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桃太郎  作者: はな
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5.腹心の友と桃園で無垢なる少佐の誓い

ゴミだらけの広い邸宅の床で、桃太郎は三匹の異能を見つめた。


煤けた麻の衣から細く白い手をそっと差し出す。


「タヌキ、南部馬、オニヤンマ。手を重ねて」


いぶかしむ三匹を前に、桃太郎は細い喉の奥に力を込め、凛とした声を響かせた。


「私はおごそかに誓いを立てます」


それはまるで儀式を執り行うかのようだった。


「太陽と月が輝いているかぎり、私はあなたたちの誠実な友人となるでしょう」


その言葉に真っ先に反応したのはタヌキだった。


彼はぎこちない動きで自らの前足を桃太郎の手に重ねた。


「我ら天に誓う! 我ら生まれた日は違えども、死す時は同じ日同じ時を願わん! 」


「まあ……素晴らしいですわね」


南部馬は、静かで鈴を転がすような声で微笑むと、岩のように太く無骨な蹄を、二人の手の上にそっと優しく添えた。


「一粒の砂に世界を見、一輪の野の花に天国を見る。手のひらに無限を乗せ、一時のうちに永遠を掴む……。多くの人と共感できない私の寂しさは、今、宇宙の演算を超えて満たされました」


3人の手が重なり、残るは空の暗殺者だけとなった。


「ふふ、いいわねぇ! 」


オニヤンマは、細く鋭い脚を最後に重ねると、巨大な複眼を歪ませて、羽音を鳴らした。


「諸君、私は戦争が好きだ!諸君、私は戦争が大好きだ!殲滅戦が好きだ!電撃戦が好きだ!打撃戦が好きだ!防衛戦が——」


「さ、作戦会議を始めましょう」


「ちょっと、いいところだったのに!」


オニヤンマが続きを言いかけたところで、桃太郎はウメガイの柄をトントンと叩いてぴしゃりと締め、いたずらっぽく微笑んだ。


定住社会から爪弾きにされ、システムに殺されかけた三匹と一人。


異能達の反撃がここから始まる。


「タヌキ、オニヤンマが持ってきた地図を広げて」

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