第二十七話 真実
その言葉を合図に敵が一斉に立ち向かってくる。
目の前の敵が順々にくずおれていく。
この状況でこんなことができるのはあの『悪魔』くらいだ。そちらを見るとほくそ笑んでいる。やっぱり、こいつか。
俺は倒れた奴らの安否を確認するため近くに倒れているキメラの一体に近づいた。腕をとり、脈を測る。命はある。
その手をもう一度地面に横たわらせようとしたとき、俺はそのキメラの親指と人指し指の間の付け根にほくろを見つけた。
俺はそこに横たわる二十体のキメラの右手を調べた。同じほくろがあったのは七体。
俺と朔と、同じ場所に。
確信、そして怒りと絶望。
「ど……て、どうして、全部俺なんだ!」思わず声に出して叫ぶ。ふいに朔の言っていたことを思い出す。
『僕を一番理解できるのは君で、君を一番理解できるのは僕なんだ』
ふざけるな。気付けば俺は涙を流していた。なんて無様なんだろう。でも、もうどうでもいい。俺は、俺は。
「気づいてしまったんだね」いつの間にか脇に立っていた満身創痍の朔が言う。
「知っていて、知っていてっ! 俺を笑っていたのか!」俺は朔の胸倉を掴んだ。強く握った拳から血が滲み、朔の衣服を汚す。
「違う。違うよ。了、君が僕の立場だったら君は僕に言える?」そう言って朔は初めて会ったときのように悲しそうな顔を浮かべた。そう言った朔は俺が手を離したら膝から崩れ落ちてしまいそうなほど傷ついていた。
「それは……」それ以上言葉を続けられなかった。手を朔から離す。
「いいよ。それなら僕が言ってあげる。了」




