↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
私さえ消えれば、全て丸く収まるのでしょう  作者: 紫


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

60/63

60


「貴方が…いえ、貴方達が喉から手が出るほど欲しいものだと思いますよ?」


 ルナリスは、その容姿に似つかわしくない黒い笑みを貼り付ける。

 そしてヨーゴン王国、イヤノグ帝国の両国と秘密裏に交わした話に移った。




「……そ、れは…」

「えぇ、ミッケンを苦しめていた一番の原因ですわね。

 けれど、私の差し出す条件諸々を受け入れてくださらないのであれば、このお話はここまで…」


 ルナリスはガモールの様子を、チラと流し見る。

 色々と必死に考えているのだろう。

 しかし、どう転んでも逃げ場なんてない。


 ルナリスが両国と『交渉』と言う名の『脅迫』をして得た結果は、彼等が現在手にする事が叶っていない結果だ。


 ヨーゴン王国、もしくはイヤノグ帝国から科せられる、あまりに重い通行税負担を軽減できる夢のような話。それを手にしようと、フール王女誘拐からのヨーゴンと帝国の不和を招こうと画策した…どうしようもなく稚拙な計画で、今回は無関係だったブルームロード王国王族に、一番の被害を出してしまった。


 自分が招いた事…そして拒否するなんてありえないと気付いたガモールは、鉄格子の向こうでガクリと項垂れる。


「……わかった…」




 だが、ルナリスが並べる条件に、ガモールの顔色はどんどん悪くなっていく。


「待……待ってくれ…」


 ガモールは頭を抱えている。


「俺が死ねばいいだけなんじゃないのか?

 なのに…なんでそうなる?

 いや、そもそも、お前の言う通りなんだ…俺が死ぬのは当然だ…。

 苦しんで喘ぐ民…国の為に、馬鹿な計画を実行した。そして結果ブルームロード王国に迷惑を掛けた。処刑されても文句が言える立場じゃない。でも、奴らは関係ないだろ?」

「侵入者は貴方だけじゃありません。

 部下の方々も同じくです。なのに彼等が許されるだなんて、どうして思っていらっしゃいました?

 その方があり得ませんわね」


 ガモールがグッと声を詰める。だが、頭をフルッと一振りすると、鉄格子を握って張り付いた。


「頼む、俺だけにしてくれ。

 奴らは国に家族がある…帰してやらないと……」

「ミッケン人は図々しいのですね…頼み事が出来る立場じゃないと理解出来ませんか?」


 淡々と言い放つルナリスに、ガモールはギュッと目を瞑(つぶ)った。


「良い部下達じゃないですか、口を割るまいと、自死を躊躇いなく選ぶ方々らしいですし、ここは一蓮托生と言う事で、ね?」


 ガモールは口を閉ざして項垂れる。


「全員、死んで頂きますわ。

 物理的に……





 ……ではなく、社会的に。

 そうして4国の間に新たに設ける予定地で、私の手足となって頂きます。

 最初に言ったように、拒否権はありません。

 まぁ…なくはないですが、その場合、物理的に死んで頂きます。

 我が国の王太子を…セリオール様を傷つけた罪は、あなた方の命程度で贖(あがな)えるだなんて思わないで下さい。


 拒否をした場合、貴方達のミッケン王国は地図上から消えて頂きます…なんとしても」


 ガモールは弾かれたように顔を上げた。

 その顔は絶望に染まっている。


「そ、んな…そこまで…。

 お前だって王族になるんだろ!?

 だったら民を巻き込むなんて、どうやったらそんな考えが出来るんだ!!??」

「ソアラから聞いてないのですか?

 私の事…」


 ガモールの反応を見るでもなく、ルナリスは続けた。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。