オンラインゲーム
◇ ◇ 前に、大横から、こんなアドバイスをもらった ◇ ◇
「オンラインゲームで、ボイスチャットで、遊ぶのもアリかもしれんぞ」
「おまえ、ゲーム得意だろ……」
「家畜だったし、時間だけはあったからなぁ……」
「それに、おまえ、声優並みにイイ声してるんだから……」
「そう?」
「そう。その、低くて渋い声は、それだけでも満足させられると思うぞ」
「そういうもんかね?」
「そういうもんだよ。もっと、自分の武器を自覚しろよ」
……という事で、
◇ ◇ オンラインゲーム内で奈子と遊んでみた ◇ ◇
まずは、スマホにボイスチャットアプリを入れる。
それを奈子と繋いだ上で、オンラインゲームを起動する。
まずは、ファイナ……Ⅴ、というゲームだ。
全部書くと宣伝みたいで、問題ありそうだから、タイトルは端折る。
ログインしてもらった。
俺のキャラは、小さい子だ。
奈子も、同じ系統のキャラにしたようだ。
「あれ?、貞夫さん、よく見ると女性キャラなんですね」
「あ……。そうだよ。
小っちゃくて気づきにくいかもだけど……
このゲームってさ、1人称視点だと操作しにくくてさ」
「そですね」
「3人称視点だと、ずっと見てる事になるじゃん」
「そうなりますね」
「ずっと、野郎見続けるのは、なんか嫌でね。味気ないし」
「ふふ……。なんですか、それ……」
「自分の分身……て思う人もいるらしいけど、全然似てないしさ」
「まぁ、そうですね……」
「だから、別の誰かを『育ててる』テイで、プレイしてるんだ」
「なるほど……。なるほど……」
「決して、女性になりたいとかいう願望がある訳じゃないよ」
「ふふ……。わかってますよぅ」
「ふふ……。貞夫さんの声は、なんか落ち着きます」
奈子は、よく笑う。
そういえば、20代の頃に、
女子高生の子と、いろいろ話した時も、
女子高生って、社会人の子に比べて、よく笑うという印象だった。
年上の男性に、失礼にならないように、
笑顔でいるという話も聞くし、そういう感じなのだろう。
「ありがとう。俺も、奈子の声、好きだよ」
ちょっと反応が静かになる。
「あぁ、すまん、変な事言ったかな……」
「い、いえ、私も、そう言ってもらってうれしいです」
「それにしても、ゲームうまいんですね」
「おぅ、任せてくれ。
だてに、長年、家畜やってないぞ」
「ふふ……。なんですか、それぇ」
いつの日にか、
こういう気遣い笑いを、されないようになりたいものだ。




