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ブルーウォーター公国物語(続グランディ王国物語のそのまた続き)  作者: 雷鳥文庫


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337/364

ひとに言えず想いと、言葉ばかりが積もっていけば。もどかしさはあなたには良くないね。

「アンタには関係ないだろっ!何しゃしゃり出てンだよ!セピア!」

まるでスケバンのように凄む声が聞こえる。


…ショコラさんである。

怒っている。チョコレート色の髪を振り乱して。

美しいヤマネコが威嚇してるみたいだ。



ここはレストランの裏手である。目隠しのために木で覆われているのだ。


木のかげから、恐る恐る顔を出す。

「ううぅ!だってショコラさん!色んな噂が駆け巡ってえ!オレ、じっとしてられなくってええ!」

うわあ。セピア君半泣きだよ。


「…で?ハンゾー、アンタはなんなの?コイツに引きずられて来たようだけど???」

ショコラさんはハンゾー君に向き直る。

「…い、いえ。それは。」

口ごもるハンゾー君。下を向いている。


告白するならこれが最後のチャンスだぜ、ベイビー。

言葉にできないなら恋は終わり…かもね?

こんな時なのに、頭の中にサ○ンのサウンドが流れるわたくし。


はあっ。


ため息をつくショコラさん。


「…あの、引っ越しをするって聞きました。」

ハンゾー君が言葉を搾り出す。

「…それがアンタに何の関係が?」

バッサリである。

「…いえ。」


「けっ!ハンゾー!オマエってヤツは!

もっとしっかりハッキリしなよっ!言いたいことは言える時に言っとかねえと後悔するんだぜ!」

セピア君の自説が炸裂だ。


「…それは一理ある。」

シンゴ君はポツリと言う。

そうだよね、あなたはいきなりの告白でラーラさんを手に入れたんだ。


私とシンゴ君に気づかないのか、三人の修羅場は続く。


「…ううう!ショコラさあん!オレ、嫌だ嫌だ寂しいよっ!ここを出ていってあんなヤツと住まないでえ!」

セピア君が吠えた。

「…アンタにも関係ないよね!セピア!」

ショコラさんは叱責する。その目はゴミムシを見るようである。

いいぞ!いいぞ!


「わかってるけど!気持ちが追いつかないんだ!」


セピア君はショコラさんに駆け寄る。そして縋りつこうとした。


「…ショコラさん!せめてその胸で泣かせて!

……うううう!イタタタタ!!」

ショコラさんに抱きつこうとしたセピア君だが、弾けるように立ちどまった。


「…くうううう!この左手の痛みが!封印された呪いかっ!ショコラさんに触りたいのにイイイイイ!」

厨二病の少年のように封印された?左手を見せつけるように掲げるセピア君。


その加護の腕輪は赤く光って締め付けている。


…ロージイの怒りである。


バカだね。懲りないヤツだ。


「せ、せめて、触れないのなら!近づくだけでも!ショコラさあああん!」

手を前で交差して近づく。セピア色の髪を振り乱し、自分で自分の身体を抱いてる格好で。

いや?腕輪が付いている左手が彼の前進を止めているのだ。


「ええいっ!」

ジャンプしながらショコラさんに近づくセピア色の忍び。

そこには常識も通用しない。なりふり構わず情熱のパワーがほとばしっている。

「なんちゅー執念だ。アイツすげえな。」

シンゴ君の顔も強張る。


「そしてあれがハンゾーに足りないものだなあ。」

シンゴ君、私もそう思う。

足して二で割れば良い。いやそれでも濃いか。

五倍希釈くらいがちょうどいいかも。

(カル○スやコー○スみたいに。)


「…セピア!しつっこい!」

ショコラさんが、近づくセピア君を蹴り上げる!

「ああっー!ショコラさん!素晴らしい脚力っ!いいっ!」


…私は何を見せられてるんだろう。


「おいっ!ハンゾー!好きなら好きと言えっ!オレの姿を手本にしろよっ!」

「反面教師だ!バカタレ!」

ショコラさんは叫んだ。


アラ。ハンゾー君にも飛び火が。


「…だけどね、ハンゾー。アンタ、このバカを止めもしないってのはどうなの?私が困ってるのがわからなかったの?

少なくともヨーゼフさんならコイツをはがいじめにするし、ブラッキー兄さんなら踏みつけている。」

ショコラさんの言葉と視線は冷たい。

「……それは!」


「私はね、真っ直ぐ気持ちをぶつけてくるセピアの方が、見どころあるとは思うよ。

…恋愛にはね、時には積極性も必要なんだよ!

次に好きになった人には上手くやるんだよ!?

……いいね?ハンゾー。」

そしてかすかに笑った。


ショコラさんの言葉はまったくもって容赦が無かった。


ハンゾー君はガックリと膝から崩れ落ちたのである。



「うおおおっ!手が千切れるう!」

そしてセピア君はのたうちまわっていた。

いとしのエリーからですね。

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― 新着の感想 ―
ブレスレットで締め付けられて1週間くらい手がしびれて使えないといいのに。 それでは仕事にならないけど、そのくらい腹が立つ言動。 それを止めもしないのはちょっと幻滅・・・ ショコラ、ちょっと複雑な苦い想…
セピア笑 ショコラさんは姉枠だった、で決着つけなよね君も笑 ハンゾーさんは最後までヘタレだったけれども、ちゃんと次に活かせる土台ができたと信じましょうウンウン
セピアこいつ本当にこいつは ロージィ本当にこれでいいの?
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