地球ではないどこか
2026年8月1日
台湾海峡での緊張が急激に悪化したことを受けて、米軍は第7艦隊を動員し、原子力空母ジョージワシントンを旗艦とするタイコンデロガ級巡洋艦1隻、アーレイバーク級駆逐艦7隻からなる艦隊を台湾東方に配備し、原子力潜水艦を使用して台湾海峡を監視していた。
そんな中発生した外国との通信機能断絶及び宇宙の人工衛星との通信断絶は日本に衝撃を与えた。
人民解放軍による電波妨害。
台湾有事が始まった。
そう噂が流れたころ・・・
日本政府は国家安全保障会議(NSC)を開き、自衛隊への状況確認及び、電波妨害による社会機能障害などの可能性などを話し合った。
総理大臣の荒木一郎はNSCの後に臨時閣議を開催し、米軍及び同志国との通信確立と代替SNS通信の確立、そしてもしもの時の自衛隊の行動についても話し合われた。
海上自衛隊は鹿屋基地より南西諸島方面にP-1哨戒機を派遣させ、航空自衛隊は電子戦隊のYS-11EAと第601飛行隊から第603飛行隊のE-767及びE-2Cを離陸させて情報収集を開始させた。
陸上自衛隊は防衛大臣より「有事に備えた行動を」と、南西諸島を警備地区とする第15旅団に準備態勢を取らせた。
8月3日
依然として状況が好転しない中で、荒木総理の指揮の下、F-15J戦闘機による偵察任務が画策された。
統合作戦司令部を経由して小松基地の第306飛行隊のF-15Jを作戦に投入することが決定された。
第601航空隊のE-2C早期警戒機が後方支援として投入される。
作戦は8月4日9時半に決行されることが決まった。
日本国内では政府への早期対応を求める中で突如として発表された。
計画内容は小松基地より韓国の識別防空圏へと侵入し、蔚山広域市の付近を飛行。最終的に釜山を通り識別防空圏を抜けて九州を経由して戻ると言ったルートであった。
航空機は2機編隊を組み、飛行していった。
所定の位置に着くと、カメラを取り出し地上の様子を確認したがあるはずの朝鮮半島が見つからない。
それだけでなく、朝鮮半島の更に北に陸地らしきものを見つけた。2機は迷った上にその陸地へと近づくことを決めた。
陸地に近づくと機体を横に向けて写真を撮る。
その様子はヨーロッパの街並みのようで、確認できる北朝鮮・ロシア・韓国のどの都市の街並みと一致しなかった。この作戦によって得られた情報は情報本部等の情報を取り扱う部隊へと引き渡された。
マスコミへの報道は作戦を完了した11時ちょうどに行われ、朝鮮半島は見つけられなかったが、未確認の大陸を発見した。と言う内容で報道した。なお「詳細は現在確認中」と言う形で濁した。
日本政府は更なる情報を求めるために、大陸へと接近しその様子を撮影および監視すると言ったものであった。しかし航空要員の安全確保の為航空自衛隊は救難体制を整えるように要請した。
最終的に2機編隊のF-2戦闘機にターゲティングポットを装備し、後方支援としてE-767早期警戒管制機と護衛艦じんつうが対馬沖で待機することになった。
作戦は「未知の大陸作戦」と名付けられ、8月6日に決行された。
福岡県の築城基地所属の第6飛行隊より2機のF-2戦闘機が離陸し、予定通り所定の位置へと到着した。
大陸が見つかったのは対馬から約470キロ地点で、ほぼ北朝鮮の領域に入ろうとしている所だった。E-767は付近に航空機がいないのを確認しそのまま安全を確保する。F-2戦闘機にはターゲティングポットのほかに、短距離空対空ミサイルであるAAM-3が2発ずつ搭載されており、もし空中戦に発展すればある程度の反撃が可能であった。
大陸が見えるとターゲティングポットを起動し、地上の様子を監視していく。
半径約5キロ圏内を円を描くようにして飛行し、そこで隊員はあるものを捉えた。「人工物」である。
夜間用の赤外線モードをオンにし、生体反応を調べる。
あった
人がいる。その様子はきっちりと記録された。
人がいるとなると、反撃の可能性も十分にある。しかしそこが北朝鮮の街並みかと言われると否。ヨーロッパのようなレンガや石造りの家が並んでいた。
その時であった。2機のF-2戦闘機に帰投命令が出される。これは大至急の指示であり、パイロットたちは分けも分からず築城基地へと帰投する。
F-2が任務を終了し戻ってくる頃、鹿児島県の鹿屋基地より1機のP-1哨戒機が離陸。
海上自衛隊舞鶴港からはミサイル艇うみたかが緊急出港した。海上保安庁は巡視船いわみに臨検隊を乗船させ緊急出港した。対馬沖で待機していた護衛艦じんつうも動き出す。
約20分前・・・
民間貨物船が日本海にて正体不明の木造帆船を見つけたと海上保安庁に通報があった為、海上保安庁は航空機を飛ばし、捜索したところ3隻から成る正体不明の船団が日本のEEZ内へと侵入しており、このままでは山陰地方へと向かうルートであった為海上自衛隊に通報した。
先に発見したのはミサイル艇うみたかであった。76mm速射砲と合計4本のミサイルを搭載した船だ。その速度は護衛艦の中でもかなり早く、P-1哨戒機の誘導の元、先に正体不明船へと接近した。
しかしうみたかは小型であり乗組員も少ないため、正体不明船へ接近すれば乗っ取られる可能性もあった。少し離れたところから海上保安庁の巡視船の到着を待った。その間、12.7mm重機関銃を銃架に取り付け、残りの隊員は64式小銃を手に取り、いつでも交戦できる状態を整えていた。
続いて到着したのは巡視船浜田海上保安部より臨検隊を乗せた巡視船いわみであった。
30mm機関砲と放水銃、そして小型ボートなどを搭載しており、攻撃能力もそこそこある巡視船である。
最初に巡視船が英語、韓国語、ロシア語の順に停船命令を出す。
あちらもこちらに気づいたのか手を振っているのを確認できた。
「友好的と見るべきか」
船長はその様子を見て友好的だと断定し、臨検隊を乗せた複合艇を発進させた。
ミサイル艇うみたかは彼らの援護の為に船団正面へと移動し、左側面を向ける形で体勢を整えた。
乗艦した臨検隊は絶句した。英語のような謎の言語を使用し、更には彼らの見た目はゲームや漫画などの創作物上のキャラクターのようなカラフルな見た目であり、中には人間ではない形をした者もいた。
およそ1時間の交渉の末、武装解除と日本国への招待に応じた
彼らは日本語と同じ言語を喋っていると見るが、文字はどうやら違うようであった。それらはフェニキア文字やアラム文字など古代の文字のように見えたそうだ。
彼らは攻撃の意思が無いと証明した上、彼らの目的について軽く問うたところ
「王様の指示によって召喚された者を探していた」
「貴方方が召喚者か?敵意はない」
とのことで理解に苦しんだと言う。
最終的に日本国に招待することになり、巡視船いわみの母港である浜田海上保安部へと案内した。
日本政府は正体不明の国家と接触したことを報道した。しかしまたしても詳細は語らなかった。
山口駐屯地より第17普通科連隊の隊員が警備へと駆り出されることになる。




