初顔合わせ
――今日は初顔合わせの為、大横の病院に来ている――
「女子と付き合った事ないんで、どうすればいいんだ?
彼女というには、歳が離れすぎてるし……」
「そうだな、おまえに娘がいたというティで考えてみ……。
娘の成長の為に、いろいろな経験させたいと思うじゃん?」
「そりゃまぁ……」
「その上で、お前も楽しめそうなものを、チョイスしてくれたらいいよ」
「おまえ、関西周辺なら、そこそこ詳しいだろ」
「彼女、毎月、ココに来るので、その日にデートするようなテイで……」
「彼女と同じ北海道に引っ越してもいいが、どうせ平日は学校行ってるし……。
平日は、電話とか、メッセージアプリとかで、相手してあげて……。
ま……気が向いたら、たまに、北海道、行くくらいでいいんじゃないか?」
「ふむ、月イチ彼氏って感じか」
「そそ……」
こうして、大横との事前の話合いを終え、
今月の彼女の施術後に、初顔合わせする事になった。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
俺は、スーツ着ている。正直、ちょっと、緊張してる。
奈子さんは、可愛い系の恰好していた。
とてもキレイな子だ…。というか、お母さんも、キレイな人だ。
「おい、親子そろって、こんなキレイな人って聞いてないぞ!」
「ふふ……。聞こえてますよ……」
「おっと、やべ……」
「始めまして、道 貞夫です。
家畜契約では、日々の生活の満足度が、納品する肉の品質に影響しますので、
彼女が、いろいろ楽しい日々を、送れるように、私が、サポート致します」
「え?、あれ?。
どっかで見た事あると思ったら、有名人じゃないですか?」
「有名人って……」
「お母さん、最近、TVや、SNSで、毎日出てた人だよ……」
「はは……、まぁ、確かに、時のヒトって感じかもな」
「奈子さんから、年上の男性と付き合ってみたい……
というオーダーがあったとお聞きしてます。
それで、私が、選ばれました」
「ま、レンタル彼氏みたいなもんです」
「京都に来られた時に、この辺を案内させてもらいます。
引率の先生みたいなものと思ってください」
「誓って、奈子さんが嫌がる事は致しません」
「安心してもらえるように、
お母さんに、私の位置情報とか共有しときます?」
「いえ、そこまでは、結構です」
「それにしても、カッコイイ人ですね?」
とお母さん
「え?」
「そういうのを言われたのは、初めてです
もしかして、さっきのお返しですか?」
「さぁ、どうでしょう……」
「奈子さんも、お母さんも、キレイだと思ったのは、本音ですよ」
「はい、さっきの感じみてたので、わかってます。
でも、それだけに、うれしかったわ」
「ちょ、ちょっと、お母さん」
「私のサポートは、してくれないのですか?」
「ちょっと、お母さん」
「それは、想定外の提案です」
「娘さんと一緒で、遊びたいのであれば、そうしますけど、
それだと、奈子さんからのオーダーと違ってしまいます」
「それに……」
「それに?」
「お母さんも、とてもおキレイなので、魅力的ですが、
2人きりで、彼氏役するのは、
旦那さんに恨まれるので、遠慮したいですね」
「はぁ……。仕方ないですね。私は、あきらめます」
「来月からは、2泊3日で、京都に来る事にします。
1日じっくり、奈子を楽しませてやってください」
「承知しました。その間、娘さんを、お預かりします」
「お母さんは、どうされるのですか?」
「私は、観光バスとかで、ひとり観光します。
京都は、見るところに困らないでしょう」
「そうですね。なんか、ひとりにさせて、すみません」
「いーえっ。
昔は、ひとりで、いろいろブラブラしてたの。
若返ったつもりで、昔を思い出して、そうするわ」
「あの……。余計な心配かもしれませんが……」
「ホントに、おキレイなので……。
男のヒトに絡まれないように注意してくださいね」
「あら、そんな事言われるとは、思わなかったわ」
「道中、何か困った事があったら、電話してください。
フォローさせて頂きます……」
「ありがとう。何かあったら、頼らせてもらうわ」
「じゃ、また、来月って事でいいのかな?」
「はい」
「とりあえず、連絡先交換しとこう。お母さんも……」
……という感じで、奈子さんと、そのお母さんの初対面を終えた。
2人が、この部屋を出ると……
大横 亮は、俺の事を見て、こう言った。
「お前、ホント、人たらしだわ」
「そうか……?」
「あんな恥ずかしいセリフ言っといて……。
これで、童貞っていうんだから、おまえ、おかしい」
そんな風に言われるとは……。モテない自覚あるんだけどな。




