3話 パーティー
2級に昇進した私たちであったが、すぐに護衛任務を受けて戦士の国へ移動することは出来ないようであった。オキマル、サドマルはもともと帝国でも外交を任されるほどの人物であり、そのような人物の護衛となると条件はかなり厳しくなるのだ。ギルドの規定で問題となるのが
・2級以上の冒険者が最低1人いる3パーティーの合同任務であること。
・最低3人以上の魔法使いがいること
この二つの規定である。幸いにして私もランマルも魔法が使えるが、魔法使いの数としてはあと1人。パーティーとしてはもう2つ必要になる。しかし、等級上げに躍起になっていた私たちはこの町に知り合いの冒険者などいないのである。頭を抱えた私たちは戦士の国までともに行ってくれる人物探しを始めるのだった。
「これで良いですかね?」
「そんなんでほんとに人来ると思ってるんスか?」
私は今日ギルドにオキマル、サドマルを連れて依頼を出しに来たのだ。ランマルは昔一緒に魔王軍と戦った者が近くの町まで来ているそうで、その人にコンタクトを取りに行ったのだ。
「あの・・・あの時の幼女先輩ですよね?俺です!こないだ助けてもらった・・・」
依頼を出し終えたとき一人の男に話しかけられる。まだ手に包帯を巻いており痛々しい様子であったが怪我は随分と良くなったのだろう野盗にのされていた男であった。
「幼女言うな、私にはペルという名前がある・・・というかお前冒険者だったのか」
「はい!一応2級冒険者でファルコって言います。パーティー【射手の盾】のリーダーやってます・・・って言ってもメンバーはこないだの野盗に殺されて自分ともう一人だけになっちゃいましたが」
「ファルコ君、君は私に恩があるね?」
「えっ・・・?はい、ありますけど」
「では、この任務受けてくれるね?」
「は・・・はい?」
まず1パーティーゲットである。呆気にとられた顔をしている彼に大まかな事情を説明すると快く引き受けてくれた。そもそも彼は怪我で単独での依頼を受けられないため合同任務を探すために今日ギルドに来ていたそうだ。
しかし、その後三日他のパーティーに声をかけてもついぞ参加してくれるパーティーは見つからなかった。それも当然といったところで戦士の国である【リオン商国】は連邦の最西端であり現在いるコルベットの町からはほぼ真反対なのだ。当然その道は短くなく行き返りで往復2か月はかかるため誰も見ず知らずのパーティーと合同で任務など引き受けてくれないのだ。
この日は諦めて宿に戻ると先にランマルが戻っており、一組の夫婦と共に出迎えてくれた。
「おかえりなさいペル殿、そちらの進捗は?」
私はファルコのパーティーを捕まえたことを報告するとランマルもこの夫婦を紹介する。
「こちらはリオン商国の冒険者の方で・・・」
「夫のアルスだ、獲物は大斧。よろしくな」
「妻のロレーヌです、魔法使いよ。息子がお世話になったわね」
アルスは筋骨隆々の短い金髪の男で、ロレーヌは金髪を腰まで伸ばした細身の女性であった。二人が並ぶと体格差でアルスがまるでコラ画像のようであった。二人とも息子がいるにしては若く見えるがこれは商国に隣接している大森林を本拠とする民族に見られる特徴であった。
「息子・・・ですか?失礼ですがどちらの方のご両親で?」
「あら、聞いていなかったの?勇者パーティーの戦士クルベの母ですわ。よろしくねペルちゃん」
今日一番の衝撃を私に与えた夫婦は私の反応を見て実に楽しそうであった。




