閑話 姉妹の調査 1
初の閑話です。 よく書けてれば良いですけど………
ノース王国 カイザー領 海港都市ソルト
「ところで黒髪の嬢ちゃん、 初めて見る顔だねぇ。 どこから来たんだい?」
「……… ヨザクラからです」
「ほー、 ヨザクラからかい。 この国に来るまで相当時間がかかったろ?」
「え、 えぇ……」
最近、 お姉様を含めた数人? としか話をしなかった為、 会話だけで緊張します。
武の神じゃないのに、 剣道や弓道などを一人で鍛えてるから、 こうなってしまったのでしょうね。
仕方がないです。
「ほい、 嬢ちゃんが言っていた茶葉とコーヒー豆だ。 代金は、 大銅貨1枚(日本円にして五百円程)と小銅貨2枚(同じく日本円にして二百円程) だ」
「はい」
言われた通りに、 蝦蟆渕から大銅貨1枚と小銅貨2枚を取り出します。
因みに、 ここは茶葉やコーヒーなどを取り扱っている店です。前から無くなりかけてて、 いつ行こうか考えていたのですよ。
え? 調査? 一応してますよ。 ですけど今は、其れは其れ、 これはこれです。 でも、 こんなところでも情報が聞けるものなのです。
「まいど! ところでこの国の新聞を見たかい?」
「はい、 見ました。 確か、 ノース王国とストーンウォールという国とで同盟を結んだ所の記事なら見ましたよ」
「そうかい、 いや〜 あの国を見てきたが、 あの国の首都はは凄かったよ」
「ストーンウォールに行ったことがあるのですか?」
「ああ、 実は俺、 これでも商人なんだがな、 野菜や肉を氷魔法で氷漬けにしてその国に行ったんだが………
その国の港ですら十分凄かった。
帆を畳んでいるのに煙を上げながら走る船。 これは我が国に既に来日していたから良かったのだが、 鉄でできた巨大なクレーンと造船中であったが鉄でできていて100mを優に超えている船。 俺はそれだけを見ていただけで立ちくらみしてしまった。俺の娘、 ある軍艦の船長をやっているのだが、 その光景を見たら頭を抱えていたであろうな。
だが、 首都はもっと凄かった。
馬が引いていないのに走る馬車、 『レェル』という物の上なら馬よりも速く走る『テツドゥ』という鉄の塊、 ラッパのようなのが付いた箱の上に黒い円盤を乗せると曲が流れる魔道具、 鉄の棒が付いた箱から人の声が流れてくる魔道具。
俺はそれを見た時、 思いっきりぶっ倒れてしまった。
因みに、 俺が持ってきた野菜と肉は結構な値で売れたぜ。 てか、 その国の者が俺の魔法を見た時、 スゲー驚いていたな。 若い時、 名のある師の下で修業していたからか?
まぁ良い、 ところで、 俺がこの店で働いている理由なのだが……………」
・ ・ ・ ・ ・
「お父さん! 店の仕事!」
「してるって………… うわ! もうこんな時間! すまん、 もうちょっと話したかったが今日の昼間用事があるんだった。 本当にすまん!」
「だ、 大丈夫です……… 」
「すまない、 お父さん今から仕事に行って来る!」
「お父さん! 仕事ほったらかさないでよ!」
彼は多分、 妻の事を無視しエプロンを脱いで走って行きました。
私は店の中にあった多分、 ストーンウォーレ製の掛け時計を見ました。 この店に来てからもう3時間も経過していました。
今の事だけで一日分の体力が削れてしまったような気がします。
ですが、 そのおかげで色々と情報を手に入れたから良しとします。
因みに、 この国の名前の『ノース』は、 省略してこうなっているらしいです。 ただ、 本来の名前を知る人は少ないそうです。 自国の名前くらい、 覚えましょうよ。
………ところで、 次はどこに行きましょうか?
私はそう思いながら店を出ました。
・ ・ ・ ・ ・
「フハハハハハハハハ」
次は何と無く港に来て見ましたが、 ガタイの良い男性達が働いている中、 ただ一人、 その男達とはガタイや服装などが違う男性が、 一隻の船を見ながら高笑いを上げていました。
因みに、 その男の服装は焦げ茶のスーツという何処かモダンな感じを思わせます。
私からして、 あの人は変人にしか見えないので、 取り敢えず離れて起きましょう。
ガシッ! (感覚)
「え!?」
突然、 右腕の手首からある感覚が伝わって来ました。 私はその方向を見ると、 私の腕に太く硬いもので掴まれていました。 勇気を出して、 それの本体があるであろう方向に振り返ります。 すると、 いかにも性格が悪そうな容姿をした男性がそこに居ました。 不覚!
「おお! 胸はあと少し欲しいが、 良い見た目をしてるじゃねえか、 俺と遊ぼうぜ!」
「嫌です」
何ですかこの人、 阿保なのですか? 全くナンパというやつになってないのですけど。
てか、 胸の大きさは東洋人の中で大きい方なのですけど。 それに、 別に胸なんて武術の邪魔になるだけなんで、 別にいらないです。 あげましょうか?
「この状況、 嬢ちゃんに拒否権はないぞ! もし、 遊びを断ったら……… ひぃ!!!」
「断ったら?」
この人、 私が少し殺気を出しただけで悲鳴をあげるのですか、 男の癖して情けない。 この世界の転移者転生者の中で、 一番弱い加藤様ですら、 両腕失って痛みと闘いながらも敵兵を倒して居たのに、 実に情けない。
「な、 なんだよ! こ、 この俺様に反抗すりゅ!!………… 反抗する気か!!」
情けない、 実に情けない男だ。 蛇に睨まれた蛙みたいに怯えて…………… しかも、 面白い感じに文を噛んで、 ダサいし情けないです。
「く、 くそったれぇ!!」
男がやけを起こし、 彼のもう一つの手でポケットからナイフを取り出しました。 私からして、動きは遅いです。 左手の甲で、 そのナイフをはたき落とそうとしました。
「そこまでだ!」
「あ? なんだよ……… ってリョリョリョ領主様!?」
「え? 領主様?」
この情けない男、 なんか面白い。 てか、 誰が領主様? え? あの軍艦を見ながら高笑いあげて居て、 ちょっと時代錯誤のある服装をしたあの人が領主なの?
「さ、 さっきまで蒼海の聖女が鹵獲して手に入れた装甲艦を見ていらっしゃったはずでは!?」
「ああ、 見ては居たぞ。 見ては居たが、 貴様が仕事をせず変な行動をして居たのでな、 つい叱りに来たのだ。 だが、 まさか仕事中にこんな事をしていたとわな」
「ひぃ! お、 いや私はただ、 この女性に、 み、 道を教えていたのです!」
「本当か?」
「いえ、 ただの悪質なナンパをして来ただけです」
神の目の前で嘘を言ってはいけませんよ。 思考も読んじゃうので、 考えるのも無駄ですけどね………… ところで、 領主にナイフを刺そうとしていません?
「よし、 貴様はクビだ! そして、 私が作った武器工場の仕事を休み無しでやってもらう! だが、 安心しろ、 この仕事の穴埋めを私が育てた優秀な獣人に来させる」
「ち、 畜生!!!」
「な!?」
やはり出して来ましたね。 ですが遅いです。
パシン!!
「ウガッ!?」
「へ?」
ただナイフを叩いただけで、 腕を痛めたのですか。 そうされたら、 人間は誰でも腕を痛めるけど、 実に呆気ないです。 まだ抵抗をしそうなので、 気を失って貰いましょうか。 まずはやつの背後に………
シュッ
次に首を手刀で………
トン
倒れますね、 放置しましょう。
ドサッ!
「え、 え?」
領主は何も分かってなさそうですね。 まぁ、 仕方がない事です。 動きを少々早めた程度ですから。 正直、 衝撃波を出さないのに苦労しましたよ。 それより、 面倒ごとになる前に帰りましょう。 肝心な記憶を消す能力なんて持っていませんし。
「後は任せます」
「へ、 あ、 はい」
その後、 私は領主様と気絶した男を放置して走りました。 しばらく走り、 人気が無いところで転移魔法を唱え、 そのまま天界に帰っていつもの部屋に戻って、 洗浄魔法を自身の身体に使い、 すぐに寝ました。
地上では色々と騒動になりそうですが、 今はどうでもいいです。 疲れました。
………ですが、 楽しいとは思えた。 また行こうかな。
一方その頃
「ガー!」
「スー………」
「ぐー」
「………ビスさんマルクさん旅人さん、 朝だ! みんな起きているぞ ………いや、 それどころじゃない! 嵐だ! とっとと起きやがれぇ!!!」
「カトウ殿、 こ奴らなかなか起きぬな………」
「そうですね………」
「ところで、 カトウ殿の持つあの武器で攻撃する時の音を聴かせるのはどうだろうか?」
「良いっすね。 やって見ましょう。 船長さん、 まずこの3人の中の一人を立たせてください。 できれば背後は海で」
「え? わ、分かった」
「レバーアクションライフルで良いか………」
「準備出来たぞ」
「じゃあ、 やりますよ!」
「ちょっと待った! カトウ殿? それ、 こちらに向けて居るのは何故だ? まさか、 殺す気じゃ」
「無いですよ。 でも、 頬をかするくらいで行くつもりです」
「そうか、 なら良いぞ」
「「「ヤメろ!!」」」
「あ、 起きた」
「早速だが、 ペナルティーとしていつもの倍、 働いて貰うぞ」
「「そんなぁ(〜)」」
「ふ、 水兵じゃなくて良……… え? 俺も」
「そうだが?」
「マジかよ……」
「加藤様達も働いてください」
「「「「「すみません(ミーティアさん)」」」」」




