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Spell Driver (スペル ドライバー)  作者: vurebis
魔法のお勉強 ~アリスデリカ編~
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31話 アリスデリカ一階級

グレンデルが目覚めたのは翌日の朝。

今日から魔法学校への通学が始まる。


「うん……。忘れ物なし」


グレンデルは頷きながら荷物を指さし確認。


「ばっちりだね! 初日から目立つわけにはいかないもんね? グレンデルちゃんは大丈夫だね!!」


隣にいるリューシュも一緒に頷き、グレンデルの頭を撫でる。

撫でられ目を細めたグレンデルは「うん……」と一言、ドアに向かって歩き始める。


「行ってらっしゃい~! 気を付けてね!? 悪い人についって行っちゃためだからね! 友達百人作るんだよ~!」

「うん。頑張ってくる」


そう言ってグレンデルは魔法学校に向かう。

宿から学校はすぐ近く。

グレンデルの歩く道はすぐに魔法学校の生徒と思しき少年少女が溢れてくる。


当然今日から入学するグレンデルは一人歩く。

「みんな、たのしそう……」

仲良く話しながら歩く同年代の姿を見てため息を吐くグレンデル。

「私もできるかな。友達」


「あら、グレンデルさん」

そんなグレンデルに声がかかる。

「あ、おはようございます」

声の主はレイモンド。門の前に立ってグレンデルを待っていたようだ。


「しっかり登校なさってますね。あの男と同じで時間にルーズかと思いましたが、関心です」

「ドクター。信頼されてないんだね」

「まぁ、何をするにも適当な男ですから」


レイモンドと並んで歩きながら学校へと入る。

「さて、あなたのクラスは一階です。私は三階ですから、これで」

「はい。ありがとう、ございます」

指差された教室の方を向きながらぺこりと頭を下げる。


「あ、それから」

そんなグレンデルを止めるレイモンド。

「はい?」

「必ず、私の教室に入ってくださいね」

眼鏡をクイッと上げ一言言い残し階段へと向かっていった。


「リューシュより勝手な人かも?」

首をかしげながらグレンデルは教室へ向かった。


アリスデリカは世界一の魔法学校として名を馳せている

その理由の一つとして、生徒が魔法を習う教師を選ぶことができるという点にある。

生徒の実力に応じて一階から七階まで教室は分かれるものの、朝の集会を行う以外は選んだ教師の授業を受けることとなる。

つまり、入学初日のグレンデルは一階。これからテスト、教師の評価などを考慮して上階の教室に割り振られる。


「ここかな?」


グレンデルは『一階級』と書かれた扉を開ける。

中にはすでに生徒が何人かいるようで、一気に視線がグレンデルに集まる。


「あれ? 新しい子?」

「新入生ちゃんだね」

「ちっちゃい子だね」


実のところアリスデリカでは教室内の生徒の入れ替わりが激しい。

生徒もそれに慣れているので特に不思議には考えずグレンデルを迎える。


もちろんそれを知らないグレンデルはおどおどしてしまう。

そんなグレンデルを見た一階級クラスメイトはグレンデルを囲う。


「お名前は?」

「魔法使えるの?」

「どこからきたの?」

「今日からよろしくね!」


質問攻めにあうグレンデル。


「グ、グレンデル。魔法、ちょっとなら……」


朗らかな雰囲気に囲まれ、教室に入るまでの緊張はすっかりなくなって、質問にも答えれる。

朝リューシュに言われた友達百人には程遠い人数だがうまくやっていけそうな気がする。


「グレンデルさん! どの先生の教室につくの?」

「ちょっと、それ聞くの早いでしょ?」

「でも気になったから~」


「えっと、レイモンド先生のところ……」

悪気はないのを感じたグレンデルは素直に答える


「レイモンド先生! その先生かっこいいよね~」

「でも授業は厳しいって聞いたよ」

「このクラスにレイモンド先生の教室の子っていたっけ?」

「確か一人……」

「あぁ、レイター君か」


口々にレイモンドの噂を始めるクラスメイト。

どうやらレイモンド自体の人気はあるけど授業は人気じゃないみたい。


「レイター君……?」


聞きなれない名前を耳にするも、皆はほかの話題になってしまって答えてくれなかった。

それからしばらくクラスメイトと話をしていると、一階級の担任が教室に入ってくる。


「みなさーん。お揃いですかね? お休みの連絡もないですし今日も元気に行きましょっか」

にこやかに挨拶するのは初老の女性。なんとなくなんでも相談を聞いてくれそうだなぁとグレンデルはぼんやりと思った。

「さて、まずは皆さんに新しい仲間のご紹介です。グレンデルさん、前へ」

「は、はい」


突然呼ばれ皆の前に立つ。もう話したことのある子は目が合うと笑みを返してくれるが、まだ話したことのない子は……そっぽ向いたり、何を話すか待っていたり。


「グレンデルです。レイモンド先生の教室に入ろうと思っています。よ、よろしくおねがいします」


おずおずと頭を下げたグレンデルに拍手が贈られる。


「あら、もう教室を決めているのね。それにレイモンド先生。いい先生を選んだわね」

「ありがとう、ございます」

「一緒の教室はあそこに座っているレイター君です。仲良くね」

「はい」

「しゃ、席に戻りましょっか」


それから簡単な伝達事項があった後、解散。各自の教室に散っていく。

グレンデルはすぐに立ち上がって皆がレイター君と呼ぶ少年の元に向かう。


「あ、あの……」

「あ……。えっと、グレンデルさん。だっけ?」

「うん……。そう」

「よかった。名前間違わなかった。僕、レイター。よろしくね」


お互い遠慮をしながら握手を交わす。


「うん。よろしく。レイモンド先生の教室まで案内してほしいの」

「あ、そっかレイモンド先生を選んだって言ってたね」


レイターも立ち上がって教室のドアを指さす。

「教室、三階にあるんだ」

グレンデルは歩き出すレイターを追って教室を出た。



久々の投稿です。

面白ければ評価、よろしくお願いいたします!

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