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ブルーウォーター公国物語(続グランディ王国物語のそのまた続き)  作者: 雷鳥文庫


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あなたがしあわせになるように。

 その後解散になったので、私はアンちゃんやブラッキー君と自宅に帰った。

母とシンゴ君は片付けてから出勤してくることになっている。

(父は今日は休みだ。さっきは執事のヒデジーニアスと奥で書類仕事をしていて出てこなかったのだ。)


 ショコラさんは、うちで子供たちの世話をしてくれていた。

もちろん、あっちにはセピア君がいたから、こっちに残ってもらったんである。

「お帰りなさいませ。アンディ様、レイカさん。お子様達にはご飯を食べさせましたよ。」

「ありがとう。みんな、おにぎりを作ってくれて助かったわ。」

コハク国の双子や孤児達にも声をかける。

「いいえ、お役に立てて良かったです。」


すっと、ブラッキー君がショコラさんの前に立つ。

「ショコラ。あの馬鹿たれはレイカさんの御母堂様に締められたぞ。今度女性に迷惑をかけたら、龍太郎様にあーんなところや、こーんなところを焼かれるそうだぞ。」

あれ?そんな話だったっけ?

「あら、ふふふ。ナニを焼かれるのかしら。」

ショコラさんが忍び笑いをするが、そんなアダルトな話はしていない。


「ま、お義母さんが軽い気持ちで龍の字に愚痴ったら、本気でアイツ消されるだろうな。

神獣様の価値観は独特だ。しかも誰も彼等には逆らえやしない。」

アンちゃんが苦笑する。

わあ。怖い。


「…それとな。ショコラ。うーん…」

ブラッキー君が目を閉じたり開けたり、口元を引き攣らせたり、眉間に皺を作ったりしながら言い淀む。


「何よ、兄さん。百面相なんかして。」

「そ、そのな。」

しどろもどろなブラッキー君である。

アンちゃんは、ふん、と言って横をむいた。

「シスコンめ。」


「…俺としては複雑だが、オマエにとっては喜ばしいのか。

割となあ、そのな、ヨーゼフの奴はオマエに本気みたいなんだ…」


「えっ?セピアがなんか絡んだの?それでそう言う話になったの?」

ショコラさんの頬は上気してきてほんのりと桃色に染まって来た。

「いや。アイツじゃなくて、ミルドル坊ちゃんがな。」

「はあ?」

キョトンとするショコラさん。だよねえ。

「…ヨーゼフに詰め寄ったんだよ、ショコラを大切にしろと。弄んでポイ捨てしたら許さないってさ。」


…まあ、ざっくり言うと大体そんな感じかな。


「…ちょっと…14の子供にナニを言わせてるのよ…」

ショコラさんは目を見開いて口を手で覆った。


「おいおい、ブラッキー。端折り過ぎだし言葉は足りねえぞ。本当はこうだ。

『ヨーゼフおじちゃあん。ボクゥ、聞きたいことがあるんだけど。ショコラさんのことは本気なんですよねっ!

ボクだってショコラさんには世話になってるんだ。生半可な気持ちじゃ困ります!』」


わあ。アンちゃんが声帯模写を始めたぞ。

身体をくねくねさせて、カン高い声を出す。

ヤダ、声似てるわよ。アンちゃんにこんな才能があるとは。

ちょっとだけワザとらしく子供っぽいしゃべりだけどね。

(関係ないけど、ミルドルはヨーゼフ君をおじちゃん呼ばわりはしてない。)


次にアンちゃんは身体を伸ばした。

「それでな、ヨーゼフは。

『ショコラさんは今一番大切で、好きな女性です。俺は同時に他の女性を気にかけるほど器用じゃないよ。』

と答えたのさ。」


うん、今度はヨーゼフ君のマネかあ。

声はこっちも似てるよ。身体も伸ばしてガタイがいいヨーゼフ君を真似ている。身振り手振りや表情がそっくりだよ!


「コレがウワサの、アンディ様の七色の声か!初めて拝見いたしました。勉強になります…」

ブラッキー君が目を輝かせ、頭を下げて感心している。


へええ。アンちゃんは七色いんこ、じゃなくて七色の声と呼ばれているのね…。


「ふふふ。久しぶりだけどネ。ま、出来るものだわネ。」

ふんぞりかえって得意げなアンちゃんだ。

いや、私、付き合いが長いけどさ、こんなアンちゃんの特技知らなかったよ。


本当に。

平和の国の日本に生まれていれは。

素晴らしいダンスにこの特技。たちまちミュージカルスターになれただろうに。

(またはモノマネ四天王か。)


パチパチパチ。

思わず拍手する私。

「アンちゃん、モノマネ上手なのねえ。」

「あらヤダ、レイカちゃん。お気に召したかしら。」


うん、ショコラさんが固まっているわ?


「ア、アンディ様。今のやりとりはホントですか?ヨーゼフさんがそんな事を?」

「まアね。」


かあっ。


ショコラさんの顔が真っ赤になる。

「そんな…1番好きな人なんて…」

「アイツは暑苦しい男だ。ブルーウォーターにそのうち引越してくるかもしれないぞ。

うっとうしいくらいのパワーで押せ押せ、イケイケどんどんで、オマエにアタックしてくるかもなあ?」


アンちゃんが口元を片方だけあげて笑う。


「ふっ、ふふふふ。」

おや、ショコラさん?


「溺愛どんとこい!受けてたちますわああああ!!」

彼女は拳をラ〇ウの様に振り上げるのであった。



 ……ちなみにハンゾー君はここ2日程留守にしている。

メアリアンさんとうちのランド兄もである。



 今、リード様のところにメンドン国の王妃様がお越しになっているのだ。

(例のヴィヴィアンナ様ファンの腐った…こほん。薄い本をお描きになる王妃様である。

ヴィヴィアンナ様への出産のお祝いがてら、観光なさっていらっしゃるらしい。)

そして占いもして欲しいからとメアリアンさんにお呼びがかかった。

魂おろしになったとしても、リード様が同席されてるのなら安心だ。

それでメアリアンさんとランド兄はネモさんのホテルに詰めている。


ハンゾー君はその護衛と言うわけだ。


お忍びなので、目立つアンちゃんではなく、ヤー・シチさんや、オー・ギンさん達が王族の皆さんのお側に張り付いているそうだ。

(アラン様派のアンちゃんがリード様に付き添うのも…らしい。王妃様がいれば別だけど、だって。

面倒だね!)



まあ、公宮やネモさんのホテルにいる点で、動物たちがガッチリ守っているけどね。




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― 新着の感想 ―
「おいおい、ヨーゼフ。端折り過ぎだし」ここはブラッキーですよね? 確かに、アンディは歌って踊れる物まね魔王くらいには充分なれそうです。 ほぼできないことはない?影のあこがれの的ですもんね。 レイカさ…
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