第20話
準決勝 第一試合 『光輝剣』パーティー対私達
「おそらくこの国最強のパーティーね。『光輝剣』の他にも『剛剣姫』と『水癒姫』がいて、あとの三人もかなりの実力者よ」
「うん…ここで発表があります」
「どうしたの?突然」
「私は三位の賞品が目当てなので、負けるつもりでいます」
「…はあ、まあそれはなんとなくわかってたけど、本気で行かないって事?」
「うん、真面目にはやるけど、本気は出さない。具体的には魔闘気を使わないでやろうと思う」
「そう、まあ私としてはシェラハ頼りで勝つのもなんだし、好きにすれば良いと思うけどね。別に私達にも手を抜けって言ってる訳じゃないんでしょ?」
「うん、それは当然、全力でやっちゃっていいよ。それと多分あの人達、私達に合わせてくると思うんだよね」
「ああ、そうかもね」
「多分あの人達は六人で連携した方が一番強いと思うけど、私達がバラけて一対一を挑んだらそれに合わせてくると思う」
「そうね、じゃあ一対一に持ち込む?」
「それが一番いいんじゃないかな?そしてユリウスは『剛剣姫』とフィアナは『水癒姫』とやればいいと思うよ。そしてローレンが『光輝剣』だね」
「わかったわ。私はそれでいいわよ」
「俺もいいぞ。『光輝剣』と戦ってみたかったけど、『剛剣姫』の方が勉強にはなりそうだ」
「僕もいいけど、『光輝剣』さんかぁ何も出来ずにやられそうだなぁ」
「ローレンなら大丈夫だよ、何か得るものあると思う」
「私は誰と?」
「ノエルは魔術師の人とやろうか」
「うん、わかった」
「僕はー?」
「ツカサは忍者さんとだね、私が騎士っぽい人とやるよ」
「はいよー」
「じゃあ、今回は完璧格上との戦いになると思うけど、楽しもうか」
「あの子供達が勝ち上がって来るなんてなぁ」
「そうですわね、びっくりですわ」
「美少女ばっかりだよねー?特に中心の娘はすっごい可愛くてすっごい強いよねー?」
「そうだな、全員やるようだが、一人飛び抜けている」
「・・・可愛い、愛でたい」
「油断しないようにな、彼女等は強い」
「そうだね、でも俺達の方が強い。それを証明しに行こう」
試合が始まる。
予想通り私達が別れると、それに合わせて来る。相手も狙い通りになったようだ。
私は女騎士さんと相対する。女騎士とは言っても『光輝剣』のパーティーメンバーなので多分冒険者だろう。あくまで装備や戦い方が騎士っぽいだけだ。
今回は魔闘気を使わないつもりだけど、あっさり負けるつもりは無い。先ずは、魔法で攻めようかな。
女騎士さんの周りを囲むように氷の矢を生み出し、同時に放つ。
剣か盾で防がれるかと思ったら、それらを向かい撃つ事なく鎧に受ける女騎士さん。
女騎士さんの鎧に当たった氷の矢は一瞬で砕かれていく。
何だろ?あれ。魔武具って感じでも無さそうだけど…
ちょっと、気になったので次は水の波動を放つ。これもそのまま受けられるが、中に通った感じはせず鎧の表面で弾かれる。
そこから、氷の矢を含めて集った水分を一気に蒸発させ、蒸気で攻めてみるが効果があったようには見えない。
蒸気に関しては、鎧以外にも当たってるように見えるが、鎧が全てを無効化しているようだ。
あれって、もしかして闘神武具?闘気を操る技術の究極で、闘気で武具を具現化するって言う。
これは、ローレンとかが使ってた闘気の物質化とはレベルが違う。まあ、一応その延長線にはあるんだけど。
今まで周りで使える者なんて居なかったので初めて見るが、闘神武具には特殊能力が付くというのは本当らしい。
氷の矢や水の波動ならまだしも蒸気に関しては、魔法で作り出してはいるけど蒸気はその結果であって自然現象の様なものだ。
それさえもあんなに完璧に防がれては、間接的にどうこうするのは無理に近いだろう。フィアナっていうか、魔術師の天敵だね。
本当の『城塞鎧』この人だったりしない?なんで二つ名ついていないんだろう?・・・地味だからかな?
まだ、大斧で攻撃していないからわからないけど、普通に防御力自体もありそうに見える。あの人盾持ってる意味あるのかな?
ただ、このままだと魔力が闘気に劣ってるみたいで嫌だな…
取り敢えず接近戦に持ち込む。というか女騎士さん防ぐだけ、それも鎧で受けるだけで何もしてこないけど、なんでだろう?
近づいて、大斧で斬りかかったら流石に盾で受け止め反撃して来た。もしかしたらこれも何もせず鎧で受け止められるかもと思っていたので、ちょっと安心した。
何回か斬り結んだけど、力は相手が上、速さも相手が上で、手数も上。これは厳しい。
攻撃している途中でちょこちょこ魔法も使ってみたけどやっぱり全部鎧に無効化される。
このままだとあっさり負けそうなので、そろそろ勝負に出ようと思う。
今までと同じように大斧で斬りかかる、と女騎士さんが盾で受けようとする。そこに魔力の殆どを使い極小規模の『絶対零度』を放つ。
よし!効いた。女騎士さんが凍りついた鎧の腕の一部分に驚いている隙に、大斧をそのまま振り下ろす。
あの闘神武具は魔法等を完全に無効化するわけでなく、ある一定以上の強さの魔法や自然現象を無効化する様だ。ただ、私の魔法で『絶対零度』しか効かないとか、一定のレベルが高すぎる。
大斧は防がれる事無く、直接鎧に当たる。これは、わざと狙った。狙おうと思えば鎧の無い部分に直接当てられたけど、鎧の性能が見たかった。
大斧は肩から胸の部分に当たると、女騎士さんを弾き飛ばす。
女騎士さんのダメージは、衝撃は通ったようだけどほとんど無く、鎧は無傷、そして私の大斧の刃が砕かれた。
大斧の刃も砕かれ、魔力も残っていない私はそれから直ぐに女騎士さんの剣に倒れた。
私が負けた時には、皆も負けていて私達の敗北が決まった。
・・・魔闘気を込めて強化はしていなかったとは言え、あの状態で私の大斧の方が砕かれるなんて。
絶対、闘神武具に負けない武器を作ってやる。
第二試合 『天剣士』パーティー対竜
竜相手に二つ名持ち達がどう戦うか興味があったんだけど…
確かに二つ名持ちは強かった。特に『天剣士』と『地槍士』、あの二人も闘神武具を使えるようで、雷を纏うどころか雷自体に変化し雷速で振るわれる剣と竜の防御を貫ける槍を地面から何本も生やすのはかなり凄かった。
ただ、この試合は結果『天剣士』パーティーが勝ったけど、どう見ても竜達が手を抜いていた。
もしかして竜達も三位の賞品狙いかな?やばいかも。




