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第十一話 罠
目を開けると、鬱蒼とした森の中に俺は立っていた。
だが、その森はさっきの森とは明らかに違う。
伝聞録にあったような紫色の葉をつけた木だ。
「ここは……」話しかけてきた姉崎に注意を向けた瞬間、今まで気づかなかった何者かの気配があることに気付いた。
まずい。
俺は唇に人指し指を押し当て、姉崎に静かにするよう伝える。
―だ・れ・か・い・る。―
口の動きで言いたいことを伝えると姉崎が身を固くする。
「お待ちしていましたよ」艶めかしい、男の声が聞こえ身構え、声のした後ろを振り返る。
そこに立っていたのは、エルフのように長い耳、やや紫みを帯びた鮮やかな青色をした瞳、瞳と同じ色の流れるように美しい髪を束ねた整った容貌の男。
顔の右半分から首にかけてはツタのような模様の紫色のあざがあった。
「そう緊張なさらないで。危害を加えるつもりはありません、とりあえず今は。まあおとなしくしてださらないなら話は別ですけれど」
「獲物を先に取られたいですか?」そっとナイフへ伸ばしかけていた手を見て、男が言う。
しぶしぶ、俺は攻撃をあきらめた。
「さあ、こちらへ」その男はその様子を見て満足気にうなずくと、そう言った。
ようやく『地下』に。前置き長くてすみませんでした。




