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100回死んだ悪逆貴族、ヤケクソで死亡フラグ回避を諦めたら無双モードに突入した  作者: 斧名田マニマニ


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15対1? だからなんだ

「次は左の影。逆手の短刀使いだな」


黒衣の男が低く構え、足音も立てず滑り込んでくる。

だが、その動きすら読んでいたノクスは、先んじて間合いを潰すと、相手の顎を蹴り砕いた。


「ぐあッッ!?」


乾いた破砕音と共に歯が散り、短刀が敵の手から離れる。

空を舞う刃を掴み取ったノクスは、そのまま相手の喉笛に切っ先を突き立てた。


「三人目は槍使い。突きは正確だが、足が遅い」


突き出された槍の穂先を、ノクスは半身でかわした。

同時に槍を掴み、強引に引き寄せる。

体勢を崩した槍兵の胸へ、ノクスは魔弾を容赦なく撃ち込んだ。


「ぎゃあああッッ……!!」


悲鳴とともに敵の口から血泡がぶくぶくと溢れ出す。


「四人目は弓使い」


弦が鳴るより先に、射手の腕を弾いて矢を折り、動揺した顔面に指を突き立て、眼窩を抉る。


「五人目は投げナイフ師だったな」


複数の刃が宙を舞うのと同時に、ノクスは軽く手を振った。

ノクスの手から放たれた風刃が、飛来したナイフをすべて弾き返す。


弾かれたナイフのうちの一本は、投げ手自身の額に突き刺さった。

敵は悲鳴も上げずに、その場で絶命した。


床に倒れた五つの影からは、鉄の匂いとともに温かい血潮が立ち昇っている。


ノクスは返り血を拭うこともせず、残りの暗殺者たちを振り返った。


「あと十人か。飽きてきたから、サクサク来てくれ」


とは言ったものの、このあと、魔剣を手にした三人がまとめて襲ってくることはすでに知っている。


背後から迫る三人は、息を合わせたように同時に武器を振るう。

ノクスは敢えて刃の交差点に自ら身を置いた。


まずは目の前にいる剣士の懐へ滑り込み、拳に纏わせた魔力を腹へ叩き込む。

内側から破裂した肉片が飛び散り、男は絶叫を上げた。


その勢いを殺さずに回転し、背後から振り下ろされた鉤爪を迎え撃つ。

ノクスの掌に展開した薄い魔力障壁が、金属の爪を受け止め、魔力の火花が散った。

骨の砕ける音と共に男の体勢が崩れる。

ノクスは即座に魔力の一撃を、男の首に叩き込んだ。


さらに一回転。

最後の一人が背中を狙ったときには、ノクスはすでに背後を振り返っていた。


残光のように閃いたノクスの魔剣が男の首筋を裂く。

男の頭がぐらりと傾くと、血飛沫が部屋中を赤く染め上げた。


足元に転がる三体の死骸を一瞥することもなく、ノクスは次の影へと歩みを進めた。


「九人目と十人目は、二人同時に斬りかかってくる」


ノクスは一歩退き、敵の剣を横に払った。

刃と刃が交錯し、互いの胴を切り裂く。

血が弧を描き、二人は同時に呻き声をあげて崩れ落ちた。


「残り五人」


だが、十一人目の暗殺者は剣を構えたまま一歩も動けずにいた。

額には脂汗が滲み、震える手が柄を握る音さえ聞こえる。


ノクスは冷徹な態度で、男に向かって指先を差し出した。


「さあ、どうした? 次は、おまえが死ぬ番だろう?」


その一言で、男は顔を引き攣らせた。


次々と仲間が無惨に屠られ、倒れるたびにノクスの予言が現実となっていく。

だから、「次はお前だ」と告げられた瞬間、男は自分の死が避けられないと悟ってしまったのだ。


「くそ……こんな奴と戦えるか……!!」


だが、逃げ出そうとして背を向けた直後、男の視界に閃光が走った。


背骨を真っ二つに断ち割られた男は、身体を痙攣させながら息絶えた。


「十二、十三」


次に目を向けられた男たちは、恐怖に駆られ、情けなく尻もちをついた。


「ま、待っ――」


懇願の声は最後まで続かない。

ノクスの刃が顎下から頭頂までを縦に裂き、頭が二つに割れて血と脳漿が飛び散る。


残る影は二つ。

血に濡れた床の上で、暗殺者たちは背中合わせに立っていた。

顔は蒼白で、呼吸は荒く乱れている。


数秒の間の後、彼らは退路などないと悟ったのだろう。

叫び声を上げると、力を振り絞って一気に飛びかかってきた。


「死ねえええっ!」


男たちの剣閃が交差するより速く、ノクスの掌から魔力の刃が閃いた。

片方の男の首が容易く跳ね飛び、鮮血を撒き散らしながら宙を舞う。

ノクスはその首を掴み取ると、もう一人に向かって投げつけた。


「ぎゃっ!?」


仲間の頭部を顔面に叩きつけられ、残された暗殺者は呻き声を上げた。


ノクスはすかさず踏み込み、掌から放った魔力の閃光で、男の腹を縦に裂いた。


「……いッ……ギヤアアアッッッッ……!!」


血と臓腑をぶちまけながら、仰向けに倒れた男は、二度と動かなかった。


これで暗殺者たちは全滅した。

血の匂いが漂う静寂の中、立っているのはノクスとジークハルトだけだ。


「やっと静かになったな」


返り血を浴びたノクスが、コキコキと首を回しながらジークハルトを振り返る。

ジークハルトはあんぐりと口を開け、青ざめた顔で絶句していた。

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