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職業:家畜:全年齢版:金曜20時更新  作者: 秋月心文


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4/10

変化

――帰宅――


「ただいま~」


「おぅ、おかえり~、どうだ…っ……」

……と言いかけて、お父さんの言葉が止まった。


口をパクパクさせている。


そりゃあ、そうだろう……。私たちがキレイになりすぎて……。


「え? え? なんで? 若返ってる?」


「ふふん、すごいでしょ!」

ドヤ顔のお母さん。


お母さんの変貌ぶりは、私の比ではなかった。


老廃物とか、不純物とかいうのは、

年齢が上がる程、多く蓄積してるらしい。


今回、そういうのを、体中から取り除いた結果、

シミだけでなく、シワとか、たるみとかもなくなり、

毛穴の奥まで不純物などが除去されて、肌はツヤツヤ。

肌色さえ、健康的な発色になった。


化粧も、不純物とみなされてすっぴん状態になったハズだけど、

化粧してた時より、数倍、美人だ。

もったいないので、今日は、すっぴんのまま、帰って来た。


あの機会は、昔出来た古キズの跡や、

体内の不調なども、同時に治してしまうそうで、

お母さんは、体の調子も良くなったと言っていた。


「な、何があった?」


「私も、奈子(なこ)も、家畜契約というのをして、

 体の不純物を取り除いてもらったら、こうなったの?」


「へぇ~」

お父さん、お母さんの事を、まわりから、シゲシゲと眺め、なんかうれしそう。


「あなたも、家畜契約してみたら?

 あたしみたいに、若返るかもよ?」


「う~ん、これを見てしまうと、ちょっと考えてしまうな」

実は、お父さんは、最近、お腹についてきた贅肉と、健康診断で数値が悪くなってきている事に悩んでいる。


――翌朝――


学校に行く際、スカートがゆるい。


あれ?


ウエストが、閉まりすぎて、スカートがぶかぶかになっている。


幸い、ベルトも通せる仕様だったので、それで履いて、学校に……。


もしかすると、家中の服、総入れ替えしないといけないのかも……!?


――翌朝、学校――


「おはよぉ~」

クラスに入り、友達の「真弓」に声をかけたのだが……


しばらく、返事がない。


「おぉ~い!!」

彼女の目の前で手を振る。

彼女は、考えた上で、おそるおそる口を開く……


「誰?」


「私だよ。越智(えいち) 奈子(なこ)だよ」

そう言って、胸の名札を示す。


すると、クラスの中が、一斉にザワついた。

皆が「誰?」って思っていたらしい。


自分で言うのもなんだけど、今の私は、超絶美人だ。

そりゃぁ、気にもなるでしょうよ。


「いやいや、数日の間に、突然、変わり過ぎでしょ。成形でもしたん?」


「違うよ。『体内の不純物』を全て取り除いただけ……」


「え!?。どこで?」


「京都の病院で……」


「それって、いくらかかるの?」


「ただだよ。っていうか、むしろ、お金が貰える」


「ちょ……。どういう事よ!? もっとくわしく……」


「家畜契約っていうのあるでしょ」


「うん」


「その契約をすると、

 月に1回、体の『贅肉』を納品するんだけど……」


「うん」


「この『贅肉』を採取する際に、

 副作用で『体内の不純物』を自動除去する事になるらしくて……」


「不純物?」


「そそ……。

 人がキレイじゃなくなる全ての物質みたいな……」


「その『不純物』で、何でお金がもらえるん?」


「お金になるのは『不純物』じゃなくて『贅肉』の方。

 なんかね。試しに、この『贅肉』を食べた人がいて……。

 そしたら、超絶おいしかったらしくて……。

 それ以降、この『贅肉』が、

 破格の値段で取引されるようになったんだって……」


「ふぇ~」


「つまり、毎月、お金もらえて、キレイになれるのです!」

私は、ドヤ顔で、そういう……。


クラス中から、人が集まってきた。

私のまわりに、ひとだかりが出来る。

「越智(えいち)さん、もっと、詳しく……」


それから、私は、クラス中の子から、質問攻めをうける羽目になった。

「家畜」契約するクラスメイトが、増えるかもしれない…と思った。


――体育の授業――


問題が発生した。


ウエストが閉まりすぎてしまったので、

体育で使うショートパンツが、ゆるゆるだ。


これで動くと、絶対に脱げる!?


仕方ないので、先生に、事情を話す。


そしたら、保健室に、

各サイズのものがあるので、今日は、それを借りてきなさいと言われた。


急いで保健室に向かう。ダッシュで向かう。

あれ、体が軽い。

まぁ、実際、体重も、大幅に減ってるんだけど……。


でも、感じてるのは、そういう「重さ」ではなくて、体の動きの「軽さ」だ。

スムーズに動く、息切れしない。

なんか……、無敵になった気分だ。


実際に、体育の授業で、いろいろ体を動かしたけど、

何をやっても、体がスムーズで、いつも出来ないような事が普通に出来た。


走るのも、跳ぶのも、なんでも自由自在だ。


体から出る汗も、全く臭くない。今までの汗は、不純物の塊だったのだろう。

名実共に、気持ちの良い汗をかいた。

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