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ⅩⅣ 確信

――数日後――


 カルトとハル、クレイとルトは共にあと3つの街を過ぎればサラハ、というところまで来ていた。


 サラハの3つ前の町の惨状を見たカルトはまたも呟いた。


「ここもか……」


 先程は何も言わずにノートに記していたハルでさえ、今は口元に手を当てて呟いた。


「クルエルより酷い……」


 そう、2人の目に映っているのは、ロセウスとは比べ物にもならないほどの惨状。

 ロセウスでさえ、バレンティアやクルエルよりも酷い状況だった。

 しかし、この町は家や建物と呼べるようなものはなく、人の姿もみえない。

 見える範囲にあるのは家や建物の残骸と思われる瓦礫やレンガの山。

 そして、道……だったと思われるものの上には大量の血液と骨、内臓。

 また他では見られなかった、人間の体から器用に骨だけを抜き取ったと思われる遺体や、反対に肉だけを喰われ骨しか残っていない遺体もあった。


「あぁ、モストロはこちらのルートを来たんだ。サラハから……“クオーレを通ることはなく”、ロセウスを通って、バレンティアに」


 カルトには(しかし、何のために骨を抜いて行ったんだ?)という問いが浮かんでいた。


 ハルは不安そうな顔をしながらカルトを見上げた。


「――じゃあ、クオーレに行ったモストロは……?」


 カルトは眉間にしわを寄せ、唇を噛み、目を硬く瞑ってから答えた。


「――おそらく、クオーレにまだいるのだろう」





 同時刻、カルトのいる方とは反対側にあるサラハの3つ前の町に着いたクレイとルト。


「ここも大丈夫そうだな!」

「そうですね!」


 凄惨な光景ばかりを見てきたカルトたちとは違い、クレイたちは住民が暮らし、市場が栄える平和な光景しか見てきていなかった。


「平和なのは良いんだがなー。うーん、なんかこう、平和が続くと刺激が欲しくなってこねぇか?」


 困った顔をしたルトが応えた。


「まあ、わからなくもないですけど。そう言ってはダメですよ! 平和なのが一番なんですから!」

「それはわかってんだけどなぁ……」

「さあ、あと3つですよ! もう少しでサラハです! 頑張りましょう!」


 ルトはクレイの背中をグイグイと押し先に進ませていった。 

 サラハの2つ前の町も平和な町だったが、少しおかしな町だった。

 その変化に気付いたクレイは呟いた。


「なんだ、この違和感」


 しかしルトはクレイの言う“違和感”の意味が分からず、ポカンとした表情で「何がですか?」と聞いてきた。


「おかしいだろ、よく見てみろ」

「“よく見てみろ”って言われても、普通じゃないですか? 人は歩いてるし、市場も栄えてるし!」

「その“人”と“市場”をよく見ろって言ったんだ、おかしいとは思わないか?」


 クレイの言う通り違和感があった。

 町に歩いている人はどこか疲れきって満身創痍に見える人ばかり、市場に売っている商品は血が滴っている生肉と骨、売っている店員は何かに怯えきった表情で無理矢理笑顔を作り“いらっしゃい”と言っている。


「た、確かに、奇妙ですね……」

「あぁ」


 そう言ったクレイはさらに「ルト、ここ、“印”つけといてくれ!」と続け、次の町、クオーレへ向け歩き出した。

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