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職業:家畜:全年齢版  作者: 秋月心文


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新しい仕事

『アシュビー』はD国に本社をもつ会社の日本法人だったらしい。

D国は、日本と直接国交がないが、日本よりも医療先進国なのだそうで、この国でも使われている『何でも数分で治してしまう医療機械』を開発したのも『アシュビー』のD国本社なのだとか。


国交がない為、この医療機械は、C国でライセンス生産されたものが、この国に輸入されている。

残念ながら、まだ、日本国内では作る事が出来ない。


警察の捜査の結果『アシュビー』で「家畜契約」した人は、全てD国の国籍を取得させられ、何か問題があってもD国の法律に従うという契約にサインをさせられていた。


そして、D国で施術するという名目で、麻酔の効いた契約者をD国に送り、D国で施術していたそうだが、D国とは、国交がない為、飛行機でC国を経由して、D国に送られていたのではないかと推察されているとの事。

そもそも、国交がないD国内での事なので、捜査を行う事すら難しく、実態はわからないそうだ。


怖い事に、D国という国は、とても簡易的な法律しかない状態である為、

日本では違法になるような人体実験も、臓器売買も、人身売買も、

契約さえしていれば(D国の法律では罪にならないという意味で)すべて合法とされる。


『アシュビー』からは、示談の申し込みがあったが、弁護士さんからは、こんな悪徳業者を、ほっとくと、今後も犠牲者が増えていくので、示談は受けないように勧められた。

俺もそう思うので、裁判は続ける事とした。


その後も、ボロボロと様々な犯罪行為が明らかになっていった。

脱税していたり、与党の政治家に多額の献金が送られていたり、送迎に使われていた超高級車が実は海外で盗まれた車であったり、

…などなど。


ちなみに『アシュビー』の曲で『踊ってみた』という動画が拡散していた件は、『アシュビー』社内が抱えるAIで管理された数百万という膨大なダミーアカウントを使い、AIによって動画が何度も自動再生され、自動的にフォローされ、自動的にイイねされる仕掛けになっていて、『アシュビー』動画を広める原因を作っていたようだ。


またAIによって作られた実写そっくりの『踊ってみた』という動画や、人気のアニメキャラそっくりの『踊ってみた』という動画も、AIによって大量に自動生成され、それも自動的にSNSにアップされていたらしい。


これも『アシュビー』のダミーアカウントによって、自動的に再生、フォロー、イイねが付くため、その動画が再生される事による広告収入も得ていたようだ。


結局、SNSで『アシュビー』動画が流行ってると、皆が思ってた原因が、AIによる仕業だったとは…。


そして、今回の問題に直接関与していた人たちは、いつの間にか行方不明になっている。

C国を経由して、D国に逃亡したのでは?と噂されている。


俺がサインしてしまった様々な契約は、もちろん無効にしてもらった。

D国の国籍取得もしかり、何か問題があってもD国の法律に従うという件もしかり…。


D国内に送られてしまった過去の契約者については、その後の状況が、追跡出来ない事もあり捜査が難航しており、裁判に持ち込むに至ってないようだ。


それでも、俺を担当してくれた弁護士さんは、今回の件で、何度も取材を受け、全国に顔と名前が知れ渡った事で、有名になり、仕事が増えて忙しくてたまらないそうだ。


俺自身も、テレビ、ラジオ、新聞など様々なメディアから取材を受けて、取材料、出演料などをもらったりはしたりが、一時的なものでしかない。

 

けれど、相変わらず、仕事がない。どうしよう…。


そんな俺の元に、電話がなった。国立病院の医師(大横 亮)からだ。

「お前に仕事を頼みたい。」 

持つべきものは「ともだち」だ。そう思った。


 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・


国立病院を訪れた。

3階の301号室で待ってるからと言われた。

行ってみると、そこは、いわゆる個室の病室で、防音もシッカリしている場所だそうだ。

 

最近は、大抵の症状は施術機で数分で治してしまえるから、最近は、入院する人もなく、空き部屋になっているらしい。

「すまんな、呼び出して…」

 

「いや、いいんだけど。それより、仕事をもらえるという話だったけど、ホントなの?」


「俺の家畜担当で、奥手の女子高生がいるんだが、その子を満足させる為に、仮の彼氏をする仕事を頼みたい。金額は月に266万ほど」


「は?。そのお金は、どこから出て来てんの?」


「実はな、彼女の『家畜』契約のお金を8割ピンハネさせてもらっているんだ。

 お前に渡すのは、彼女に渡しているのと同じ金額だ。

 年齢を重ねる度に金額が減っていくのは、知ってると思うので、説明は省くな…」


「え?。それって横領じゃん、無茶な事するな…。

 彼女のホントの儲けは、月に1300万円以上って事?」


「あぁ、でも、バイト代わりにやりたいって話だったし、

 266万円でも高校生には大金だから、たぶん、わからないと思うんだよね」


「俺の名前自体『大横領(大横亮)』だしな…」


「自虐かよ…」


「ちなみに、この契約は、彼女が『家畜』契約をやめるか『処女』を失うまでの間ね…。

 お前なら、大丈夫だと思うけど、未成年に手を出したら犯罪だからな…」


「わかってるよ…」


「まぁ、ピンハネの件は、目をつぶるとしても、

 『処女』でいる間かぁ…。せめて年金もらえる迄、後15年は稼ぎたかったんだけどな…」


「それなら、彼女が31歳になるまで、彼女の『処女』を守り続けてくれ…」


「キツイな…」


「いや、今どき、30過ぎても独身の女性なんて珍しくないだろ…」


「うーん、でも、さすがに、そこまでピンハネし続けるのは難しいんじゃないのか?」


「大丈夫、さすがに、ピンハネの割合は、年齢を重ねる毎に、減らしていくって…」


「そして、俺の元には、彼女がもらう金額と同じ金額が振り込まれるという訳だな…」


「でも、ムリだって…。女子高生だろ…年齢離れすぎてるだろ…」


「実はな…、その子は、おじさん趣味らしくてな、年上の彼氏をご所望なんだ」


「いやいや、年上すぎるだろう…」 


「大丈夫だって、人たらしのお前なら…。

 それに、お前が推しのアイドルに見えるように「認識変換」の施術しておくから…」


「え?、今の技術って、そこまで出来るの?」


「あぁ…。今の医療技術はスゴイんだよ」

(実際はそんな技術ないけど、道くんは、高身長だし、見栄えいいから大丈夫だろ…。)


「それなら、まぁ、試しにやってみようかな…」


「受けてくれるなら、今月から、そのお金振り込んでいくから…。

 来月、納品にくる時に、ここで会わせるから、それまで、色々用意しといて…」 

 彼女、北海道の砂川というところに住んでいるんだ。

 おまえも、その辺に、家も引越して、カッコイイ車とか、カッコイイ服とか用意しといてよ。

 何度も言うけど、彼女に『処女』を失わせないようにしてくれ。

 処女を失うと、お金が3分の1に減るから注意してな…。」


「え?。そうなの?」


「あぁ、初潮後の女性の『贅肉』は『処女』でいる間は、男性の3倍の価格で取引されるんだ」


「すごいな…。女子って、うらやましいな…」

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