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魔闘士シェラハ  作者: ミーネ
洞窟探索編
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第27話

あの後、国長にお会いしたら、凄く感謝してくれた。それでハイミスリルについて、教えてくれる事になった。

この国の長は、ドワーフとエルフから一人ずつ選ばれて共同で治めているようだ。

元々種族的に正反対の特質のエルフとドワーフだけど、今の国長は性格も正反対らしい。それでも仲は良いようで、お会いした時も楽しそうに喧嘩まんざいをしていた。


今は工房に来ている。これからハイミスリルの精製から順番に教えて貰う。ちなみにローレンとユリウスとフィアナは連合の勇者と一緒に訓練やってる。連合の勇者はこの国から報酬として自分に合った武具を作って貰う様で、それが出来るまで暇らしく有志が付き合ってくれたようだ。

工房には私達の他にエルフとドワーフが一人ずつ居る。エルフがサイファスさんでドワーフがデルゴさん、サイファスさんが説明を始める。


「えー、ではハイミスリルの精製ですが、ミスリル鉱石と少量の白鉄鉱石が必要です。白鉄鉱石は東の火山から取れます。ただ、マライブル王国との国境線である事もあって半分程しか私達は探索出来ません。それに鉄鉱石との見分けが付き難いので取れる量は極小です。なので余り無駄遣い出来ないんですが」


「大丈夫です。沢山持ってます」


「え?……凄い!何処でこんなに?」


「その東の国側の領域にある、火山の洞窟の中からですね」


「そうですか……これはマライブルと交渉してみるべきかもしれませんね。ええと、では材料は充分あるので次の段階です。とはいえそれ程難しい事はありません。ハイミスリルの精製は私とデルゴの二人が必要なだけです」


「二人ですか?」


「はい、ハイミスリルの精製は反対の属性である火と水か風と土の魔力が必要です。精製時にその二つの魔力を同量込める事と白鉄鉱石を少量混ぜる事、この二つが通常のミスリルとの精製の違いです。

そして、エルフは属性が水と風の者しか居ません。逆にドワーフは火と土の者しか居ません。ですのでハイミスリルはエルフとドワーフの協力の証、この国を表す物になります」


「へえ、じゃあ私はツカサと、ノエルは作る時にフィアナに手伝って貰わなきゃね」


「では、一度作ってみますね。私が風の魔力、デルゴが土の魔力を込めます」


デルゴさんがミスリル鉱石と白鉄鉱石を炉に入れると、そこにデルゴさんとサイファスさんが魔力を込める、そして溶けた所で取り出し型に嵌める。


「これで、精製は終わりです。加工に関してはそれ程ミスリルと変わりません。加工時に魔力が多く必要な事位ですね」


「えっと、幾つか質問があります」


「はい、どうぞ」


「先ずは、二つの魔力を込める所で例えば四つの魔力を込めた場合どうなるか?上位魔法の嵐と地等の魔力を込めた場合はどうなるか?魔力が同量じゃなかった場合どうなるか?お願いします」


「ええと、四つでも出来ますよ、少し特性が違う物が出来た筈です。只、二人で合わせるより遥かに難しいですから、白鉄鉱石も希少ですし殆ど作られていません。

上位魔法に関しては、上位と下位では出来ない、上位と上位では出来るものと出来ないものがある、と言った所でしょうか。炎と氷は出来ます。雷と鋼も出来ます。他の組み合わせは見付かっていませんね。

同量じゃなかった場合は、通常のミスリルより脆いものが出来上がります」


「そうですか……ありがとうございます」


「いえいえ、こちらこそ街を守って頂いてありがとうございます。あ、それとですね、皆様の活躍にはこれだけでは足りないという事で、こちらを差し上げる様に言われています」


そう言われ、渡されたのは、白でありながら金色に輝く鉱石と、隕石だった。


「これは?」


「オリハルコン鉱石と隕石です。連合の勇者様方にも武具を作らねばならないので、少量しか渡せないのが申し訳無いですが」


「いえ、凄く嬉しいです。ありがとうございます」



予想外のプレゼントも貰い、私達はやっと自分達の国に帰って来た。

取り敢えずフィアナの親を通じてドリサイファスの事を国王に報告に行き、勇者なんだから通さなくても良かったかも知れないけど、これまで一人二人だった魔族の、集団での侵攻があるかも知れない事を報告して来た。

そしてついでに他の勇者が今どうしているかに関しても訊いてみた。

他の勇者はもう武具を貰って出発したらしい。今頃、マライブル国の最西端の街に着いている頃だそう。

という事で、私達も急いで出発したい所ではあるけれど、これから武具作りをしなくてはいけない。ので

、まあ、多少は急ごうかなと思う。納得のいかない物を作る気は全く無いけど。

急ぐ為に学園との往復等の時間を削る為、王都で工房を借り作成する事になった。

最初はハイミスリル作りからだ。これは一人で出来ないので最初に作る事になった。

ただ、ここで残念なのが、ツカサは光、ノエルは闇魔法が使えない事である。火属性と土属性ではあっても、光と闇は試してみたかった。取り敢えず試してみるのは、爆と霧、嵐と霧、空と地、爆と嵐、嵐と地、後は……癒はなぁ、他のと結び付け難いなぁ、毒魔法とかあればなぁ、爆と合わせて見ようか。

まあ、後は火、水、風、土と炎、氷、嵐、地に爆、霧、雷、鋼とかもやってみようかな。

って事でやってみた。先ずは魔力調整、一番魔力の低いノエルに合わせる。私がそういう感覚が鋭いので、他の人を見ながら指示をして感覚を覚えて貰う。

それで、どんどん作っていく。結果、爆と霧、嵐と地で出来た。光と闇で出来るとしたら、余りは癒と空になる。やってみたら出来た。でも癒と空?治癒と空間?わかりにくいなぁ、それと水属性と風属性だからエルフだけで出来ちゃうなぁ、光と闇も出来たらドワーフだけで出来ちゃうし……気にしないでおこう。後は炎と氷、雷と鋼も作る。

そして、四属性合成、火、水、風、土は成功、炎、氷、嵐、地は失敗、爆、霧、雷、鋼も失敗した。上位属性だと出来ないのか、それとも組み合わせ次第で出来るのか、ノエルとツカサが光と闇を覚えたら試そう。

まあ、取り敢えず充分な数が出来たので、それを分けて一人一人での作成に入る。私は大斧と杖と戦鎚と弓、ローレンとユリウスの分はいいかな。ノエルはローレンに重鎧、ユリウスと自分に軽鎧を作り、ツカサは自分の短刀と後はノエルと協力して他三人の布防具を作る。


さて、次にヒヒイロカネの精製に入る。闘気を充分に込めて作る。ヒヒイロカネは魔闘気を込めるより闘気を込めた方が良い物が出来る事が前回で判った。

そしてオリハルコンの精製、これは王城の鍛冶師さんに教えて貰った。折角貰ったので三種類を使って作ろうと思う。

オリハルコンは何故か一番精製が単純だ。他の鉱石は必要ない、逆に他の鉱石と精製の時点で混ぜると品質が悪くなる。加熱時間、温度も余り気にしなくて良い。

ただ、魔力と闘気がかなり必要だ。オリハルコン鉱石はどれだけ高い温度で熱しても溶けない、まあ炉の限界があるので何百万度の熱まで試した訳ではないと思うが。

溶かす為には熱すと同時に大量の魔力が必要になる。そして一度溶けると冷やしても固まらない、固める為には、冷やすと同時に大量の闘気が必要だ。

精製の方は、大量とは言っても私の全体の量の半分位で済むので、それでも他に比べると充分多いけど、楽な方だけど、問題は加工だ。

加工は魔力と熱を加えて叩いて形を変えて冷やして闘気で固定という、魔力、闘気、魔力、闘気と繰り返して加工しなければならない。

オリハルコンの武器を一つ作るのに、一日掛かりになり、しかも闘気と魔力の枯渇が途中十回位起きてしまう。

そういう金属な訳だけど、魔闘気を込めたらどうなるかがちょっと気になる所だ。

で、やってみたんだけど、なんと溶かす時も固める時もどっちも有効だった。それも、出来た物は万能金属ではなく私好みの尖った性能になった。

魔力も闘気も通さず、魔闘気にしか反応しない金属になり、そして魔闘気を込めた時の強靭さは他とは比べ物にならない。アダマンタイトとミスリルの合金を極端にした様な出来だ。

後、一応普通のオリハルコンも作っておいた。

金属の準備が出来た所で次は魔石。先に『闘神の指輪』の解析等を優先させたので、結局まだ隕石を試していない。折角加工していない隕石を貰ったのでこれを魔石にしてみる。

隕石は魔力を溜め込む性質が元々あるらしいので、一番魔石に向いていると思うんだけど。

出来たそれに一杯になるまで圧縮した魔力を溜めていく。

……まだ割れないよね?何個か破裂させた事で大体の感覚は掴んでいるけど、今迄の限界まで来るとやっぱり不安になる。

……もうちょっと大丈夫かな?前に作った改造魔石の三倍程の魔力が入った。

……よし、ここまで!限界と感じる所まで魔力を補充した。通常の魔石の約二十倍、魔石の魔力だけで『絶対零度』を一回出来る量だ。

後は、赤竜の血を使ってインク作って……そういえばマグマゴーレムの核があったっけ、使えるかも……


そして準備が終わって、これから作成に入る。

先ずは弓、ヒヒイロカネで弓を作りそして癒と空のハイミスリルで鋼糸を作り弦を作る、そして弦が繋がる所もハイミスリルでコーティングし、そこに魔石を埋め込む。隕石の物は数が少ないので自分用にさせて貰うので普通の改造魔石だ。刻む魔法陣は『治癒』と『転移』、『転移』の方は多分一回で魔力が無くなるし、矢一本位しか無理だろうけど、必中の矢が射れると思う。『治癒』は念の為だ、私が癒魔法使えない事もあるだろうし。

次に戦鎚、これもヒヒイロカネで主に作り、爆と霧のハイミスリルで魔石と魔法陣部を作る。刻む魔法陣は、『連鎖爆発』と『蒸気噴出』、鎚の先端の片方を筒状にしてそこで発生させるようにする。合わせて使用する事で強大な推進力を持つ……筈。

次に杖、これはハイミスリルで作る。四属性のハイミスリルを使用し、埋め込む魔石は十二個。

魔法陣は『火刃』『炎渦』『爆発』『光線』『水流』『氷槍』『霧幻』『治癒』『土壁』『重圧』『鋼糸』『暗闇』、フィアナは魔法を組み合わせる事を頑張っている様なので活用出来そうな物を付けといた。色々工夫出来るように、ノエルの戦鎚に付けたような物より威力は弱いけど、どうとでも使える物ばかりにした。後はフィアナが自分で考えるだろう。光と闇魔法に関しては宮廷魔術師にでも頼んでもらおう。

そして、私の大斧、これはシンプルにヒヒイロカネが基礎、炎と氷のハイミスリルで全体に模様を書くようにし、刃の部分にオリハルコンでコーティングする。魔石と魔法陣は二つ、『絶対零度アブソリュート・ゼロ』と『創世之炎ビックバン』にしてみた。『創世之炎』はイメージとしてはあるけど、どんな魔法になるかは使ってみないとわからない、使えるかもわからない。


武具も完成して、お披露目した所、皆喜んでくれた。ちょっと呆れてたけど。

ノエルとツカサも凄く良い物を作っていた。只、ちょっと遊び心が足りないな。

さて、ちょっと遅れたけど、深淵の洞窟に行こうか!



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