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第29話 進軍と敵艦



 砲撃音が鳴り響き、 いつもの静かさを感じさせない森の中にて…………


 それは生い茂った森の中をただ走っていた。 それは濃ゆい緑色をしており、 森の緑と同化しながら…………


 それは結構高い速度を出していた。 馬と同じ、 又はそれを上回っているかもしれない。


 それは音を出していた。 砲撃音でカモフラージュされているが、 まるで獣の様な爆音を出しながら…………


 ただそんな中、 それの中………? いや、 それはオープントップだから、 その上に三人の男が乗っていた。

 一人は苦痛を表に出しながらもそれを操縦している者と、 もう一人はそれの中で先が尖った鉄の物体をある物に入れる作業をし、 あとの一人はそれの天板から身を乗り出してレトロな機銃のグリップに触れている。


「加藤、 そろそろ止めてくれ」

「はいよ (はぁ、 傷の痛みからやっと解放される)」


 身を乗り出していた男は、 加藤という男に命令し、 それを停車させた。 浜辺から5mくらいだろうか? 因みに、 加藤という男は背中を怪我しており、 それをが揺れる度に痛みに見舞われていた。 原因は前回の戦闘によるものである(第23,24話参照)。


「オッサン、 主砲の装填できたか? 」

「言われた通りにやったが、 これで良いのか?」


 身を乗り出していた男は、 それの車内にある主砲のところまで行き手作業で確認する。


「装填されているな。 ここからは俺がやるよ」

「わかった。 じゃあ俺はあんたがやっていた事をやるよ」

「俺の名前はあんたじゃなくてモーゼルなんだけどな。 ま、 良いけど」


 オッサンとモーゼルという名前の男は場所を交替する。


「オッサン、 それ引き金さえ引けば撃てるようにしてるよ」

「わかった」


 オッサンはそれのグリップを握り、 周りを警戒する。


「距離は約1500、 風力は北北西に3」


 対してモーゼルは、 改造して取り付けた演算装置を観ながら主砲の台に付けられているいくつかのハンドルを回し調整する。


「加藤、 右にちょっと向けさせてくれ」

「了解」


 加藤は操縦桿を握り、 車体を少し右側に向けた。


「このくらいか?」

「ああ、 これくらいだ」


 どうやら良かったようである。加藤は軽く安堵し、 すぐに顔を引き締めた。


「15秒後撃つぞ。 一応耳を塞いで口を開ける事をした方が良いかもな……… それと何かに掴まれ」

「「了解」」


 そう言われると、 加藤とオッサンは言われた通りにやった。 モーゼルは耳栓を持参していたようで、 それで耳を塞いだ。

 因みにこの動作には理由があり、 その動作をやらないと爆音で鼓膜を破裂させたり内臓を傷つける可能性があるからだ (………多分)。


「発射10秒前………」


 モーゼルが放ったその言葉を聞き、 男達はゴクリと息を呑みながら待機した。


「5秒前………」


 加藤は操縦席のところについている小さな窓から前方を見た。 前方を見ると、 そこには一隻の小型船浜辺に砲撃をしながら、 こちらに向かってきているのがわかった。 きっとその船に砲撃をするのだろうと内心思った。


「4、 3………」


 モーゼルは砲身の横で、 発射用のレバーを握る。 どうやら砲身自体にも手を加えているようだ。


「2、 1………」


 男達は衝撃に備えながら、 ただ前方を見ていた。


「発射!!」


 モーゼルは発射用のレバーを引き、 信管を作動させる。


 重圧な砲撃音。 図太い砲身は後退し、 元の場所に戻る。 しかし、 反動は抑え切れずに戦車としては小さな車体を前後へと揺らした。

 至近距離って事もあり、 砲撃音と振動が凄まじいものである。

 なんて言ったって、 口径が15cmもあるのだから…………


「ああああぁ!!? き、 傷ガァ!!!?」


 当然、 反動のせいで人的被害があり、 背中を怪我をしていた加藤に絶大的なダメージを与えた。


「加藤は無視してターゲットは!?」

「き、 貴様ァ!!?」


 モーゼルは結構酷い事を言いながらもオッサンに問いかける。 対する加藤は涙を出しながらもキレた。あと、 オッサンは………


「す、 スゲェ! たった1発でターゲットが轟沈しやがった」


 オッサンは主砲の威力によって艦首が消滅して浸水し始めている敵艦を見ながら興奮していた。






数分前…………


「逆賊共の攻撃に、 戦力が半分近くが失われてしまったが、 まぁこれで息の根もないだろうがな」


 ノース王国海軍護衛艦隊、 戦列艦『エア』の船長であるバスターは艦尾で、 操舵しながら島を眺めてぼやいていた。


 彼等は逆賊(カイザー領)の戦力を削るために基地を作って通商破壊をしようとしていた。


「はぁ、 誰だよ……… 逆賊の島は基本的に人はないないとか言ってたやつは……… 普通に居るじゃねぇか………」


 しかし、 いざ基地を作ろうと目的の島に近づくと、 まさかの逆賊からの砲弾が島から放たれるという事件が発生した。 これにより2隻のフリゲートが謎の爆発をし海の藻屑とかした。 負けじとこちらも砲撃するが、 まだ有効射程の範囲で無かった事や波のせいでやはり照準が狂い関係ないとこに降っ跳んで行った。

 それに比べ逆賊は、 自身らの軍艦を盾にして簡易な構造ながらも砲台からこちらの倍以上の速度で砲撃をしてきた。 そのせいで艦隊の半分はは奴等の餌食となった。

 だがしかし、 祖国の主力艦隊ではなく、 ただの護衛艦隊なのだが、 我等は勇敢であった。 攻撃を喰らいながらも前進し、 敵の砲台にダメージを与えたのだ。 これにより指揮力は回復、 我々は復讐に乗り出した。

 そして今に至る。


「我が艦に続けえぇ!!!!」


 小型艦の船長の声が、 ここから結構離れているというのに、 ここまで届く大声で叫び単艦で突撃していった。 この艦隊は名誉の戦死をした者以外、 結構なベテラン揃いであるが為、 彼について行く者は一隻もいない。 ただの単艦での特攻である。


「大丈夫か? ………まぁ大丈夫だろうけど」


 そう言いながら彼等を見る事にした。




 数分後………




 ズドーン…………


 敵も味方も砲撃していない中、 突然の爆発音が響いた。 それにより我々は困惑する。


「か、艦長!」


 部下が慌ただしくしながら俺の所に来た。


「どうした?」

「フリゲート型戦闘艦『ストーム』 轟沈!」

「ハハハ、 轟沈は流石にないだろ。 精々、 沈没か座礁程度だろ?」


 俺も部下も、 十分酷い事を言っていた。 長旅で精神が狂ったのだろう。


「いえ、 轟沈です! 艦首に来ればわかります!!」

「そうか、 わかった。 誰か舵輪の操作を頼む」


 そう言いながら、 俺は艦首にへと足を運んだ。



「なんだ? あのふざけたオブジェは?」

「あの船尾が浮いているのが戦闘艦『レフ』です」


 彼は自身の部下よりも気が狂っているようだ。 てか、 彼の部下は狂ってはいないのである。

 因みに、 今見えている光景は、 艦首が消滅し、 前半分くらいが沈むも、 海面との浮力により艦尾だけが浮いている状態が映し出されていた。

 それと船内状況は船体の艦首が消滅した事によりそこから海水が侵入。 多くの兵士や兵器などがそこに向かって強制的に流されて船内にいた兵士達の多くが兵器と共に沈んだ。 甲板上に居た兵士達は、 マストの落下により数名が負傷し海水の所に流されるも、 全員生命に別状はなかった。 若者船長も無事である。


「所詮は雑魚であったか………… まぁそうだろうと思ってはいたが…………」

「船長? さっきと言ってる事が違うような………」

「それは空耳だ」

「そうで…………ん? 船長?アレは何でしょうか?」

「ん?」


 部下がアレがある方向に指を指す。 その方向を自前の望遠鏡で見た。


「何だアレは? 獣か?」


 彼は内心、『生き物というより物と表した方が正しいかもしれないな。 なんか角張っているし』 と思っていた。


「船長、 アレの鼻先に付いている奴って………」

「何だ? てかお前、 目が良………」

「あ、 なんか光った。 逃げよ!」

「おいコラ待て! 誰か其奴をひっ………」


 突然の出来事だった。 それは戦列艦『エア』の腹部に直撃した。 それの1m上に居た彼は文の最後まで言う暇もなく数名除く兵士と共に永遠の眠りについた。



 バスター・ゲバロイ 45歳 死亡

死因、 自走砲から放たれた十五糎(センチメートル)砲による砲撃と船内にあった魔法石の誘爆。



加藤達が乗っている戦車は次回くらいに名前を出します。 この時点で

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