ひとりはみんなの為にとか、みんなはひとりの為に、かな。
大人数でウチのレストランに帰ってきた。
しれっと龍太郎君もついてきているよ!
母の肩に乗ってベッタリとくっついている。
ベタなれしているオカメインコみたいだな。
まあ、良いけどね。
彼が居ると空気が澄むのだ。動く空気清浄機だね。
「ここがアニーとリサとロランの職場。
隠れ家レストランだ。
コハク国の双子さん達はここで蕎麦を打っている。
ゾフィーは、御母堂様について出勤することもあるだろうね。」
ヤマシロ君の説明に頷く孤児達。
「とりあえずウチの子供たちと甥っ子を紹介するワね。」
リラックスしてオネエ言葉になってきたアンちゃんが、三人を連れてくる。
「ランでしゅ。」「アスカでえす。」
「ぼく、ガルドル。」
子供というものはお姉さんやお兄さんが、好きだ。
今回新採用の彼氏彼女達は、14から17歳のティーンなのだからすぐに寄っていく。
(教育実習の先生に子供達が寄っていくのに似ているよ。)
「よ、宜しくお願いします。お嬢様、おぼっちゃま。」
カチンコチンになってうちの子たちに頭を下げているね。
それを皮切りに、父や兄、そしてラーラさんが顔を出す。
「こんにちは。私がシンゴの妻のラーラですわ。ゾフィーさん?お義祖母さんの家で働くのよね?
お隣さんになるのよね、宜しく。」
「は、はい!」
「ねえ、ゾフィー。ラーラさんの子が産まれたら子守りをお願いする事もあるかもしれないわ。いい?」
もうかなりお腹も大きいからなあ。
「はっ!オッカサン様ではなくて…御母堂様!」
ゾフィーさんは直角のお辞儀をする。
「ハハハ!イイネ。」
龍太郎君は笑いこけている。
「ネエ、ラーラサン。予定日は来月ダッケ?」
「ええ、ランちゃん達のお誕生日と同じなの。
六月二十日ですわ。」
「フウン。身体を大事ニシナヨ。」
「妊婦に優しいのはキューちゃんだけじゃないワケね。」
「モウ。アンディサン。当たり前ダロ。ジャ、オイラ帰るネ。
蕎麦が食イテエケド、取り込ンデルミタイダカラ、マタクルヨ!」
「ありがとう、龍太郎ちゃん。」
「ウン!オッカサン!いつでも呼ンデ!」
龍太郎君は母に鼻を擦り付けて出ていった。
犬猫のような愛情表現か、キスの代わりか。
「ほほほ。ほんとに可愛いわねえ。」
心の底からドラゴンを可愛いと言える貴女が凄いです。
「アンディ様。この子達を頼みます。グランディに戻りますので。」
「おう、ヤマシロ。またな。」
ヤマシロ君は出て行こうとしたが、ふと立ちどまる。
そしてハンゾー君をじっと見た。
「なあ、ハンゾー。この子達の世話はこれからオマエが中心で見てくれるんだろう?オマエが選んで連れてきたんだし。」
「あ、ああ。」
いきなり真顔になる二人。
「そうネエ。蕎麦屋の兄妹はさ、ハンゾーがいない間ブラッキー兄妹が見てたからな。引き続きそっちはそれでいいんじゃないの。」
アンちゃんが苦笑する。
「とりあえずお義母さん、お義父さん。今日はもうお帰りください。
ゾフィーをヒデジーニアスと、ミルドルに顔合わせさせてやってほしいです。」
アンちゃんの言葉に母も頷く。
「そうね、もうすぐミルドルも帰ってくるわ。」
「ええっと、その方は?」
ゾフィーさんの顔に不安が浮かぶ。
そうか、奉公先の坊ちゃんにセクハラかまされたんだもんな。
「くくく、大丈夫だよ。まだ十四のガキだ。
それにアイツはキテレツな詩人先生に夢中でネ。
同い年のツンデレ美少女にも、なびかねえノヨ。
おい、ハンゾー。ついていってやれ。」
「はっ。」
「じゃあ残りの三人はとりあえず隣の集会所に部屋を用意するか。
蕎麦屋のツインズもそこに住んでるんだぞ。
ショコラ、ブラッキー、連れていってやれ。」
「ハイ。」
…そしてみんな薄々わかっていることだが、アンちゃんがショコラさんとハンゾー君をさりげなく遠ざけたのだ。
もちろん、ヤマシロ君も何気なく協力している。
阿吽の呼吸が見事だった。
…誰にも角が立たないように。
孤児達を連れてきたハンゾー君はそのまま彼らの世話を。
コハク国ツインズのフォローはショコラさんと、ブラッキー君兄妹に。
優しい配慮をみんなわかって飲み込んでいる。
もちろん、まだショコラさんとヨーゼフ君が上手く行くとは限らない。
そして逆転ホームランでハンゾー君がショコラさんを射止めるかも知れない。
…先のことは誰もわからないけれども。
みんなでハンゾー君を見守っているんだな。
タイトルネタ…ユタと不思議な仲間達でこの歌が流れていました。友達は良いもんだだったかな。
小学生の時TVで観て忘れられません。




