第14話 銀貨の価値は
「では担当を代えさせて頂きますので、そちらの階段から2階へどうぞ。
免許証はコピーを取らせて頂きますが宜しいでしょうか?お帰りの際にお返し致します。」
二階へ向かうと、温和な顔を浮かべた中年のおっさんが居た。
「橘様本日はようこそお越し下さいました。どうぞこちらへ。
本日担当をさせて頂きます佐藤と申します。」
名刺を受取りつつ、部屋に案内され大きなソファーに座る。
「それで早速ですが、本日お売りいただけるものは金と聞いております。
見せて頂いてもよろしいでしょうか?」
朝ストレージから出した金貨3枚と銀貨2枚を出す。
家にあった巾着袋に入れてきたが普通金ってどうやって保管するんだろ?
まぁいいや。
「金貨と銀貨ですね。これは珍しい。どこの国のものかご存知ですか?
いや失礼。これほどの大きさでこの文様の金貨は初めて見ましたもので。」
と佐藤さんは恥ずかしそうに言っているが…
「いや、やっぱり分からないですよね?
俺も調べてみたんですがググっても出てこなくてですね。」
そりゃ異世界の金貨なのだから見たことあったら逆にびびる。
「そうですね。中世あたりの地中海沿岸あたりのものに似ておりますが、
今までに発見されているものでは該当しないかと思いますね。」
ちょっと待って下さい。といって資料を持ってきてくれた。
「確かに似ておりますね。」
「当時、様々な金貨が発行され、換金商を悩ませたなんて逸話もありますから、
その当時の金貨だとすると私どもでは金額を付けられませんね」
ちなみにどちらで入手されたものです?
「生前、爺さんがくれたんです。爺さんは伝説のムー大陸の金貨だとか言っていましたが、
まぁ眉つば物ですね。」
と少しおどける。
佐藤さんはそんな俺の態度にそこまで価値がないものじゃないか?と気持ち軽く見える態度で
「素金としてなら見積りがすぐに出せますのでちょっと含有率の方調べてみますね。」
といって部屋の隅にあった機械の電源を入れる。
「ここでは金の含有率くらいしか調べられませんが、同位体比も調べてみれば作られた時期が
分かるかもしれませんよ?
…っと出ましたね。純金にかなり近いですね。
単純に金として買い取るなら1枚15万円前後、銀貨が1枚2000円前後くらいでしょうかね。
どうされますか?」
「正直、歴史的価値については考えておりませんでした。なんせ"ムー大陸"ですから。
単純に金として扱って頂ければ結構ですよ。」
「先ほど量った感じでは1枚あたり30g
本日の買い取り相場は5100円/gですので概算で45万ですね。
銀の相場はやや下がっておりまして、今すぐの換金でなくてもよろしいならもう少し待たれてみた方が
よいかもしれません。」
「わかりました。それでお願いします。
勿論本当にムー大陸の金貨だったら笑っちゃいますけどね」
とかいいつつ正確に査定をしてもらう。
…446,200円になった。




