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魔闘士シェラハ  作者: ミーネ
学園初等部編
22/49

第13話

休みも終わり、学園に帰って来た。

ローレン達は無事試験に受かったらしい。ユリウスも受かるとはびっくりだ。

後もう少しで初等部の日々も終わる、という事で記念に何かやろうという事に。

武器防具も新調してから出掛けていないので、一年の集大成として遠征する事に。


「さて、とは言ってもどうする?トロート山の頂上でも目指す?」


「またか?違う所にしようぜ。ゴーレムばっかりと戦ってる気がする」


「じゃあどうするの?」


「そうだなー…ドラゴンとか戦ってみたくね?」


「あー、この辺に居たっけ?」


「少し遠くになるけど、ドープの森にレッサードラゴンが居るらしいわね。でもかなり危険よドラゴンとしては下級だけど、魔物のランクはAランクの筈よ」


「そっか、私としては戦ってみたいけど、竜の血とか調合素材にかなり良いし、どうしよっか?」


「俺は賛成だぜ!やっぱり男ならドラゴンと戦わないとな!」


「僕もやってみたいと思う、どこまで防げるか試してみたい」


「竜の鱗、加工してみたいかも」


「私はちょっと危ないと思うけど、行くと決まったなら行くわよ。皆やる気みたいだけど、充分準備して、危ないと思ったら直ぐに逃げましょうね」


「よし!じゃあ次の休みにドラゴン退治に出発!」



そして、やって来たドープの森。片道三日かけて森の傍のディーブの街に来て、情報集めて準備して一晩ゆっくり休んで、朝から森に突入した。


「此処、木材、薬材も良いのあるね。ちゃんと回収しないとね」


「おーい、シェラハもちゃんと戦おうぜ、素材集めは帰りでいいだろ」


今は、四人に戦闘を任せ、採取に忙しい。


「ちゃんと、警戒はしてるよ。いいじゃん、武器に慣れる為って事で。充分慣れた?」


「俺はまだ全力で強化しないと振れないんだけどな。剣技も使えないし、素早い奴に当てられる気がしない」


「うーん、氷の大剣の方持ってきた方が良かったんじゃない?」


「良いんだよ、振れるようにはなったし、もう少し力が上がれば剣技も使えると思うしな。ドラゴン相手だったらこっちの方がいいだろ」


「そう、ローレンは?」


「うん、結構使い心地良いよ。思ったより違和感も無いし、僕に合ってると思う」


「良かった、フィアナはどう?」


「問題無いわよ。魔法とは別に武器の能力が使えるから楽になったわ」


「うん、ノエルは大丈夫?」


「うん、大丈夫」


「それじゃあ、奥に行こうか。この先に居るみたいだよ、レッサードラゴン」


そうして進んだ先には、全長7m位の竜、レッサードラゴンが居た。紫の竜鱗、鋭い角、凶悪な牙、物凄い迫力だった。

私達を認識したレッサードラゴンは咆哮をあげる。


「うっわぁ、これやばくね?」


「余裕あるねユリウス、早く身構えないと死ぬよ?」


私達四人が武器を構えて散らばる中、一人ユリウスが口を大きく開けて突っ立ていたので、注意する。

そのユリウスに向けて突進してくるレッサードラゴン、ユリウスはそれをかろうじて避ける。

木を数本倒した所で止まり、そこを私とローレンが武器で、フィアナとノエルが魔法で攻撃する。

硬い、けど攻撃はちゃんと通る。私が作った武器は中々の攻撃力を持てているようだ。

レッサードラゴンは振り返ると、大きく息を吸い込み炎のブレスを吐いて来た。

私は氷壁を作り出すが、その壁の前にローレンが飛び込んで来て両手の盾を前に防御する。ブレスは氷壁に届く事無くローレンによって全て防がれる。

危ない事するなぁ、試したかったのはわかるけど、威力確認してからやろうよ。

ローレンは少しのダメージはあるし、少し疲れてるようだけど大丈夫なようだ。

ブレスをローレンが防げるなら問題無いかな。後はまともに攻撃を食らわなければ大丈夫でしょ。

そう思っていたら、戦闘に入った所で縮小した霧の結界に反応がある。


「やばいね、後一匹来るよ」


「!どうする?」


「ローレンが一人で一匹抑えて、もう一匹を直ぐに倒すか、私が一匹と四人が一匹に別れるかかな」


「僕やれると思う」


「そう、じゃあそいつ抑えといてね、こっちに来る奴速攻で倒すから」


「うん」


私達はローレンを置いてこちらに向かってくるレッサードラゴンの方に向かう。

殆ど同じ大きさのレッサードラゴンに、今回は初めから本気で魔闘気を込めて攻撃する。

その一撃は左前足を両断して、私はそのまま駆け抜ける。

バランスを崩したレッサードラゴンにユリウス、フィアナ、ノエルが攻撃する。

ユリウスの剣が片目を潰し、フィアナの雷撃が内部にダメージを与え、ノエルの戦鎚が角を折る。

レッサードラゴンがブレスを吐こうとするが息を吸い込んだ所に水を流し込み、ブレスを止める。

もがいている所を首目掛けて大斧を振り下ろす。と、両断は出来なかったが中程まで刃が食い込み、レッサードラゴンは地響きを立てて崩れ落ちた。


「ふう、よし戻ろう!」


ローレンの戦う場所に戻ると、ローレンが必死でレッサードラゴンの攻撃を防いでいた。

所々防具が壊れて血を流しているけど、酷い怪我は負っていないようだ。

私は安心すると、魔闘気での強化を止め、補助に回る事にする。

それからは優勢に戦いを進めた、私は殆ど手を出す事無く四人に任せる。

そして、もう直ぐもう一匹のレッサードラゴンも倒れるという所で、私の結界に再び反応がある。

それと同時に私は急いで魔闘気を込めると、レッサードラゴンに止めを刺す。


「シェラハ!?」


「ローレン!上来るよ、防いで!」


上空から赤いドラゴンが飛び込んで来ると共に炎のブレスを吐いて来る。

私が出来るだけ魔法でブレスを弱体化させ、弱まったブレスをローレンが防ぐ。きっちり弱めてある筈なのにローレンへのダメージはこっちが上に見える。

私は氷霧を赤竜に掛けるが、赤竜が身体に纏う熱で防がれ殆ど効果が無い。

ブレスを防がれた赤竜は私に爪を振り下ろして来る。私はそれをかろうじて受け流す。

くっ、何て威力、これローレンと私以外だとやばいね。


「フィアナ!威力が高い魔法で攻めて、最低でもブリザード以上の奴!ユリウス!確実に反撃が無い時以外は攻撃しないで!ノエルはごめん下がってて!ローレン!ブレスは出来るだけ弱めるからきっちり防いで、他の攻撃も危険だから気を付けてね!行くよ!」


「わかったわ」「ああ、仕方無いな」「わかった」「うん!」


尻尾を振り回してくる赤竜、飛んで避けてそのまま攻撃するが鱗で弾かれる。

空中だからきちんと力を込められなかったけど、レッサードラゴンの鱗だったら切り裂けただろう。

防御力も段違いのようだ。柔らかい場所を狙うべきだね、弱点って逆鱗だっけ?逆鱗ってどこだっけ?

そんな事を考えている間にもぎりぎりの攻防が続く。

私は赤竜の攻撃をまともに受けられないので、受け流すか避けないとやばい。

ローレンはかろうじて防げるが、充分身構えて闘気を込めないとまずい。

ブレスに至っては二人で全力で防御しないと終わる。

そんな中で、私がたまに繰り出す攻撃と、フィアナのいつもの雷撃の五倍は太い雷が少しずつダメージを与える。

ブレス直後は動きが少し止まるようなので、その時を狙ってユリウスにも攻撃してもらうようにして、赤竜を追い詰めて行く。

だけど、一番初めに追い詰められたのはローレンだった。赤竜もダメージは大きいようだけどまだ倒れそうにない。


「ローレン一旦下がって!ノエルにポーションもらって回復してきて!」


一瞬躊躇いつつも下がるローレン。

ふう…さあ、此処からが腕の見せ所だね。


「ユリウス!フィアナ!ブレス防げないから絶対射程範囲に入らないで!」


そこからは爪を受け流し、牙を避け、尾を飛んで避わす、ブレスの前兆が見えたら足を全力で強化して炎から逃げる。

攻撃出来る頻度も少なくなったけど、頑張って斬り付ける。

そして、多分短い時間だっただろうけど、私にとっては物凄く長く感じる時間が終わり、ローレンが戻って来る。

装備はボロボロだけど、怪我や体力は戻っているようだ。

ふう、これで行けるかな?

と思った私に反発するように、瀕死に近い赤竜が身を丸め唸り声を上げる。


「Uuuu…GAaaaaaa!」


赤竜の身体全体から炎が吹き上がり、その炎を纏い突進してくる。

私は水、氷、霧全てを赤竜に向けるが、全て水蒸気となって蒸発し霧散する。

魔法をかけつつ赤竜の進行方向から身を避わすが、赤竜は一度止まると、私だけを執拗に狙い方向転換しながら追ってくる。

何度か避けた所で、止まると同時に尾を振ってくる赤竜。その先端がかすってしまい、左足に怪我と火傷を負い、飛ばされてしまう。

そこに再び突っ込んでくる赤竜。

避けられそうに無いので全力で大斧と身体を強化し、相討ちを狙う。

そこに飛び込んでくるローレン、赤竜の横から盾をかざして体当たりする。

赤竜の突進が逸れ、しかもローレンの体当たりで身体が傾き私に対して腹側を見せる。

そこに首目掛けて全力で大斧を振り下ろす、大斧は鱗を切り裂き首を半分程切断する。


「!GYAaaaaaa…」


そのまま10m位突進していき倒れる、炎も消え声も止んだ所で一息つく。


「ふうー…あっ、ローレン!」


ローレンは最後の体当たりで全身に怪我と、所々に火傷を負っていた。

私は私の左足とローレンの全体を水で包む。

王都でイメージが出来た事が良かったのか、竜を倒した事によるレベルアップのおかげか癒魔法を覚えていた私は、水に出来るだけの治癒の効果を持たせる。


「ありがとうシェラハ」


「ローレンこそ助けてくれてありがとう」


私達が治療している間に三人が素材を取ってきてくれて、ある程度私とローレンが治った所で街に帰る。

もう私も限界で結界も貼れなかったけど、帰りはフィアナが警戒をやってくれ、魔物と出会わず街に着く。木材とかを持って来れなかったのは残念だけど、薬材とかは行きに少し手に入れていて良かった。


「あれレッドドラゴンよね。よく倒せたわね、Sランクの魔物よ」


「運が良かった部分もあるけどね」


「でも何でレッドドラゴンがドープの森に居たのかしらね?」


「何でだろう?レッサードラゴン殺されて怒ったとか?」


「レッドドラゴンはレッサードラゴンに同属意識は持ってないと思うけど、種類違えばドラゴン同士で食べ合ったりするらしいし。それにこの辺だとレッドドラゴンが生息しているの南に500km位行った火山だけだった筈だけどね。そこから来たのかしら?」


「さあ?取り敢えずギルドにだけ報告しとこうか」


「そうね」


そして私達はギルドに報告して学園に帰った。ギルドでは調査をするとか言ってたけど、帰った私達にはその後の事はわからない。まあレッドドラゴンは倒したし、二匹いましたとかじゃない限り大丈夫だろう。



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