ⅩⅤ 偽物
「各町に……」
カルトは顔を歪め呟いた。
そんなカルトの様子を見た男は“クスッ”と笑って言った。
「そこの君。君なら分かるみたいだね、暴走の脅威が。どうやら本当のエファセらしい。だとしたら分かるだろう? 君たちがとるべき行動が……」
カルトは黙っていた。
「ほら、早くしなよ」
男が急かしだす。
カルトはハッとした顔をするとフッと口角を上げ話し出した。
「いや、分からないな。 俺たちはどういう行動をとればいいんだ?」
「なに?」
男は高笑いし始めた。
「あははははは! お前もそこの馬鹿と同じか! エファセも終わりだな!」
クレイを指差し高笑いをしていた男の背後、その人は呟いた。
「終わりなのはお前だよ……」
「は?」
男が振り向く隙もなくその人の持つ大鎌が振り下ろされた。
突然振ってきた大鎌に頭を割られた男は、ピクリとも動かず絶命していた。
「……ルト?」
男を殺したのはルトだった、しかし何かが違う。
「お前、ルトなのか?」
ルトの顔をしたそいつはふふっと笑い話し始めた。
「ふふ、そうだよ。ルトだよ? 助けに来てくれてありがとう! カルト!」
カルトはクレイと目を合わせ、“行け”と口を動かした。
クレイはハルの手を引き、道を引き返した。
「ねぇ? クレイたちはどこにいったの?」
「ああ、あいつらは気にするな。 それよりも無事でよかったなぁ、ルト。その大鎌、どこから出したんだ?」
「これは伸縮自在なんだ。 すごいでしょ?」
「それはすごいな。――それはそうと、“本当のルト”はどこにいる?」
カルトの出す殺気に“偽者のルト”は寒気を覚えた。
「何言ってるのカルト! 僕はここにいるじゃない」
「うるさい馬鹿。お前がルトと入れ替わったのはおそらくクオーレに向かう道の途中だろ」
「……はぁ、しょうがないかぁ。そうだよ、俺はあの日、ルトを捕らえてルトになりすました」
偽者のルトはニヤニヤしながら続けた。
「でも、少し遅かったかもね。ルト、殺されちゃってるかもよ?」




