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魔闘士シェラハ  作者: ミーネ
魔物侵攻編
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幕間19話

魔王シュベルムとミラは深淵の洞窟最下層に帰ってきていた。レベル制限の魔具を先程取り外し、前回会議をした部屋に入る。他の者がまだ来ていないのでシュベルムは椅子に座り思いっきりだらけた。


「あー、失敗したなぁ」


「シェラハちゃんとの一件ですか?」


「ああ、技も力も速さもとても子供とは思えないものだった、しかもそれが本気ですら無い。あの状態で力を見ようなんて馬鹿な事しちまった」


「それにしては嬉しそうですね?」


シュベルムは口ではそう言いながらも顔はにやけている。


「まあな、あれはマジで強いぞ。本気で行っても負けるかもしれん」


「いや、そんな事を喜ばれましても」


「確か勇者だったか、シェラハと同レベルの強さの人間が地上には数人いるって事だよな、しかもそいつ等がこれから此処に来るんだろ?楽しすぎるだろ」


「出来れば危機感を持って欲しいですけど、その勇者達のせいで翼族も獣族も失敗したようですし」


「ああ、別に向こうから来るんなら、こっちから攻める必要も無かったかもな。いや、攻めたから、こっちに来ているのか」


「そういう問題ですか?ふふふ、まあ、いいですけど。とはいえ、転移装置は使えませんし、来ると言っても数ヶ月は掛かりそうですけど、いや私達みたいに此処の情報も殆ど持って無いでしょうからもっとですかね」


「そうか、いっそ転移装置の使い方を教えようか?」


「ですが、転移装置だとレベルが高い者は来れませんよ?シェラハちゃんのレベルがどれ位かは知りませんが、多分使えません」


「じゃあ、レベル制限の魔具も一緒に貸す」


「レベル制限させて、こっちの本拠地に引き込むなんて、向こうからしたら思いっきり罠にしか見えませんね。ふふふ」


「無理かな?」


「無理でしょうね」


「……よし、決めた!こっちからも出迎えよう……その為には……あんまり居ても邪魔だし……」


「は?」


突然声を張り上げたと思ったら、ぶつぶつつぶやき始めた魔王に疑問を持ちながらも、反応が無いので放っとく事にしたミラ。

そして、その間に他の幹部達がやって来た。


「じゃあ、揃いましたので始めましょうか」


「あれはいいのか?」


まだぶつぶつつぶやいている魔王を指しながら、鬼が言う。


「良いです、放っといて」


「ならいい。始めてくれ」


「では、先ずは翼族と獣族の侵攻についてからですね。結果は獣族は街の一つも落とせず、翼族は殆ど全滅です。ふふふ」


「うっ!?でも村五つと街も半壊程度まではやったんだぜー?行って何も出来なかった獣族よりマシだよねー?」


「何を言う!二百の者を失って、落としたのがそれだけの癖に!我々獣族は魔王様の命で引き上げただけで、それが無ければ街の一つ位落とせたわ!」


「まあ、どっちもどっちですので、そう喧嘩しないで下さい。ちなみに獣族はあのまま戦っても難しかったと思いますよ」


「そんな事はない!」


「そういえば、魔王様とミラだけズルいよねー、自分達だけ地上に行くなんて。今回の侵攻も俺が指揮取ってたらもっとやれたよー?」


「あれは実験の意味合いが強かったですし、それに数もそんなにありませんしね」


「魔王様を実験に使ったのか?」


「それは本人が望まれたので」


「まあいい、それでその魔具はこれから我々も使えるのか?」


「使えはしますけどね、幾つか問題があります。一つは数が少ないという事、今二つありますが素材が希少の為作れて後一つなんですよ、なので三人しか付けれません。次に付けたり外したりに手間が掛かる事、私の研究室でしか作業が出来ません。そして危険である事、魔王様が付けた状態で地上の子供に負けましたからね、それ位弱体化します(シェラハちゃんは地上の最強クラスだと思いますけど)」


「ふむ、それは厳しいか」


「そうですね。地上では外せませんし、戦う事になったら簡単にやられちゃいますよ?」


「えー、俺はそれでも地上に行ってみたいなぁ」


「その辺りはまた後で考えましょう。それで、これからの侵攻と地上の勇者達が此処に攻めてくる件ですけど……」


そこで魔王が突然立ち上がる。


「次の侵攻は全員で攻める事にする。これから転移装置を使えないレベルの者全員で洞窟を昇り、途中勇者を撃退する。そして地上に到達した所で、転移装置で他の者を呼び寄せる。その後全軍で地上を攻める事にする。確か鬼族に転移装置を使える『三文字』が一人居ただろう、そいつも連れて行けば地上に着いた所で一度戻らせて他の者を連れてこれるだろう」


「へー、面白そうー」


「わかった」


「南の勇者共は俺等獣族が相手するぞ!」


「勇者に負けちゃったらどうしましょうね?ふふふ」


そして次の地上侵攻が決定した。

転移装置を使えない為、退屈していた王を含む実力者全員がそれに張り切って参加する事になった。

『闘角鬼王』と『暴胸鬼』、『鋼腕鬼』、『迅脚鬼』、『凶眼鬼』の『三文字』、

翼王『炎』の不死鳥と『闇』の梟、『雷』の鷲、『癒』の鶯の『魔の頂』、

『赤獅子』の獣王と、『白虎』、『青象』、『黒兎』の『色持ち』、

そして『魔王』シュベルムと『賢魔』ミラ。

たった十五名でありながら、これまで地上を攻めた戦力を軽く超える、最強の少数精鋭の魔王軍が勇者を撃退し地上を征服する為に出発した。

魔王の目的が地上を征服する事では無く、その前の勇者との戦いにある事はミラ以外気付かなかった。



鬼族の『三文字』以上は身体の部位を入れようと思いまして、キョウジの称号を『凶蒼鬼』から『凶眼鬼』に変更しました。

それと、キョウジが前に自分以上は十人以上は居ると言っていますが、他の『三文字』は三名になりましたので、数人に変更しました(第16話)、すみません。

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