EP594:伊予の物語「叛心の安禄山(ほんしんのあんろくさん)」 追記その2
兄さまにしたみたいなこと?をすればいいの?
私はまず、おなか、に片手を這わせ、もう片方の手は鎖骨に這わせた。
ゆっくりと指先で触れるか触れないかぐらい微かに、肌を撫でる。
円を描くようにして、だんだん胸の敏感な先端に指を近づけた。
もう片方は下腹部に近づけ、近づいたと思ったら遠ざけ、腿の付け根を撫でたり、おへその周りを指でつついたりした。
胸の先端に近づいた指は箏を弾くように、軽く弾いたり、指で覆ったり、また周囲を指先でなぞったりした。
兄さまの時はこの段階で、身体を痙攣させ、息を荒くして、我慢できないような声を漏らしてた。
その時のことを思い出し、淫らな衝動が下腹部から湧きおこった私は、思わず影男さんの胸の先端を口に含んだ。
同時に下腹部の敏感な部分を手で包むと、すでに満ちていたそれが、もっと張りをもったような気がした。
律動的に舌で弾くのと、包んだ手を動かすのとを同時にしてると、影男さんが腰を震わせ、胸が大きく上下し始めた。
うめき声が漏れ、私の動きはますます速さを増したのに、影男さんの反応が、突然ピタリと止まった。
それからはどれだけ熱心にしても、影男さんが無反応になったので、動きを止めた私は、体を起こして
「やっぱり私って下手?
最後まではいけない?
臺与のように男性を喜ばせることはできないのね?」
がっかりして肩を落とした。
影男さんは上半身を起こし、私の袴の紐をほどきながら
「そうですね。
途中まではまぁまぁでした。
同じ動かし方では刺激が単調になり慣れてしまいます。
強弱や速さに違いをつけ、刺激に差分があれば感じやすくなります。
最後はためらわずやり遂げることが大事でしょう」
そういいながら、私の小袖の紐もほどき、衿をはだけて胸を露わにさせた。
びっくりして
「はぁ??!!
何してるのっ!!
私は頼んでないけどっ!!」
衿をつかんで合わせ胸を隠した。
影男さんが四つ這いになって私の上からのしかかり、唇を近づけてくるので、顔を背け
「ダメッ!兄さま以外の人とそういうことはしないって言ったでしょっ!!」
影男さんはチッ!と舌打ちし、苛立ったように眉根を寄せ、口をとがらせ
「他の男のことを考えながら、恋しい女子に愛撫される身にもなってください」
はぁっ??!!
「だって!影男さんがいいって言ったんでしょ!練習台になるって!
それに反応しなかったのは、私が触ったって別に気にならないってことでしょ?」
影男さんが忌々しそうにジロッと私を睨みつけ
「我慢してたんです。
反応すれば私の自尊心が傷つきます。」
はぁっ??何それっ?!
唇と唇が触れ合う距離に顔を寄せ低い掠れ声で
「あなたも我慢すればいい。私を嫌いなら、反応しないはずでしょう?」
呟きながら、私の頭の後ろをがっちり抱え、逃げられないようにしてから、唇で唇をこじ開け、太い熱い舌を挿し込んだ。
湿った奥を太い舌で掻き回し、官能と情熱を引き出そうと、激しく動き、強く吸われる。
同時に片手で乳房を軽く包み、先端を弾くと、ゆっくり下に降り、袴の中にその手が潜り込んだ。
既に甘美な蜜があふれ、指がそこで滑るように動くのを感じ、それを知られて恥ずかしいのと、そこから這い上がる快感とで全身を震わせた。
「んっ・・・・ダメっ!・・・・やだっ!」
鼻から漏れるような喘ぎ声混じりの拒絶は、当然のように無視され、ますます官能の興奮を引き出そうと、影男さんの指が巧妙に、慎重に動く。
影男さんが耳に、温かい唇を押し付け、吐息交じりに低い声で
「私を好きじゃないなら、こんな風にならないでください・・・
もっと強く拒絶してください・・・・」
ささやきながら速さを増すので、我慢できない痙攣で腰が動くたびに、押し出され声が漏れる。
「・・・・やっ・・・んっ・・・っふっ・・・っんっ・・・・」
息を荒くして、速さと強さを増しながら
「私を好きですか?」
そこから突き上げる快感が加速度を増し、何も考えられなくなる。
「ん・・・ちがっ・・・う・・・・」
もっと速く、もっと強く、動かしながら
「私を好きですね?」
次々と快感の波が高まり、押し寄せ、理性を突き崩し、思わず
「・・・んっ・・・好きっ・・・・」
喘ぎながら答えると、一気に駆け上がるように動きが激しくなった。
真っ白な痺れが頭の中に広がり、そこからの快感で、全身の感覚が塗りつぶされた。
こわばりから解放され、収縮と弛緩を繰り返していると、太い腕でギュっと胸に抱きしめられた。
締め付けられると、息ができなくなり、心地よい痛みで気を失いそうになった。
低い掠れ声で
「ひとつになりたい、伊予と」
耳に熱い息がかかり、そこが震え、眩暈しそうなほどの、愛おしさが体の奥からあふれ出た。




