↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
私さえ消えれば、全て丸く収まるのでしょう  作者: 紫


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

2/62

2


 どこから…何時から、この結果に至る分岐に入り込んでいたのだろう。



 多分…第1王子が王太子だった頃…だと思う。


 此処(ここ)ブルームロード王国は平和が続いている。

 全くトラブルがない訳ではない……しかし対話でどうにかなっていた。周辺諸国には血生臭い小競り合いがあったりする事を思えば、十分平和と言って良いだろう。


 しかし、時期的に諸外国との繋がりを深める必要がある…との声が上がり始める。

 そこで王家に、隣国王女の輿入れが検討される事になった。


 ブルームロード王国の王家は、現在、王、王妃は健在。そして王子が2人いる。

 長男であるトーマス・ダマッテ・ブルームロードは既に王太子として立っており、先日婚約者も定まった。まだ内定しただけで正式な文書は勿論、噂にもならないよう箝口令が敷かれている状態だが、メゾット公爵家の長女ソアラに…と話が進んでいる。


 トーマスは金髪青瞳という派手な容姿に加え、明るく朗らかな性格で、民からの人気が高い。ただ頭で考えるより感情、そして即行動…と言う、直情的な所が残念であると、以前から教育係には指摘されている。

 加えて美人に弱く惚れっぽい。有体に言えば、少々女性にだらしない…そんな気質な為、王太子の座を任せるには不安が残ると言われていた。

 しかしそこを王がゴリ押した。政は妃や第2王子に補佐して貰えば事足りるだろうと…。


 そのトーマスから、少しばかり年の離れた弟であるセリオール・ダマッテ・ブルームロードは、控えめな……いや、言葉を選ばずに言うなら、厳冬を彷彿とさせる冷たい容姿と性格をしていると言われている。

 癖のない黒髪を短く整え、切れ長の銀瞳は常に冷ややかで感情を乗せない。


 実際には決してそうではないのだが、第一印象はどうしても緊張を強いる容姿と空気感な為、あまり表立つ事なく過ごしていた。

 とは言え、中身は兄トーマスより落ち着いていて優秀と言われており、彼は兄が王位を継いだ後も王籍を抜ける事無く、補佐する事が求められていた。




 隣国王女の輿入れは、セリオールが受ける事になっていた。

 直情的で感情が表出しやすいトーマスでは、不安が残る…との指摘が強い為である。

 政略である以上、年齢的に妃より年下になってしまう問題はあれど、不安要素の少ないセリオールを推す声が多数を占めたのだ。


 何より友好国とは言え、やはり王妃に他国の姫を据えると言うのは、貴族達から不満も出やすい。その為セリオールが政略結婚をするしかなかった…というのも理由の一つにあげられるだろう。



 そう言った諸々の事情で、トーマスの婚約者選定はかなり急がれた。

 隣国との話し合いを引き延ばす訳にはいかないし、何より…彼方(あちら)としても、単なるスペアである第2王子の妃より、王太子妃を望んでいても不思議ではないからだ。

 ブルームロード王国側として、それは防ぎたいと急いだのだが、周囲が拍子抜けしてしまう程あっさりと決まってしまう。


 トーマスが婚約者候補達の絵姿を見るなり、即断したのだ。


 公爵家、侯爵家の令嬢が何名か候補に挙がっていたのだが、彼女達の多くは語学が堪能だったり、話術が巧みだったり…と、得意とする何かしらを持っている。

 その中でトーマスが気に入った女性も、抜きんでているものはあった。

 ……確かにあったのだが、それは……。






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。