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共有ストレージ  作者: 山田太郎衛門
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第17話 師匠に丸投げ

朝だ。私は起きるとまずストレージを確認した。


彼が仕入れてくれた調味料も服も取り出せる事を確認してちょっとほっとしながらシャワーを浴びる。


そういえば前に不思議空間でワインを飲んだ時美味しいと言ってくれた。

何本か買っておくのもいいかもしれない。


…さて、髪を梳かしたら朝食を食べに出るか。



彼の世界になかったものとか、希少価値のありそうなものと考えると中々難しい。

良く雄二は服とか調味料とかぽんぽん思いつくものだ。


そういえば、彼の世界で魔獣を見た事がない。魔法もないと言っていた。

魔法薬なんかは希少価値がありそうだが…まぁ高価なものだが、何種類かは買ってみよう。

もし売れるようならもっと仕入れればいいだろう。


回復薬、千里眼薬、快眠薬、毛生え薬、毒消し薬っとこんなもんで

いいだろう。1本金貨1枚。

そういえば回復薬は自分のストックも補充しておこう。


今日もまずは師匠のもとへ。

昨日は服の販路を師匠に売った。


まぁ服以外は私の方で販路を作れば良いのだが正直面ど…ゲフンゲフン

…今までの恩返しってことで師匠に丸投げよう。



商人の朝は早い。

師匠の家に着いたのは6時だったがもうばっちり起きていた。


「なんだ糞弟子。まさかもう仕入れてきた訳じゃあるめぇ」


「はい。師匠。おはようございます。仕入れる服について少々相談したい事があってきました。」


「まさか昨日の今日でもう泣き言いうんじゃねぇだろうな?

 それだったらおめぇをまた一から鍛え直してやるぞおい」


「やだなー師匠。そんなわけないじゃないですか。

 サイズや色合いデザイン等バリエーションで10種類サンプルを用意しました。


 基本的には同じ意匠のものであれば全て仕入れる事は出来ますが、

 きっとサイズ直しとかに悩むんじゃないかなーって。

 男性用/女性用もありますのでどれを何枚とか決めてもらえます?

 あ。色も選べますんで。」


常識的に言って、今の私の発言はありえない。

1人の服職人が作れる数というのはどうしても決まっている。


しかもこれほどの熟練の縫いを見せる上に希少な素材を使用しているというのに

あと5日の間にサイズを注文通りに揃えると言っているのだ。


しかも色まで選べる。

一から縫いあげるといっているのか、それほどの在庫を抱えているのかという事だ。


(…たしかにこいつは、この糞弟子はストレージを持っているが、

 今までそんな物を持っていたとは思えねぇ。)


「くっ詮索しないとかルールに乗るんじゃなかった。

 色なんて考えていなかったが、既に値段を聞いた後だ。

 せっかくなら希少な青色で頼んじまえ。糞弟子への八つ当たりだ。」


「師匠。師匠。是非私の聞いていない所で八つ当たりとか言って下さい。だだ聞こえです。

 まぁ全て青でも構わないですけどね。


 まぁサイズと色が決まったなら、よしとしましょう。

 期日までには持ってきますね。」



「よし。もういいなら帰れ帰れ。お前のせいで大忙しだ。」


「おかげ。ですよね?師匠。そんな事言うなら次の商談は別のとこに持っていきますよ?」


「あ、師匠そういえば朝ごはん食べました?串焼きならありますよ?」


「糞弟子め。丁度、小腹がすいてきたところになんてもの出しやがる

 それ、イグニスの店の串焼きだろ?俺の好物を持ってくるとはやるじゃねーか弟子」


「都合のいい時だけ糞弟子じゃないんですね。師匠。まぁいいでしょう。1本どうぞ。」


「うめぇうめ…ぇ?おい?いつもよりかなりうまくねェか?

 ん?どういうことだ?おいまさかこのピリっとしたのは胡椒か!!???」


「あれ?師匠どうしました?師匠は忙しいんでしたよね?

 私はこれからイグニスさんのトコに商談に行こうかと思ってるのですが?」


「ちっ!!糞弟子がぁ!!おい量はどれだけ手に入る?

 俺にタダで食わせたんだ。まさか数粒って話でもあんめぇ。」


「重量で200g。但し実の状態ではありません。

 先ほどの串焼きに掛けられていたサイズに粉砕した状態となります。」


「200gなら金貨5枚。定期的に手に入るなら6枚でどうだ?」


「まぁいいでしょう。師匠にはお世話になりましたし。

 では続いて次の商だ…」


「おい糞弟子。」


「…んって、はいはいなんですか?師匠?」


「お前の手札はあと何枚あるんだ?」


「やだなー師匠。初めから1枚しかないですよ?」


「…わかった。それなら全て俺が捌いてやるからお前の売れると思ったものを

 仕入れてこい。儲けの65%をお前に渡す。それでどうだ?」


「流石師匠!太っ腹!65%とは大きく出ましたね。ですが、仕入れ値を師匠にも明かせません。

 なので【売り上げ】の50%でどうでしょうか?」


そういって私は不敵に笑ってみせた。

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