第34話 残党
今回は短めです。
あと、 新しく連載し始めた『島風で行く惑星航海記』をどうぞ宜しくお願いします。
では、 本編へ
俺の艦隊 (実際に俺の物ではないのだが) は、 たった1日で4隻を残し、 海の藻屑と化した。 しかも、 たった1体の小さな魔物によって、 完膚無きまで叩き落とされたのだ。
しかし、 奇妙な生き物だった。 足はない癖に人や変な魔物よりも速く走っていたわ、 奴の魔砲のような鼻先がチカっと光ったと思ったら味方の軍艦が爆音を上げながら真っ二つにされてしまったわで実に奇妙な生物であった。 しかも、 そいつの背中には、 人が乗っていた様にも見えた。 もしかしたら、 あれは乗り物だったのかも知れない。
「ここまで来ればもう安心だろう」
部下の戦意を上昇させるためにそう言った。 しかし、 顔を明るくしたのは半数も居ない。
俺自身も、 さっき代理の船長になった為、 指揮が上がらないのも当然である。 因みに、 本来の船長は急激なストレスと体力消耗による過労死だった。
「後どれくらいで着くだろうか………」
私は、 そう声に出した。 確か近くに、 演習中の味方の艦隊が居たはずだ。 其奴らに頼んで、 あの島を焼き尽くして貰おう。 それに、 奴等には秘密兵器を持っていると聞く。
「前方に艦影があり!」
メインマストに登っていた観測手の報告を受ける。
「ああ、 今行く!」
そう言って、 俺はメインマストを登った。
自前の望遠鏡でその艦影を見る。 その艦影に近付くにつれ、 その船の旗がはっきりと見え始めた。 その旗は、 赤い生地の中心にグリフォンが2体背を向けあっており、 周りの敵に威嚇をしている様に描かれていた。 その旗はこの軍艦にも掲げられている。
「………味方、 だな」
「それにしても、 凄い数ですね。 それと、 あのヘンテコな船は何でしょうか?」
「わからない」
俺はただ、 味方の美しい艦隊を眺めることしかできなかった。
一方、 とある国の兵士の間で…………
「最近、 我が国の商船が海賊に襲われてるんだとさ」
「そのうち護衛任務が出そうっスね」
「まぁ護衛任務が出ても帆船如きに倒されるわけがない。 それに………」
「それに………?」
「あの英雄が軍に戻って来たらしいぞ」
「マジすか!?」
次回へ続く




