表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ブルーウォーター公国物語(続グランディ王国物語のそのまた続き)  作者: 雷鳥文庫


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

332/357

銀(しろかね)も金(くがね)も玉(たま)も、なにせむに。

 次の日の朝。

「昨日は留守にしてごめんね?レイカちゃん。」

目を覚ますと目の前にアンちゃんがいた。

というか、視界を覆っていた。覆い被さるように。

「わっ。」

「ふふ、驚いた?」

うん、とても。

「おかさん、おねぼう。」

「ママ、おきて。」

子供達がベッドで飛び跳ねている。振動が伝わってくるよ。

枕元の時計を見ると七時じゃないか!


「寝過ごしたか…」

「仕方ないワよ。色々あったんでしょ、昨日は。」

アンちゃんが娘達を交代で抱っこしながらウインクをする。

「お義母さんやお義父さんにも聞いたわ。ふふん。シンゴも随分と語ったそうじゃない?」

アンちゃんはニヤリと笑った。


いつのまに情報収集を。流石である。


「ショコラやアルク達がご飯を作ってくれてるわ。行きましょう。」


 レストランに行くとほとんどの人は食事を済ませたようだ。隣の忍びの詰め所の若者たちは最近達は、ここで食事をとる。

スピカさん達の修行の為だ。

それで私達もここで食べることが多い。


「あー、コーンスープ美味しい。うん、サラダにかかってるこれはカッテージチーズ?」

「ウフフ。ウチの母の十八番でしたよ。母はメンドン国の出身でしてね。」

スピカさんが微笑む。

「…そうか。メンドン国は酪農が盛んだったね。チーズが名産品だもの。」

アンちゃんが真顔になる。

「ねえ、レイカちゃん。アラン様に呼ばれてたって言ってたでしょ。」

「うん。」

「実はまだ、メンドン国の王妃様がいらしてね。

グランディのルララ王妃様と気があって滞在が伸びているのよ。」


あら。それは。


「…両方とも絵をお描きになるから?よね?」


ふっ。


アンちゃんは薄く笑う。

「…うん、ちょっとワタシには付いていけないワ。あちらの耽美で薔薇な世界は。」


…ああ。王妃様もご一緒に腐った本をお描きに。

オネエも困惑するシロモノなのね。


「それでね…アラン様かリード様の姫君のどちらかをコハク国に嫁がせることになっていたデショ。

それをメンドン国も聞きつけて。自分のところも縁を結びたいと言うのね…」


ほほう。


「メンドン国にはお子様がおひとりで、世継ぎの王子様なのよ。アラン様のお子様と同じ年。」

「そうなんだ。じゃあ、多分。」

「そしてね…メンドン国の王妃、ジャラシン様はヴィヴィアンナ様のファンでしょ。多分そちらの姫が欲しいんでしょうね。」

アンちゃんはため息をつく。


そうだね。

実はコハク国へ嫁ぐのはアラン様のところのパール姫ではなくて、リード様のお産まれになったばかりの、サラ姫とほぼ決まっていたのだった。

(理由はリード様にはお姫様が二人で、アラン様にはおひとりだからだ。)

だからこないだコハクに加護をつけて、護り石として差し上げた。


「…まあアラン様にも色々とお考えがね。」

そこでアンちゃんがため息をつく。


ああ、それでアラン様に呼ばれたのね。アンちゃんに愚痴ったりお酒の相手をさせたんだ。


リード様の(というかヴィヴィアンナ様の)お子様ばかり人気があるような気がするのだろう。

だけど自分の愛娘を他国に嫁がせたくない。

でも、このままならコハク国に嫁がせることになるのか。

もうどちらかの姫を嫁がせると決まっているのだから。


本当はまだ交流があるメンドン国の方がいいけれど。

でも、メンドン国はヴィヴィアンナ様との縁を望んでいるし、きっとアラン様のお母様、ルララ王妃様も後押しをされた。

王妃様自身も他国から嫁いでいらっしゃった。政略結婚に抵抗はないのだろう。


…そんな事かな。

アラン様には、家族以外にはアンちゃんくらいしか腹を割って話せる人がいないんだ。愚痴る人も。


太陽のような、リード様の笑顔が浮かぶ。


――――『素直で思ったことを、思った通りに口にできる。しかもそれを皆んなから受け入れられる。

凄いな、とは思う。羨ましいともね。』


昨日のハンゾー君の言葉がよみがえる。


リード様は自然とみんなに愛される。土地神にだって。

龍太郎君やキューちゃんだって、親しい。

アラン様は時々複雑な想いになるのだろう。


 でも、この秘密?を私に話すアンちゃんの意図は何か。


「アラン様がね、グラッシーに会いたいとおっしゃる。

レイカちゃん。繋いでくれる?」

「良いけど、なんで?」


「コハクってさ、海に浮かんだりしてたよね、山から川に流れてたどりつく。何しろ軽いからね。実際グラッシーが材料にした。」

「うん。」

「…グラッシーに良いコハクを見つけて加護を付けて貰えないかと…または、つくってもらえないかと…おっしゃるんだ。

もちろん、ダンのところに良いのがあるのはご存知だ。

キューちゃんが先日加護をつけたやつがね。

だけど秘密裏にコハクを手にいれて、念の為にパール姫に持たせたい、と。」

アンちゃんの歯切れは悪い。


…とことん、リード様と同じ由来じゃない、良質のコハクを持たせたいのね。


「わかった、グラッシーに会うわ。」

「ありがとう!レイカちゃん!」


うーん、ショコラさんも連れていくか。お気に入りだし。

あとはお土産に色んな石が必要かな。


火山の溶岩なんかも良いかもな…軽石とか。

バリバリと噛み砕けるだろう。

クランチチョコみたいで良いかもしれんね。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
万葉集でしたっけ? 金銀宝石より子にまさるものなんてない~ってことで 他王家に嫁ぐことになっちゃうちびっこの為に グラッシーさん、加護よろしくー!
アラン様の気持ちがわかってしまう・・・ 真面目に政務に取り組んでも、多方面頑張っていても、などこか忸怩たる思いがありそうで。 グラッシーに頑張ってもらいましょう。
…まされし宝、子にしかめやも ウチも上は社会人2年目社員寮暮らし、下は就活中でピリピリ…親はいつまでも心配しますね(´Д`)ハァ…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ