ⅩⅩⅥ 協力
カルトは現在の状況と心配するな、という意図の紙飛行機を飛ばした後、ひとまずリストの無事を確かめることにした。
乗ってきた車のトランクを開けると、そこにはルアンの言ったとおりリストが押し込められていた。
「おいリスト! 意識あるか!?」
「ん……? ――あぁ、カルトか?」
「よかった。早速だが、協力して欲しいことがある」
リストは目を丸くして首をかしげた。
「お前から頼みごととは、珍しいな」
フフッと笑ったリストを目にし、カルトはホッとした。
「珍しいって、何年も会ってなかっただろ?」
「それもそうだな。 ――で? そんな珍しいカルトくんからのお願い事とはなにかな?」
「その言い方やめろ。――俺の相棒のことだ」
「クレイくんか?」
「俺がこっちに来てすぐ、いなくなったらしいんだ。お前の能力で見つけ出して欲しい。頼めるか?」
「了解したっ!」
カルトが無制限接触という能力も持つように、リストもどこにいても顔と名前がわかっていれば探し出すことが出来る、無制限追跡という能力を持っている。
(ソウが言うにはクレイがいなくなったのは3日前。俺がシャリテを飛び立ってすぐか。クレイ……。何故お前が)
「カルト!」
「見つけたか?」
「ここの郊外だ! 動きは感じられない、多分静止してるんだろうな」
「そうか……」
(どうする、ここからそう遠くはない。今すぐ行くか? 行ってどうする、殲滅者本部をめちゃくちゃにしたやつだ。リュイも殺された。どうする……!)
考え込んでいるカルトに、リストが優しく尋ねた。
「――なあカルト、そろそろ教えてくれてもいいんじゃないか?」
「何のことだ?」
「とぼけるなよ。本部を襲ったモストロのこと、何か知ってるんじゃないのか?」
「だったらなんだ」
「訳も分からず、お前に協力してやってるんだ。それくらいはこっちにも知る権利があるんじゃないか?」
リストは、真剣な表情でカルトを見つめた。
「わかったよ。本部を襲ったモストロの名は、シュラムだ」
「シュラム……」
「――シュラムはリュイをも殺したんだ」
「リュイを……? 何を言ってる?」
「ああ、お前は倒れてたから知らないと思う。リュイはシュラムに殺され、リュイの妹のルアンがモストロたちを拠点ごと燃やし尽くしてきたそうだ」
「そうか……」
リストは動揺を隠しきれない様子だった。
「お前が寝ている間、俺はリュイの妹であるルアンに呼び出され、いろいろあったんだ。さっきまで一緒だったんだぜ? リュイに似たいい子だった」
「そうか、俺も会いたかったな」
「連絡先は預かった、落ち着いたら連絡しよう」
「そうだな……。でも、それとクレイくんはどう関係してるんだ?」
リストからの問いに、カルトは言葉に詰まった。
「すまない、今は、とりあえず、俺についてきてくれないか?」
「――そうか、わかった。俺も協力しよう。リュイの復讐の手伝いをしたいしな」
「――すまない。助かる」
「落ち着いたらちゃんと説明しろよ?」
「あぁ、わかってる。ありがとな」
そうして2人はクレイがいるであろう街の郊外へと車を走らせた。




