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6話 襲撃

カザスを抜けて暫くが経ち、商国へと近づいてきた。このころになると魔王城を出てから寝れなかったことが嘘のように日中睡魔に襲われるため一日のほとんどを眠ってすごしていた。


「おきてペルちゃん、そろそろつくわよ」


ロレーヌに起こされ目を覚ますと森林と町が一体になった商国の街並みが見えてきた。木の上に住民の住居は建てられ地面に近いところはもっぱら通路や露天商が並んでいた。


「おぉアルスさんじゃないか!これイワンが取ってきた獲物だぜ、一本どうだ?」


「ロレーヌ先生!見てください!水の魔法、これだけ出せるようになったんですよ!」


町を歩けば二人にひっきりなしに声がかかる。聞けばアルスもロレーヌも商国を運営する議会の一員で二人で狩りや魔法を若者に教えているらしい。


「みんな何事もなかったようで何よりだわ」


「何事もって・・・何かあったので?」


カザスの町に起きたことをロレーヌが町の人へ告げると町人たちは笑って返答する。


「この町の若者はみんなお二人に教えてもらった戦い方があるんですよ。魔族なんて追い払ってやりますよ!」


「そうだ!そうだ!あんな奴ら敵じゃねぇ」


村の人間が威勢よく答える、その中で代表者らしき男が前に出る。


「・・・イワン」


「もしそのヒイラってやつが本当に魔王ならお二人の息子(戦士)の仇じゃないですか。この町は心配いりません!・・・だから敵をッ」


「討てるといいですねぇ」


言いかけたイワンの頭の上から半分が地面に落ちる。そこには・・・


「ロイン!!」


「カザスでは逃げられちゃいましたからねぇ・・・ここで死んでもらいますよ」


そう言ってアルスに襲い掛かるもアルスは大斧をまるで小枝のように振り回し撃退する。その瞬間息の合ったコンビネーションでロレーヌの魔法がロインを切り裂くも、幻術のように姿が消える。


「今回は本気ですよ?・・・やれ」


ロインの指示で一斉に猫の魔人が襲い掛かってくる。それぞれが幻術使いであり切っても切ってもきりがないがこちら側の戦力はじわじわ削られていく。


「まずは弱い奴から」


「えっ」


ボトっっという音と共にファルコの腕が地面に落ちる。ファルコの戦闘力はもともと低くわないのだが、腕をけがしているため反応が遅れたところを刈られたのだ。

私の聖魔法なら敵の幻術を解ける。魔法を使おうとしてフォスの言葉を思い出す。


「これまでの聖女様の杖の毒の遅延は聖女様の魔力があなたの体に幾分か流れていたのでその魔力を使っているのです。・・・まぁ何が言いたいかっていうとあなたの聖魔法は自分のものじゃなくて聖女様のものだから無限じゃないんです。」


「先ほど寿命は数年モツといいましたが、聖魔法がなくなれば毒の遅延もなくなって速攻死ぬの出来ればこっちも使わないでくださいね」


魔法を使うか思案する間にも町の人は斬られていくファルコに回復魔法をかけているフォスとロレーヌを囲うような形でランマル達四人が戦っているが誰か一人でも突破されれば全滅だろう。フォスやロインに聞かれないよう念話で指示を飛ばす。


『合図で聖魔法を打ちます、ロレーヌさんは本物のロイン・・・指揮官を撃ちぬいてください。本体は化猫ですのでそんなに耐久力ありません』


「・・・分かったわ」


『サドマル、オキマル、ランマル、アルスの四人は残った魔人の本体を斬れるだけ切ってください』


「了解だ」


『それでは・・・行きます!【聖魔法・邪気払い】』


視界を覆いつくすような魔人の群れが霧のように消える。ロインと対峙していた四人もアルスの目の前の一体を残し霧散する。


「【水魔法・大津波】」


ロインに向かってロレーヌが放った水魔法が飛んでいく、水とは言えどその威力は凄まじいものでくらったロレーヌが五本もの大木をなぎ倒して吹っ飛ばされる。


「今だ!アルス」


「応!・・・居ねや害獣」


大斧がロインを真っ二つにする。いつもは霧散する死体が今は血を流して横たわっている。


「やったか!」


「いいえ?」


ロインがファルコとサドマルに爪を突き立てる。とっさに回避したサドマルだが肩を貫かれ、ファルコは喉にその爪が突き刺さった。


「・・・」


そしてゆっくりとロインが消滅する。最後の悪あがきだったのだろう、死体はまだそこで転がっていた。爪が喉から抜けたファルコもゆっくりと倒れこむ。


「ファルコ!!」


フォスが必死に治癒魔法をかけるも目に生気が戻ることはついぞなかったのだった。

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