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あとがき

 お疲れ様でした。

 こんな所まで読んで下さってありがとうございます! ようやく完結する事が出来ました!

「一年以上かかってんじゃねぇかこのグズ豚が!」と罵られるのを待ってます。


 この物語のコンセプトは、「永遠の愛と破滅の美学」でした。



◆ユウリ

 とある平凡な村で狩人をしていた村人が狂人になったと思ったら竜の恋人になってさらにその後結婚して世間からは「竜の賢人」「竜の護人」「竜の主人」なんて呼ばれるようになっちゃった■人である。

 序章と終章の“彼”とは勿論ユウリの事です。

 別に狂っている訳ではないのですが、喜怒哀楽などの感情全てが妻・ベアトリーチェへ帰結するようになってしまったので、常人ではなくなってます。村や親しい人を失って哀しい気持ちはあるのですが、最愛の妻の前では瑣末な事になってしまい感じられなくなってると云いましょうか。

 皆さんご存じないと思いますが、作者お得意の「まともに見えて一番頭おかしい人」です。頭のネジが一本二本抜けてるどころか、一、二本残して全部抜け落ちてると云う感じです。

 頭おかしいし感情の振り幅もおかしいのに狂人ではないと云う面倒な奴です。いっそ狂ってたらもっと分かりやすい奴になっていたでしょう。

 魔王と勇者の永続性に勿論哀れみはありました。しかし妻の前では(以下略)

 世界が滅んでも、ベアトリーチェと永遠の愛の元生きて幸せになるのでしょう。そう云う奴です。

 ベアトリーチェさえいなければ、幼馴染の女性と結婚して家庭を築いて普通の幸せを生きて死んだでしょうが、そうはならないのが物語と云うものです。その女性は村が焼かれた時に亡くなっていますがユウリは知りませんし、もう興味もないでしょう。彼女はユウリの記憶の中で美しい思い出となって生きていますので、現実の死がどんなに惨かろうが関係のない事なのでした。

 愛も、思い出も、永遠です。



◆ベアトリーチェ(リチェ)

 世界最強のドラゴンです。魔王も勇者も勝てません。唯一勝てるのは愛しの旦那様だけです。

 お察しの読者様もいらっしゃると思いますが、作中でドンが語っていた「いなくなってしまった神様」です。“なんらかの事情で”零落れいらくしてしまい、神様ではなく破壊と恐怖を振りまく悪竜と化していたのです。その“なんらかの事情”についてはまた別の小説で……。そのうち短編で書けたらなーと。そんな事云っててまた中編か長編になったら申し訳ないですが。

 世界を恨み憎んで壊しまくっていて、そんな中で哀しみもあったでしょう。そこに突如現れたのが、何の変哲もないどこにでもいる村人兼狩人のユウリでした。特別な存在でなかった普通人ユウリが、真っ直ぐ悪竜を見つめ、「綺麗だ」なんて云ってくれたもんだからストーンと恋に落ちて正気が戻って来たようです。

 あの日あの時あryでユウリと出会えてなかったら、何もかも全部壊してしまっていたので、ユウリとの出会いは奇跡で運命だったのでしょう。

 愛は世界を救うのでした。

 そんで以前の事は都合よくすぽーんと忘れてしまっていますが、思い出した所でどうにもならないでしょう。愛しの旦那様がいるので、そんな事ぁどうでもよいのです。例え世界が終わっても、旦那がいるから幸せです。

 この世界における真の意味でのドラゴンはベアトリーチェだけで、他の竜や龍はどれだけ強かろうが賢かろうが全て亜竜になります。だからベアトリーチェ以外とは契約したところで永遠の命は得られません。永遠を生きられるのはベアトリーチェだけです。他の竜も寿命は長いので、人間からすれば永遠に等しい生ではあるかも知れませんが。



◆ドゥンケルハイト・ブーゼ・シュレッケン(ドン)

 この四人の中で一番最初に考えたのが彼(彼女)の事だったのです。両性具有魔王うめぇ、と。←

 リヒトはユウリに優しいドンを見て、「ドンさんはユウリさんが好き」と思っていましたが、単純な友愛感情しかありません。出会った時には既に妻帯者だったので、恋になるはずもないって云う。しかもその妻が竜だったらインパクトでかすぎて恋する暇も隙もないですな。ユウリが妻帯者じゃなかったら? そもそも出会えていないので無意味なIFでございます。

 気が遠くなるほど生まれて死んで、死んでは生まれて、勇者と殺し合いの繰り返し。気が狂わなかったのは、ドンの精神力が強いとかではなく、狂ったらお仕事こなせないから“狂えない”仕組みになっているだけです。神様酷い。とうの本人(本竜?)すこーんと忘れてますけど。

 でも感情は普通と云うか、並みの人間より繊細と云う鬼畜仕様。生まれながらの無理ゲーやらせるにはしんどすぎる人格です。そんな中で出会ったユウリは、確かに救いにはなっていたのかなぁとは思いますが。奥さんの事を思うと色々皮肉だなと作者自身も思います。

 リヒトへの感情は恋情に近い親愛かなぁ、と。数多の勇者と戦って来て、その中で一番まともで楽しかった相手がリヒトでした。他の勇者は気が合わなかったと云うか。きっと気の合う奴もいたでしょうが、ユウリと云う緩衝材が存在しなかったので互いの存在を敵以上に思える訳も無く。リヒトとの出会いも関係性もユウリがいなくては成り立たなかったのです。

 そう考えると、世界の滅びはユウリが運んで来た訳ですね。怖い。さらに云えば、そのユウリとはベアトリーチェ(神様)がいなくては出会えなかった訳で。

 なんかマッチポンプみたいだ何これ怖い。



◆リヒト・グーテ

 魔王が両性具有なら勇者は無性別だな、と云う安直な考えでないないないな子に。

 勇者は魔王を倒す事がお仕事なので、歴代勇者はみんな似たような性格です。根源が一緒と云いますか。絶対正義の執行者なので、清廉潔白、純真無垢及び独善が基本属性。そこへ周囲の環境が影響を与えて人格形成がされる感じです。

 リヒトは勇者らしい勇者でしたが、ユウリとの出会いが全部狂わせました。魔王を倒すだけの簡単なお仕事が、魔王と関係を築く鬱ゲー仕様に! しかも仲間の不和やら祖国からの圧力やらで精神的負担がずどーん。子供だから仕方がない! そんな中で魔王から「一緒に世界滅ぼそうぜ☆」とか云われてうっかりOKしちゃったくらいの軽いノリでした。世界が救われない。

 ドンはリヒトの恋心がユウリへ向いているのだろうと思っていましたが、そんな事はないです。親愛の情が強かったので錯覚したのでしょう。そして愛の反対は無関心ですが、愛の裏には憎しみがあるのですよ。つまりそう云う事です。

 仲間の事は大事に思ってます。特に守護騎士のアウグストとは大変気が合い、親友関係です。アウグストの方は親友以上に思っていたようですがリヒトには関係ない話ですね。他の女子二人とも最初は善い関係築けていたのですが、恋する乙女達は恋する相手の感情に敏感ですからね。女の嫉妬怖いですね。そう云う事です。

 愛って世界を壊すそうですよ?




 そう云うわけで。

 ユウリとベアトリーチェは「永遠の愛」を、ドンとリヒトは「破滅の美学」を担当していました。

 お分かりいただけただろうか……。


 この物語は、私が今後書いて行く予定のファンタジー小説全ての根本です。ドンとリヒトの愛? で世界が崩壊した後、もう一度出来上がった文明世界が舞台になります。

 つまりユウリとベアトリーチェは今後も出てくる訳ですね。奴らは永遠ですから。ドンとリヒトは出ません。世界の理と秩序に真っ向から違反したので、魂すら砕けて破滅しました。転生すらしません。酷いよ神様! でもそれが一番幸せだったのだと思ってやって下さい。特にドンは。これでまた生まれ変わったらどんだけ絶望するのだろうか。……いいかも知れません。あ、いや、出しませんよ! うん! 奴らは「破滅の美学」ですので! 全て終わってこそ意味があるのです……!



 ここまで読んで下さってありがとうございました!

 きちんと完結出来たのも読者の皆様のお陰でございます。

 では、また別の連載でお会いしましょう!(敬礼)

 メイン連載も更新しませんとねー!

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