第32話 突然のジャングルの奥地にて (中編)
場所は変わって、 現在ジャングルの奥地。 ここでもまた、 “加藤 健二” 事俺と “杉野 明香” さんと一緒に、 ジャングル内で茂みに隠れながら移動していた。
さっきまで自身の部屋にいたはずが、 急にカメレオンや大蛇とかが出てきそうなジャングルに場所が変わった。 どうやら夢だった様だ。
「所詮俺は死人か………」
溜息を吐きながら、 内心思った事を口に出した。 すると、 明香さんがいる方の茂みがガサゴソと動き始める。 それが俺の真横まで近づき、 俺のすぐ右側に彼女がいる状態になった。
彼女の顔に緑や茶色の塗装が塗られていた。 塗装の匂いはみずみずしいジャングルの匂いでかき消されている。
塗装の奥で笑みを浮かべている。
「先輩、 何か言いました?」
「いや、 何も」
どうやら聞こえていなかったらしい。
「ところで、 なかなかハンターは動き出しませんね」
「確かにこの森に入っていったのだがな」
このジャングルの事とその前と後に何かあった事も、 少々は覚えている。 しかし、 死んだ後、 このジャングルはどうなったのかは分からない。
「先輩、 どうします?」
彼女は命令を待っている。
「俺、 ちょっと囮になるわ。 可能な限り援護を頼む」
俺はまた、 前世と同じ行動を取った。 ここでは怪我する事もなく、 まだ死なないからだ。
立とうとすると、 明香さんに足首を掴まれる。 これも、 された記憶はある。
「先輩、 そんな装備で大丈夫なのですか?」
明香さんは心配していた。
「大丈夫だろ、 敵はたった三人だし」
「先輩の武器、 愛車のT-34並みの骨董品に見えるのですが」
そう言われ、 俺は手元を見ると、 古臭い銃器を持っていた。
そう、 俺はこの仕事でも、 骨董品に分類する兵器を活用していた。
因みに、 その骨董品の名は『三八式歩兵銃』と言い、 これは大日本帝国陸軍のボルトアクション式ライフルである。 俺からして『九九式』とこれを比べると、 長年使っていたし、 威力も少々低い為、 こちらの方が使いやすい感じた。 というか、 T-34中戦車より古い代物だ。
「明香さん、 これだけは覚えておいた方がいい。 機銃以外は基本的に、 骨董品や構造が古い物の方が場面によっては強いのですよ」
「まぁ…… はい…………」
今更思うが、 俺、 一体何を言ってんだ………? それに、 明香さん、少々引いてるし………
「じゃ、 言ってくるわ! 後方からのVSSの狙撃よろしく」
「ちょ! ちょっと!!」
俺は、 彼女の言う事を無視し、 更にジャングルの奥地へと足を踏み入れた。
………… 今更だが、 この時の俺、 軽く狂気狂ってないか……?
……… 余談だが、 この後にあった事を説明すると、
俺は、 ハンターの三人組に遭遇したのだが、 三人の内の二人は自身の銃器が整備不良を起こし、 射撃不可であった為、 実質上1対1の決闘となった。 しかし、 明香さんからの狙撃により、 敵の銃器は破壊され使用不可となった。 その為、 一応勝ちはしたのだが、 俺が自殺行為みたいな物を行なった為、 明香さんからお叱りを受ける事となった。




