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作戦が終わって


神奈川県 国防省統合軍本部本部長室


 大川と篠原は久しぶりにゆったりとした様子でソファーに座り、コーヒーを飲んでいた。

 「魔法作戦なんて言うから一時はどうなるかと思ったが、無事に終わって何よりだ」

 「あれから3週間以上経ちますが、ケルベロスの出現はありません。今までの出現サイクルから考えて、新たなケルベロスが出てこないということは、生殖個体の死滅と考えていいのではないでしょうか」

 篠原の話を、大川は満足そうに聞いていた。

 「しかし、広報にはかなりのクレームが入っており、対応に追われているようです」

 今回行った作戦は、魔法攻撃というおかしな名称を使ってその本質を隠していたが、流石に作戦が実行されればウイルスを広範囲に使用したことがわかってしまうのは明らかだった。

 マスコミは人々が恐怖を抱くような表現で報道し、それを煽り立てるようにエセ活動家はデモを計画していた。

 「まぁ、やってしまえば、どれだけ騒ぎ立てようが関係ない。政府には今回の作戦の必要性をしっかりと説明してもらうつもりだ」

 篠原が実際に広報に立ち寄った時、その混乱ぶりは気の毒に思うほどだったが、確かに作戦が終わってしまえば熱りが覚めるのを待てばよかった。

 「次に成れの果て物質ですが・・・」

 篠原は話題を変えた。

 「環境化学部門は、「おそらく」という言葉を付けた上で成れの果て物質を確認しました。「おそらく」というのは、まだそれが環境に対してどのような影響を与えるか分からないからだそうです。今後、その影響と分布状況を調査していくそうです」

 「未来の奴らがこの世界をひっくり返すほどのことを仕出かしたわけだから、よほどその物質が未来で悪さをしているのだろうな」

 「そうですね」

 それは、どれくらい先の話なのだろうか・・・、篠原は小さい頃に本で見た未来の世界を思い浮かべた。



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