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【完結済】私さえ消えれば、全て丸く収まるのでしょう  作者: 紫


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「ぁ~それと、なんですが……。

 自分、少々大雑把(がさつ)な質(たち)でして…言葉遣いなどは御容赦願えると助かります。

 まぁ、騎士ですのであまり喋る機会はなく、これまで困った事はないんですが」


 マリルー本人にも最初から改める気はないようだが、ルナリスがそんな事を気にするはずもない。

 何しろ貴族令嬢として、まともな育ち方をしていない。


「言葉遣いなんて、全く問題ありません。

 むしろその方が肩が凝らなくて助かります」


 ルナリスとしては、信頼できる人材を初めて得た瞬間で、王宮としては、後の迷コンビ誕生の瞬間であったが、それはまた別のお話。


 ルナリスは、良き相棒となるマリルーに、先程考えていた調査先を指示した。

 王妃との面会許可も出たが、先にニッペルにも協力を仰ごうと寄り道をする。

 ニッペルは自身について『マッド』だとか、少しばかり不穏な言葉を呟いていたが、なかなかどうして…彼を師と仰ぐ若手研究者は多い。ルナリスも彼の弟子の一人として、それを知っていた。


 そして意外に思う向きもあるだろうが、研究者と言うのは存外金の流れに敏感だ。研究が続行可能か頓挫するか…それは資金次第という部分がある為だ。

 勿論、細かい金勘定なんてさっぱり…どころか、興味がない研究者もいる。

 しかし帝国から逃げてきたニッペルには、優秀な事務員という強い味方が、元居た研究所で今も働いているらしい。

 研究者だけでなく、彼等をサポートする事務員や、研究成果を販路に乗せる商人達にも顔が利(き)くのは大きい。


 ブルームロード王国を…何より、セリオールを巻き込んだ3国を許さない。

 その為に王妃も巻き込むべく、ルナリスは歩き出した。






 王妃との面談は有意義に終わった。

 話し合う中でルナリスの幾つかの提案に、最初顔を引き攣らせていた王妃だったが、最終的には納得してくれた。もうこんな事態は御免被りたい…と言うのは、王妃も同じく、と言う事だろう。

 尤も、それらはセリオールが無事復帰できれば…という前提付きの物なので、今すぐどうこうと言うものではない。


 ただ、気になる事があった。

 フール……ヨーゴン第一王女である彼女に、ルナリスは違和感を感じてしまう。

 ソアラからトーマスの妻の座を奪う事になったフールだが、ルナリスはこれまで直接会った事も、見掛けた事さえない。


 噂でしか耳にする事のなかった彼女だが、ルナリスが聞いたのは以下のような事だ。


 ヨーゴン王夫妻が溺愛する彼女は、これまで王宮から出た事がなく、婚約者も居ない。

 政略の意味を持つ婚姻の顔合わせに向かう第3王女の旅に、ついて行くのだと駄々をこねた。

 政略相手のブルームロード王国で、婚約予定者であるセリオールの兄トーマスに、顔合わせの場で見初められ求婚された。

 王太子妃が務まる様な器ではなく、我儘で尊大で…何より溜息を吐きたくなる程の馬鹿。


 他にも色々とあるが、これまで諸事情で顔を合わせる機会がなく、真偽の確かめようがなかった。



 そんなフールに纏わる話の、何処が気になっかたと言うと…




 王妃は言った。


『けれど、トーマスからの求婚に驚きもしなかったのよ。

 フール王女も第3王女も…彼女達とトーマス以外は血の気が引いてたって言うのにね』


 引っ掛かりを覚えるのも、当然ではないだろうか?





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