第21話 それは突然に
「はぁ〜、 やっと終わった」
「こういった箱は、 開けるだけで時間がかかるもんな」
ミーティアさんが運んで来た、 シュワルベさんの届け物 (20話参照) の箱を全て、 俺一人で開ける事になった。
当然、 素手で開けるのは無理がある為、 船内にあった修理用の機材を使い開ける事にした。
因みに、 箱を開ける作業をしていたのは自分一人でだが………
……… ミーティアさんは良いんですよ。 蓋がわりの杭付き木材を一箇所にまとめてくれたし……… でも、 旅人……… いや、 若干若いがおっさんは、
「すまねぇ、 昔こういう箱の杭で足の甲を貫いてしまってな、 あれ以降、 こういう箱を開けようとすると手が震えるんだ」
と、 言ってきて約10m先から高みの見物である。 どこまで怖がってんだよ、 おっさん。
でも、 まぁ其れなりに見張りをしてくれていたらしくて、 ちょっと大きめの蛇がミーティアさんに襲い掛かってきた時、 彼の1発の銃撃でヘッドショットを決めていた。
まぁ、 そのせいでミーティアさんの肌に返り血が掛かってしまい彼女はまた失神をするわ、 その銃声の所為で寝ていた水兵らが目を覚まし俺らを叱るわと、 いろいろと酷い目にあったが………
…………… 俺ってもしかして幸運値が低いのか?………
・ ・ ・ ・ ・
「お、 全て開け終わったか」
そうこうしているうちに、 木箱の蓋を全て開けてしまったらしい。 因みに、 その木箱の蓋をおっさんは手にしているが、 顔は凛々しくしているのに対し、 その手はめっちゃプルプルと揺らしていた。
………本当に怖いんだな。
「ふぁ〜、 もう開け終わったのですか〜?」
「ああ、 全て終わったぞ」
ミーティアさんが起きた様だ。 寝起きも実に可愛らしい。
てか、 ミーティアさんって本当に年上か? 精神面は俺より下の様に見えるのだが……… まぁ、 良いけど。
「ところで嬢ちゃん、 箱の中は何が入っているんだ? 見た感じ木屑しか履いていないが………」
「……多分、 全部埋もれているかも………」
「じゃあ出してみますか」
俺はそう言いながら大き目の箱から取り出していく。 因みに箱の数大小合わせて7箱ある。 その中で大き目の箱は4箱である。
「ん? なんか当たったな。 これか?」
何が手に当たる感覚があった。 なので、 それを掴み持ち上げる。 片手で持つと結構重い。 まぁ片手だけでも持てるけど。
「な? お!」
「……………… なお………?」
それを持ち上げ、 それに視線を向けると、 一瞬なんだこれと思ったが、 すぐにこれの正体を思い出した。 因みに、 さっきの “なお” を口にした時、 本当は 『何だこれ? ………おお! これは!』 を言うつもりであったが、 それの正体がすぐに分かってしまった為、 こう言ってしまったのだ。
てか、 寝起きのミーティアさんマジで可愛いですな〜
「カトウ、 それってまさか………」
「まさかですなぁ」
これを見て (後ミーティアさんの寝起きも含む) 今の俺はきっとニヤケているのだろう。
だって仕方がないじゃん。 WW2の頃の代物………に似ている物、 しかも、 祖国に存在していた代物、 おまけに数も少ない。 好きな兵器の一つだから、 ニヤケてしまったのだよ。
自身のテンションが大幅に上がる。
「次だ次!」
俺は次から次えと、 色んな木箱の中身を取り出していった…………
後方で、 二人は今の俺の姿を見て軽く引いていたのだが…………
・ ・ ・ ・ ・
再び水兵らが眠りについている船内にて………
「これっていろいろとあるんだな………」
それぞれの木箱の中身を、 木屑以外全て取り出して船の甲板に並べた。
並べ終えたそれを見て、 おっさんはそう口にした。
確かに、 同じ奴は二種類4丁ずつあるが、 後の物は形や大きさがそれぞれ違う (とは言っても、 それ以外は二種類しかないのだが)。
「確かに……… ところで、 シュワルベさん、 どうやってこれを手に入れたんだろうな………」
「戦闘した相手に勝って貰ったのだそうです」
「鹵獲じゃなくて?」
「………お姉様の事だから多分そうですね」
口を滑らせて言ってしまったが、 そう何だ。 てか誰と!?
「ところで、 これはどれくらい撃てそう何だ?」
おっさんがそう質問をする。 正直、 結構微妙な数なんだよな〜、 弾薬とかが。
「拳銃の方はあんまりないが、 サブマシンガンの方は結構あるな」
「サブマシンガン? 何だそれ? もしかしてこれの事か?」
サブマシンガンを片手で軽々と持ちながら質問をしてくる。 スゲーよ、 それ、 重さが4キロもあるんだぞ。 そう思いながらも返答をする。
「サブマシンガンって言うのは 、 『キャァァァ………!!!』 ………女性の悲鳴?」
森の方から、 声の質的に若い女性の悲鳴が聞こえて来る。 俺は、 てっきりこの島は無人島なのかと思っていたが、 どうやら違っていたらしい。
「え? ここ、 無人島ではなかったのか?」
おっさんもそんな反応をしていた。
「この島に、 人は居ないはずですよ。 人はですけど」
人以外の知的生命体が居るような素振りだな。 人間以外……… エルフやドワーフなどの事だろうか?
てか……… 助けに行った方が良くね? よし! 助けに行こう。
「じゃあ、 ちょっと助けに行ってくるわ!」
「加藤様?!」
「ええ!?」
突然の事であった為、 二人は驚き困惑した。 だが、 彼女らの脳内では、 きっとまた突撃するの? という事を考えて居るであろう。
…………ああそうだ、 そうだよ! 『突撃』だよ! 突撃馬鹿なんだよ俺は!
そう思いながらも、 甲板上に置いていた銃器の中から、 サブマシンガン一丁とリボルバー一丁、 小型自動拳銃一丁、 あとリボルバーや大型自動拳銃以外の弾薬入り弾倉一本ずつだけを残し、 後の全てはアイテムボックスに収納する。
因みに、 リボルバーと拳銃は両方のポケットに、 弾倉はベルトに挟み込ませた。 また、 サブマシンガンの方は素手で持ちながら行く事にする。
………大型自動拳銃はそのうち使う事にしよう。
「じゃあ行ってくる」
準備して出発した時間、 およそ10秒。 あまりの早さに、 二人はテンパって居た。
俺は、 甲板から飛び降りる。 着地地点が砂である為、 足を傷めずに済んだ (まぁ、 靴には砂が入り込んだが)。 そして、 森に向けて足を動かす。
「嬢ちゃん! カトウが心配だ、 行くぞ!」
「は、 はい!」
俺が走り始めた時、 後方から二人の声がして、 俺の後について来た。 別に来なくても良いのだが………
………今更だが、 また大怪我をしそうだな………
自身がやった事に対して、 銃器両手に走りながら溜息をついた。
今回、 おまけは休みです。
因みに、 次回は多分戦闘の回になります。




