表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ブルーウォーター公国物語(続グランディ王国物語のそのまた続き)  作者: 雷鳥文庫


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

324/360

いたいけな瞳。14の瞳は何をうつすのか。

「じゃあミルドルにザック。中でシャワーを浴びて、学校に行きなさい。」

「はーい。おばあちゃん。」

「シャワーをお借りします。おばあさま。」


母は平常運転である。流石だ。


「じゃあ、皆様。ウチのシャワー室も使ってください。特にエドワード様。この後授業なのでは?」

シンゴ君が立ち上がる。

「おお、かたじけない。」


そのあとをヨーゼフ君やマーズさんも付いていく。


「あっ、そうだ。聞いてもいいですか?ヨーゼフ様。」

「なんだい、ミルドル君。騎士の仕事のこととか聞きたいのかい?」

足をとめてニコニコしてミルドルに向き合うヨーゼフ君。

ミルドルの顔は緊張で強張っている。

「ええと…ショコラさんとちゃんと、真面目に付き合ってるんですか?」

「えっ?」


うわお。いきなり忖度なく聞いてきたぞ。

――ははん。

ミルドルよ。母の威を借りてるな。 

何しろ母が可愛がっている孫だ。母の前ではミルドルをぞんざいに扱えない。誰もね。

(龍太郎君が怖いからね。さっきのセピア君みたいに。)


アンちゃんは面白そうな表情だ。

ブラッキー君とシンゴ君はポカンと口を開けている。

エドワード様とマーズさんは顔を見合わせている。

ザックはやれやれって表情で、ドギマギとゾフィーは固まっている。


「まあ、ミルドル。何を言ってるの?」

母が眉を上げて嗜めた。

「大人の恋愛事情に首を突っ込むもんじゃありませんよ。」

「だっておばあちゃん。ショコラさんは僕もお世話になってるんだ。

生半可な気持ちで付き合ってもらっちゃ困ります。

セピアの兄ちゃんは気さくで楽しい人だけど、女性にだらしなかったでしょ。

ショコラさんは随分と気を揉んでいたんだ。

だから次の相手には大事にしてもらいたいんだよ。」


きっ。


ミルドルは目にチカラを込めてヨーゼフ君を見る。

十四歳の少年の目はどこまでも真っ直ぐだ。

怖いもん無しの瞳である。


ああもう。


「ヨーゼフ君。うちの甥っ子がすみませんねえ、オホホホ。やあねえ。この子ったら。」

とりあえず笑い話にして流してしまおう。


おばちゃん世代の得意わざである。手を上から下にふるジェスチャー付きだ。


「そうですわよ、おほほほ。気を悪くなさらないでね?

ミルドルはショコラさんやラーラさんとか、サマンサちゃんもね、姉と思って慕ってますのよ、おほほほ。

ほほほほ。」

母も乗っかる。手を振る。

おばちゃん達のパワーで和ませるぞ!



「ああ、はい…そうですね。」

ヨーゼフ君が真顔になる。


ちっ、流さなかったか。


その隣に真面目な顔のエドワード様が立つ。


「ミルドル君。」

「はい。」

「君のその真っ直ぐな気質は素晴らしい。騎士に必要なものだよ。」

柔らかく優しい声でヨーゼフ君はミルドルに話しかける。

「……はい。」

「そうだね、ショコラさんはね、今のところ1番気になって、1番好きな女性なんだ。それは間違いないし、同時に他の女性に目が行くほど私は器用ではないよ。」


「…出過ぎた事をいってすみません。」


「いいんだよ、君は善良で真っ直ぐなモルドール一族なんだものね…」


「そうだな。」

「そうでござるな。」

アンちゃんやエドワード様も頷く。


「ただ、こればかりは相手がある事だからね。」

ヨーゼフ君は静かに笑った。


「そうだな。コイツが本気になったらとても重い奴なんだ。それで何度も女性に逃げられてるからな。」

シンゴ君が口元にアンちゃんそっくりな皮肉な笑みを浮かべる。

「シンゴ、それは余計だろ。だから今回は私も慎重になっているんだよ。」

カリカリ。

ヨーゼフ君は頭をかいた。

豊かな茶色の髪が揺れる。


…やはりこの人は大型犬っぽいぞ。


「やはり異動願いを出すとするかな。ブルーウォーター近くの国境警備に。そしたらすぐ来られるし。」

ヨーゼフ君は腕組みをする。

「うむ。それよりもキッパリとグランディの騎士をやめて、ディックさんが立ち上げた、ブルーウォーターの第一騎士団にはいるでごさる。

なに、拙者がいくらでも推薦するでごわすからな。

安心するでござるよ、わっはっは。」


エドワード様は豪快に笑っている。


「ああ、良いですねえ。私からもネモ兄に話を通しましょう。」

マーズさんがにこやかに笑う。


すげえ。どんどん話が決まっていくぞ。


「そうだな!ここにはシンゴもいるしな!なあ、シンゴ。」

バンバン!

シンゴ君の肩をたたく、ヨーゼフ君。

「ええええ。」


シンゴ君、顔が引き攣っているぞ。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ