表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/13

11.家出先にて(2)

 ――――


「なんで本当に相手してくれないの!?」


 トモキに放置され続けていたわたしは、とうとう業を煮やして苦情を口にした。


『最初にそう言ったはずだけど』


 虎になってしまったトモキは肉球のついた前足の爪で、器用に黒い大きな箱型の機械をいじってなにかをしている。

 たぶんわたしたちの世界でいうところのPCみたいなもの。


 紺世界の文明レベルは青世界にとても近い。


 虎族は人間のように家に住んで生活していて、通信機もあれば、映像受信機(テレビ?)もある。


 仕事だって料理だってするらしい。


 手も器用に使えるようだ。服は着てないけど。


「それはそうだけど! そうだけどね!」


 もう、明日にはわたしは青世界へ戻らないといけないのに、昨日も今日も、トモキは本当にわたしに構ってくれなかった。


『寝てれば?』

「ひどい!」


 わたしは抗議すべくトモキに突進した。


 ところが、ちょっと床板の浮いていた個所に足をとられたようで、バランスを崩して体ごとトモキにぶつかってしまう。


 ぼふん。


 思ったよりもふかふかなトモキの毛皮のおかげで、衝撃が半減した。


『なにやってんの?』


 呆れるトモキの声。


「なんでわかってくれないの!」


 最後だからと思って、ずっと腹を立てないようにしてたのに!

 わたしはばふばふと虎縞の毛皮を叩いた。


『相変わらず、すぐに手が出るなぁ』


 毛皮のおかげでちっとも痛くないのか、トモキは呑気にそんなことを言う。


「誰のせいだと思ってるの! わたしの気持ちなんてちっともわかってくれないくせに!」

『わからんことも多いけど、わかってることもなくはない』


「……え?」


 問い返したわたしの声が聞こえなかったのか、トモキはまた機械のほうを向いてなにやら始めてしまった。


 怒っていた気持ちはなんだかうやむやになってしまい、尚且つトモキのあたたかい体に触れているからかだんだん眠くなってきて、不覚にもわたしはそのまま眠ってしまった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ