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第二十三話 戦闘
俺は朔に背を向け、荒野を歩きだした。あれほど、腹が空いていたのに、今は空いていない。
あの女にかけられたネクタルのせいか? あのネクタルは本物だったのだろうか。そうだとしたら、神が存在し、神の飲み物であるネクタルをかけられた俺が不老不死にでもなるというのか。吸血鬼、『悪魔』ときて次は神だといわれればそういうものかと思ってしまう気もするが。頭の中で考えることが多すぎてイライラする。
「ヘゲモネ! 出てこい!」わざわざ探すのが面倒になって俺は叫んだ。しん、とした空間で叫んだ俺は気恥ずかしくなって、出てくるわけないよなと自嘲気味につぶやいた俺はひび割れた大地を見つめ苦笑いを浮かべた。
「良い度胸だな」少し怒気をはらんだ女の声がして顔をあげると女王が立っている。
「なんで……」自分で呼んでおいてなんだが、素直な感想が口をつく。
「お前が我を呼んだからであろう」
「ああ、もう一度俺と戦え」朔からあんな話を聞いた後で最早何を憎んでいいかわからなくなった俺はとりあえず一番憎みやすいこいつを憎むことにした。皮肉なことにこいつへの憎悪は俺の精神安定剤のようなものらしい。
「負けに来たのか?」女吸血鬼が言いながら、再び人間の姿になる。俺は女吸血鬼の言うことには返事をせずに攻撃を開始した。




