっとだ。


それでさえも何分もかかる。


立ち上がったと思ったらバランスを崩し大地に転げ落ちる。


随分痛みも和らいだ気がする。


目だって少しは見えるようになった。


今が昼間であることは遠くの方から差し込んでくる太陽の光で分かる。


早くここから脱出しなくては! 体力が気力が限界を迎える前に!


まず食糧と飲み水の確保。


よしやるぞ!


                  続く

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ