出会ってる。二人のrelation。かけがえのない人で 何かが変わるかもね?
さて。六月二日。つまり次の日である。
朝の九時。
ゴシゴシゴシ。
ブラッキー君は荒れていた。
一心不乱に鍋を磨いている。
ガシガシガシ。
今度は無言で床磨きだ。
アンちゃんはそれを横目でじっとみていた。
「ふうん。」
口元をあげる。
「どうしたんでしょ。」
「そうじのおにがこうりん。」
コハク国の双子が遠巻きに見ている。
もう朝ごはんも済んでるから、お掃除は構わないんだけど…。
そして、ショコラさんは、私とアンちゃんと母を呼んだ。
「すみません、少し、お話が。」
自宅のリビングにはいった。
「…いつも家族同然に扱ってくださって、感謝してます。私だけがこのご自宅にお部屋までもらって。」
「ううん。こっちこそ。住み込みで子供の面倒を見て貰って、助かってるのよ。」
「ごめんね?公私混同で、負担になってたのね?」
母と私はペコペコと頭を下げる。
「いえいえ、負担だなんて。」
「…ふーん、ここに通える距離なのワケね?部屋は。」
アンちゃんが腕組みをする。
「…はい。」
「随分と展開早いワね。」
「兄には…昨夜居酒屋に呼びだして、話を通しました。」
ふん。
鼻で笑うアンちゃんだ。
「それで荒れてるってワケね。アイツは腹を立てると無言で掃除をする性癖の持ち主だったワケか。
ワタシが昨日締めたからね、物件探しには同行しなかったんだな。それが良かったのか、悪かったのか。」
アンちゃんとショコラさんの間では会話が成立している。
???
どういうこと?
「なるほどねえ。ショコラさん、引っ越ししちゃうのね。」
母の声に、
「はい。」
下を見るショコラさんだ。
「…昨日いい部屋があったワケね。」
アンちゃんがニヤリとする。
ええと?昨日部屋を探してたのはヨーゼフ君で?
ショコラさんは付き添いで?
「…ええ。ネモ様の所の不動産屋さんがお安くしてくださいました。」
「ま、いいんじゃねえの。リサやアニーもいるしさ。子供らも懐いている。もうこっちにベッタリじゃなくても構わねえよ。」
「アンディ様、ありがとうございます。」
という事は?
「ショコラさん、通いになっちゃうの?」
「はい、レイカさん。すみません。」
頭を深く下げるショコラさん。
「いいじゃないの、しあわせならば。」
佐良直美さんの歌のようなことを言う母である。
つまり何かい?
ショコラさんもついでに部屋を見つけたってこと?
いや、まさか。
点と点がつながる。
「ま、まさかっ??ブラッキー君が荒れているのは…」
声が掠れている。
「ふふふ。二人で住むことにしましたから。」
艶っぽい笑みを浮かべるショコラさん。
ええええええ。
「もちろん、まだヨーゼフさんはグランディ勤めですからね?私がまずはひとりで住んで、部屋を整えます。」
「…そうなんですか。い、いやはや、なんとも。
びっくり桃の木さんしょの木、ブリキにタヌキに、オレ、マチャアキ!!ときたもんだ!」
おっと、昭和のフレーズが口から飛び出してきた。
ちょっと色々混ざってるかも。
「…ほんとネエ。展開が早いわ。ま、忍びにはそういう傾向はあるけどネ。」
アンちゃんが腕組みをする。
「いつどうなるかわからない身の上だものね。」
ああああ、そうか。
「ええ。それに愚図愚図してたらトンビにアブラゲをさらわれるかも知れませんから。」
ショコラさんは含み笑いだ。
「最初はね、ヨーゼフさんにその気はなかったみたいですけど。昨日押して押して押しまくりました!ふふふふふ。」
「ソウナノネ。」
驚きのあまりカタコトになるわたくし。
「コレでアイツもエメリンには目もくれないよなあ?」
アンちゃんがニヤリと笑う。
……ああ、一緒に住むには…そう言う意図があったのね。
「ヨーゼフさんには、私も今、引っ越しを考えているんですと。いつまでもレイカさんちにお世話になる訳には、と。
最初は、同じ物件の…お隣の部屋に住む事から提案したんです。
そこからまあ、じわじわと。」
ショコラさんの口が弧を描く。
「どうせセピアがしつこいから怖いと言ったんだろ?ふん。」
アンちゃんの言葉に、
「ま、そうです。」
同意するショコラさん、
「な、なるほど…」
あまりの策士ぶりに驚きだ。
「それにですね、」
ショコラさんが声を落とした。
「ハンゾーも、何だか…ちょっと。」
「…駄目もとでアイツ、告ってきたのか?」
はっ!
ショコラさんは鼻で笑った。
「それならバシッ!と断れるからいいんですよ。時々じっとりと見てくるのが鬱陶しいんです。」
「まあなア。」
アンちゃんが頭を抱える。
「まだ自分の言いたいことを言ってくる、セピアの方がマシなんです。
それは相性ですよね。」
ああ。うん。仕方ないかあ。
…ショコラさんは自分の気持ちに真っ直ぐな人が好きなんだから。
TMネットワークのhuman System。好きな歌でした。




