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魔闘士シェラハ  作者: ミーネ
魔物侵攻編
40/49

幕間15話

ちっ!やっぱりあんまり斬れねえ。

俺は渾身の力を込めて赤竜の身体に斬りかかったが、浅く表面を傷付けただけで、ほとんどダメージを与えられなかった。

シェラハだったらこんなものじゃねえ筈なのに何が違うんだ?

シェラハが魔闘気とやらを使っても、力はそこまで劣っていないし……うわっ!危ねえ!

考え事していたら、赤竜の尾での攻撃を食らいそうになった。

なんとか避けたが、そこから突進、そして牙での噛み付きに来た。ツカサの援護のおかげで、直撃は避けたが肩に掠ってダメージを負う。

ローレンは一人で抑えてるっていうのに、俺はツカサの力を借りても抑えきれていない。武器の差はあるかも知れないけど、闘神武具はシェラハから貰った武具とは違ってそれ自体が実力みたいなものだ。言い訳に出来ない。

ローレンのあの盾、何度か戦ったけど凄い物だった。今迄も俺の攻撃を殆ど防がれていたけど、受け流したり、避けたり、盾以外の部分で防いだりが含まれていたし、それを避けて攻撃を当てる事だってたまに出来た。

だけど、あの盾を使うローレンは俺の攻撃を全て受け止めて、そして揺らがない。

何度かの模擬戦で、あの盾を突破する事は今の俺には無理だと思わされた。

それから、俺も闘神武具を生み出す為に色々考えたが、全く思い当たらなかった。シェラハにいつもの如く叱られ、馬鹿な俺は考えるより、剣を振り、魔物と戦う方が闘神武具に近付くとは思ったが、こういう状況になるとやっぱり考えてしまう。


ツカサの赤竜の眼を狙った矢を防ぐ為に、俺から意識を外した所を狙い斬る。

浅い傷だけれど何度も斬り付けた事により、赤竜の動きも少し鈍ってきている。俺とツカサも疲れが溜まっているが、俺の肩以外は攻撃を受ける事なく戦えている。

その時、


「GAaaaaaaa!!」


咆哮と共に吹き上がる炎、俺は咄嗟にツカサの元まで下がるが、前に同じ光景を見た事を思い出す。

次の瞬間、炎を身体に纏った赤竜がそのままの勢いで俺達に突進してきた。

それは今迄とは比べ物にならないほど速い。

俺はツカサを思いっきり突き飛ばし、逆側に転がるようにその突進を避わす。

でも、赤竜は俺達の間を通り抜ける瞬間にブレーキをかけ身を捻ると尾で薙ぎ払ってきた。

こう来るかもってわかってたのに!くそっ!

体勢が崩れていた俺はそれを避けれず、大剣で受け止める。が、なんとか炎で焼かれる事は避けられたが、受け止めきれず吹き飛ばされ洞窟の壁に叩き付けられた。

意識を失う事は防げたが、身体がボロボロになった俺が手元に目をやると、炎の大剣がそれ以上にボロボロだった。かろうじて大剣の形は保っているが、もう斬れないだろうと思う。

顔を上げると、赤竜はツカサに襲い掛かっていた。俺を尾で弾き飛ばした後、そのままツカサに攻撃したようだ。そしてツカサも体勢を崩していたので、攻撃を避けれず足をやられてしまっている。

俺は闘気を振り絞ると、ボロボロの大剣に込めて闘気物質化による刀身を作り上げ、それを全力で投げた。


「!?GYAaaaaaaa!!」


運良く俺が作った傷に重なるように刺さった大剣は、半ばまで赤竜の身体に刺さり、赤竜が先程上げた咆哮と同じ位大きな悲鳴を上げる。

そして、それが止んだ時には赤竜はツカサの存在を忘れ、俺に怒りの眼を向けていた。

うわっ、やべぇな、こりゃ。

とは思いつつも、俺のテンションは上がっていた。

さっき刀身を作り上げた時に、おそらくローレンと同じなんとなくを感じたのだ。

きっと、今の俺なら出来る、さっきの感覚を思い出しながら手の中の大剣を想像する。

と同時に向かって来ていた赤竜目掛けて振り下ろす。

茜色の刀身を持つ大剣が、赤竜の身体を通り抜け、真っ二つに一刀両断した。


「よっし、やった!!」


俺は痛む身体も、周りの状況も忘れ、ガッツポーズした。


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