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魔闘士シェラハ  作者: ミーネ
魔物侵攻編
27/49

幕間11話

「あれっ?何でシェラハ出てないの?」


闘技会の個人戦も終わり(個人戦はローレンに負けて二位だった)パーティー戦当日組み合わせを見るとシェラハが居なかった。


「えっ?私魔具師科だし」


「いや何を今更、シェラハが皆バラバラにパーティー組んで出ようって言ったじゃん?」


「私が出るとは言ってないよね」


「…何?マジで出ないの?」


「うん。ユリウスはローレンへの復讐に集中しなさいな、フィアナのパーティーも手強そうだよ」


「復讐とか重いわ!そこは…上手く言葉が見つからないけど」


「ユリウスは馬鹿だねぇ」


「…」


シェラハがノエルとツカサを連れて観覧席に行き、俺は諦めて選手控え室に向かう。

俺のパーティーメンバーはもう来ていた。コジロウ、シュラ、そしてフリングだ。攻撃一辺倒で相手を先に倒す事だけを考えたパーティーになっている。皆冒険者科で同じクラスだ。


「よし、揃ったな。そろそろ始まるぞ」


一回戦の相手は二年のパーティーだった。俺達は開始と同時に相手に向かって特攻する。


勝った。ちょっとフリングが苦戦したが、四人共一対一に持ち込んで勝った。

次の相手はフィアナのパーティー、他のメンバーはカグヤ、キャロル、リア。一回戦見てたけどキャロルの出番も無く後衛だけで勝負を決めていた。

ちなみにローレンのパーティーは、ビードル、アッシュ、そしてドルフだ。ドルフは弓使いの冒険者科の男で、素早い動きと正確な弓の腕を持つ中々強い奴だ。ローレン達は一回戦では三年を少し苦戦しつつも倒し勝ち上がっている。


フィアナ達と戦うという事で気持ちを高めていた時に鳴り響く鐘の音。

それは緊急事態の知らせ、魔物襲撃の知らせだった。


「もしかして、また魔物の群れが!?」


少し騒ぎになるが、誰もどう動いていいかわからず戸惑っていた。戦いたい者も逃げたい者もどこから魔物が来ているかわからないし、本当に魔物が来ているかもわからない。学園が街の中心辺りにある事もあって、鐘の音が聞こえた後は何も音沙汰の無い状況だった。

すると注目が行くのは先生達、手近の先生の下に詰め寄り情報を得ようとする生徒達、それを落ち着かせようとはするが先生達自身も状況がわからないようで上手くいっていない。

コジロウとシュラはカグヤと合流しに行き、フリングは先生の下に向かった。

それらの状況を見ながら俺はどうしようと考えているが全く思いつかず、「ユリウスは馬鹿だねぇ」というシェラハの言葉ばっかり思い浮かび身動きが取れなかった。


「ユリウスは馬鹿だねぇ」


「えっ?」


記憶に残る言葉と同じ言葉が聞こえ顔を向けると、あきれた顔をしたシェラハが見えた。いつもの他のメンバーもいる。


「考える事は大事だけど、思いつかないんだったら誰かに頼りなさいよ。私やフィアナに聞きに来なさい。緊急時は特にね」


「…ああ、すまん」


「フィアナと私で状況確認したけど、西から王都を襲った魔族率いる魔物の群れが来ているみたいよ」


「マジか、よくわかったな」


「まあコネもあるしね。それで直ぐに先生達にも伝わって防衛に入ると思うけど、私達生徒は後方支援になると思う」


「そうか…」


「でも私は魔族に興味があるんだよね」


「は?」


「だから抜け出してちょっと最前線に行こうと思ってる」


「…」


「他の皆も何故か一緒に行く事になったんだけど、ユリウスはどうする?」


「…俺も行く」


「そう、危ないよ?」


「シェラハこそいいのか?目立つぞ?」


「まあそこは出来るだけ目立たないようにするつもりだけど。じゃあ皆で行こうか、急がないとね」


さっきまであった不安が無くなっている事に気付く。これから危険な所に行く筈なのに、不安どころか楽しみな気分だ。

シェラハに頼る事無く、一人でもやっていける様に成りたかったけど、間違ってたのかな?

これからの事を考えながら、シェラハに付いて会場を抜け出すと、西へ走り抜けた。



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