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ブルーウォーター公国物語(続グランディ王国物語のそのまた続き)  作者: 雷鳥文庫


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316/364

オレンジは琥珀色の香り。

 キューちゃんの目から青い光が放たれる。

部屋中を満たしていくよ。

「おお、おお!何という慈愛に満ちた青い光でしょうか!」

ダンさんが嘆息する。

特に青い光をまとっているのは我が母である。

「…そのもの青い光をまといて、降り立つべし。神獣と人間との縁を結ばん。」


「何それ?レイカちゃん。」

「いやなに、頭に浮かんだことが勝手に口から出ただけよ、オホホ。気にしないで。」

…ジブ○って頭に染み込んでるなあ、私の世代は。


「この光で浄化とか済んだのカシラ。」

「ええ!アンディ様。五十肩が治りましたぞ!

心なしか腹も引っ込んだ気がします!」

ダンさん、それは気のせいでは。

「せるろーす、つぶし…」

「すばらしき、わざですな。」

こら、ツインズ。本気にしないのよ。


でもさ?いつものキューちゃんなら…口に入れて出す?よね。加護を付けるとき。

今回は光だけで良いのかしら。


シューー!!


ああっ、ダイソンのような吸引力で全てのコハクが(アンちゃんが買う予定のもの以外も)、

ヒュー…ストン!と、

神獣のお口のなかに!


…やっぱりか!やはりこの工程は外せないってか!


「あ、これは何事でございますかあ!」

ダンさんの悲鳴が響く。

「落ち着いて。いつもの事ですわ。」

母はニコニコしながらキューちゃんを撫でる。


ゴクリ。


「うわあっ、ごっくんだ!お腹壊さないの?」

ロランが目を丸くしている。


ドドドドドド!


光と風と一緒に琥珀を吐きだす、キューちゃん。

青い光に包まれていてキラキラと神々しく光っている。

輝きは二割増しになっているようだ。


「はは。やっぱり一度体内にいれるんだなア。」

乾いた笑いのアンちゃん。

「ま、まさか。幻のブルーアンバーになったってことですか?」

ダンさんの目も口も限界まで開かれている。

「そうネ。光によって色が変わるんでしょ。」

アンちゃん物知りだな。


「ええ、太陽光で変わるのです。」

「コハク国の王族の方がお持ちになっています。」

コハク国の双子も説明だ。


うん、青い光が落ち着いてきた。電灯の灯りだと普通のコハクの色だね。

「何か…良い匂いも致しますな。」

くん、と鼻を鳴らすダンさん。


あー、それはね…。


「さっきキューちゃんが夏みかんを食べたでしょ。それが香料となって添加されてるみたいよ。」

わあ。母がバラした。

「え!」


「中に染み込ませたんだ、ですって。良い香りは半永久的に続くって。ん?なあに?部屋の隅に置いておくと害虫避けにもなるの?ありがとう、キューちゃん。良い子ね!」 


…そういえば聞いたことあるわ。レモンの香りの成分は〇〇ブリ避けになるとかならんとか…。



キュー。


母が撫で回すと目を細めて良いお返事をする。

「さっきの青い光はサービスなんですってよ!みんな痛い所取れたでしょ?」

「あ、そういえば虫歯が。」

「おでこのニキビがない!」

アニーとリサも自分の顔を触って確認している。



「そしてね、この琥珀にはキューちゃんの加護をたっぷり付けたんだって。

悪い人が近づくと熱くなって知らせてくれたり、物理的な攻撃を弾いてくれたりするそうよ。

…あとは、すばやさやかしこさがあがるとか。」


ドラ○エじゃないんだから。


「じゃあ、リサにアニーに、ロラン、ゾフィー。

キューちゃんに今度はクッキーをあげましょうか。」


「は、はい。」


母と子供達が口にクッキーを放り込む。

ネコカフェのネコの形をしたクッキーがドンドン口の中に飲み込まれていく。噛んでないよね?


五十枚ほど口にすると、


コーーン!


目を細め、舌舐めずりをしてキューちゃんは消えて行った。


「す、凄いものを見ました…」

ダンさんが放心している。

「まあなア。まだ龍の字のほうが意思の疎通が出来るもんなあ。白狐の旦那は行動が読めないことがあるよ。」

アンちゃんは苦笑した。


「それもこれも、お義母さんのおかげです。ありがとうございます。」

「あらあ、何を言うの。アンディさん。ヴィヴィアンナ様のためですもの。それに私達にブローチを買ってくれるのでしょ。」

「ええ、それはもちろん。さア、ダン。幾らまけてくれるのかしら?」


ぶんぶんぶん!

顔を左右に振るダンさん。


「そんな、お代なんかいただけません!

わ、私が持ってきた全ての琥珀に物凄い加護がついております!

お譲りするペンダントやブローチ以外の、イヤリングやピアス、それ以外のアクセサリー…!」


確かに。全部で50はあるもんなあ。


「い、いくつかは家宝にいたしますが、売るとしてもどれくらいの値段がつくか、いやはや…」


「柑橘系の爽やかな香り付き♡だしね。指でこすると良い匂いがするワよ。」


アンちゃん。昔雑誌に付いてたカードじゃないんだから。

(レモンのところをこすってごらん!いいにおいがするよ!ってあったよね。)


 ダンさんは幾ら言っても一銭も受けとらず、逆にホクホクして帰って行った。


ま、いいか。





和田慎二さんの「愛と死の砂時計」の中で、宝石に匂いを吹き付けるってのがありました。ちょっとそれを思い出しました。


タイトルネタも和田慎二さんの漫画から。

「オレンジは血の匂い」

じんがかっこよかったです。

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― 新着の感想 ―
宝石に香りをというと、野間美由紀さんの「ジュエリーコネクション」か何かで、多孔質のものに香水を吹き付けて香りを楽しむアクセサリーが有ったかと思います。 和田慎二先生、大好きですね。 超少女明日香の結…
あ、あのタイトルのもじり!気が付かなかった、不覚・・・ 和田慎二さん、大好きでした。 神恭一郎、まさかあんな最期を迎えるとは。 最後まで気障でかっこよかったけど。 アンディは少しでも琥珀の代金を支払…
雑誌についてた擦ると匂いのするカード!懐かしいですね~
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