第13話 金貨の価値は
1コマの選択は出席さえしとけばテストが0点でも可を貰える。
高校生の頃までは真面目に授業を受けていたが、なんとなく大学生になっただけの俺は卒業さえできればいいやという考えでいた。
今となってはスキルをどう活用していこうかと考えている訳で、殊更に大学などどうでもいいと思っているが、勿体ない精神だけは忘れないつもりだ。
大学には朝のHRなんてない。
同じ学科の奴と一緒に行動するのも必修の講義の時だけだし、横の関係が結構希薄だ。
寮に住んでるやつらか、サークルにでも入ってるやつらじゃないとぼっちまっしぐらだ。
今日の講義が終わったら、俺も適当なサークルに入ろうかと思っていたのだが…
せっかくならこのスキルを調べたり夢の世界のアイテムチートを一緒に考えてくれるようなオタク系サークルにでも入った方がいいかもしれんな。
1限の講義は開始時に受講票を集めるタイプの講義だったので早々に自主早退をし、教室の後ろのドアから外に出る。
駅まで歩いて移動しながら金貨の出所について言い訳を考える。
実家の蔵から出てきた?いや実家に電話されても困る。
拾った?いやいやネコババ出来る様な金額じゃなかったら犯罪者だ。
まぁネコババは金額の大小じゃなく犯罪だけど。
あれ?そーいやこれ純金なのかな?
考えてみたら昔の金貨は含有量によって価値が変わったとか聞いた事がある。
聞いたってかラノベで読んだのだが…まぁいい。
んー。うまい言い訳が思いつかんな。
まぁ死んだ爺ちゃんに昔貰った路線で行ってみようか。
どうせこの時間は親父もお袋も家にいねーし家に電話されても大丈夫だろ。
だいたいまだホントに売れるかも分からんのだ。
売れてから言い訳を考えりゃいいや。
駅が近づいて少し街が賑やかになってきたあたりに、1件、チェーン店の貴金属商がある。
ここで駄目なら駅前の別のチェーン店か、ひと駅離れた古美術商と回ればよい。
そーいや移動途中に金貨についてググってみたら金の重さ以上に歴史的価値とかでぐぐっと値段が上がったりもするらしい。
「いらっしゃいませ」
自動ドアの開くのに合わせて機械的な女性の声で自動音声が流れる。
奥にいた若い店員のねーちゃんに査定を依頼する。
「ありがとうございます。本日は何をお持ちでしょうか?あと買取には身分を証明する物が必要となりますが免許証等はお持ちでしょうか?」
免許証を渡しながら、小声で「実は金なんですけどここで出しても大丈夫ですか?」と伝える。
「御不安でしたら別室をご用意致しますが、いかがしますか?」
「じゃあ別室でもいいですかね?昔の金貨だと思うんですけど、何しろ価値が分からなくて…」
といって苦笑してみた。勿論演技だ。




