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魔闘士シェラハ  作者: ミーネ
学園初等部編
14/49

幕間05話

闘技会二日目、戦士部門会場。

ユリウスと選手控え室で待機している。

…うん、浮いてるね。多分冒険者として外にいるならそれ程違和感も無かったと思うんだけど、ユリウスの装備が凄く浮いてる。

他の選手からちらちら見られて、恥ずかしそうだ。

実際、魔具は装備禁止で一人一人に結界が付けられるこの大会では、防具は動き易い装備であれば問題ない。結界が切れた後攻撃を受ける事もあるので私服の人は居ないが、皆簡単な装備で来ている。

武器に関しては重さが重要で、重いもので攻撃力を上げるか、軽いもので速度を上げるかという感じだ。

僕はいつもの装備で来ている。


「もうすぐ始まるね。じゃあ行こうか」


「おう!」


先ずは五人ずつでの予選、ユリウスと違う組で良かった。

僕の他のメンバーは、二年が二人、三年が二人で剣と盾、剣と盾、槍、大剣を持っている。

やっぱり身体が大きいなぁ、僕も大きい方だけど僕より全員大きい。

まあそれは仕方ないとして、乱戦ってあんまりやった事無いんだよね、それがちょっと不安。

シェラハは大丈夫だと思うよって言ってたけど、ちょっと怖いな。


「では、始め!」


号令と共に全員が動き出す。僕の方にも大剣の先輩が来る。真っ向から斬りかかってきたので、盾で防ぐ。うん、力はユリウスよりあるけど速さは無い。その後も斬りかかってきたけど、二回目は防ぎつつ弾き返し体勢を崩す。と同時に槍を後方に向ける。槍と槍がぶつかり、僕の方は片手なのもあって押されるけど、大剣さんの方に向けていた盾を槍さんの方に向け槍と盾で弾き返す。

ふう、何で一年を二人で狙ってくるんだろう?

このまま二人で狙われたら厄介なので、僕の方から大剣さんに接近し盾を自分から剣に打ち付けると、再び体勢を崩した大剣さんの胸に槍を突き刺し結界を破壊する。

急所への一撃は結界に大きなダメージを与えるらしいけど本当らしい、一発で壊れた。

大剣さんを倒したと同時に、またもや後方から槍さんが攻撃してきたので、回転しながらその槍に横から盾を当て弾くと、槍さんの胸に槍を突き刺し結界を破壊する。

後ろから攻撃されても、あんまり問題無かったな。そういえばシェラハの魔法は全方位から襲ってくるんだよね。あれで結構鍛えられていたようだ。

僕達が三人で戦っている間、剣と盾さん達は二人で戦っていて、僕が槍さんを倒したと同じ位に剣と盾さんが勝つ。どっちかわからないけど、同じ三年だし装備も同じだし、まあ一人になったので見分けをつけなくてもいいよね。

そこからはちょっと長引いた、相手も僕と同タイプの戦士で防御型というか盾役の人だったので、どちらも有効打が与えられず、少しずつのダメージで最初の戦いの時にダメージを負っていた剣と盾さんの結界が先に壊れた。

危なかった、運が良かったようだ。


「君強いね。これでも三年では一番防御が上手くて、ビードルには敵わないまでも自信があったんだけど、予選で負けるとは思わなかったよ」


「いえ、先にダメージが無ければこっちが負けてたかも知れません」


「いや、二人相手に殆どダメージをもらわなかったのは凄い事だと思う。そういえば、パーティー戦には出るの?」


「はい、出ます」


「そっか、俺もビードルのパーティーで参加するんだ。また戦えるといいね。

それじゃあトーナメント頑張って」


「はい、頑張ります」


良い人そうだった。見分けつけなくて失礼だったな。次に会う時はちゃんと名前で呼ぼう。

さて、ユリウスはどうだったかな?控え室に戻ろうか。

ユリウスは既に控え室に居た。


「おっ、ローレン見てたぞ。やったな!」


「ありがとう、ユリウスも勝てた?」


「おう!勝ったぞ」


「そっか、おめでとう」


「おう!あっ、次のグループ始まるな。シュラとキャロルは勝てるかな?…あと一人は誰だっけ?」


「トードでしょ。ほら、あそこ…あっ、負けちゃった」


「あー残念だな。同じ一年として応援してたのに」


「忘れてたでしょ。シュラとキャロルは順調みたいだね。どっちも勝ち残りそうだ」


「八人の内、一年が四人か凄い事じゃね」


「そうだね、それも四十人の内五人が一年でその中で四人だもんね」


「…あの人強いな。でけえし力強いのに、すげえ速え」


「ああ、三年のビードル先輩だね。フィアナが優勝候補に挙げてた」


「あと、あの人シュラに似てるな戦い方とか」


「コジロウ先輩だね。確か同じ国から来てたと思うけど、武器も同じみたいだね。勝てるかな?」


「どうだろうな、でも戦うの楽しみだな」


「そうだね。…終わったみたい。次は中等部で高等部だね」


「…おー、やっぱり凄いな、でも絶対に敵わないって程じゃない。俺達強くなってるよな」


「うん、そうだね」


「シェラハとか高等部の人にも勝てそうだもんな」


「ははは…そうかもね」


「よし!メシ食いに行くか」


「うん」


ノエルと合流しに観客席に向かうと、初等部の勝ち残りが一年ばっかりな事に、ちょっと騒ぎになってたけど、あまり気にせずノエルと合流し外に出る。

そこからは鎧の着心地や使った感想等をノエルがユリウスに質問攻めにしながら、魔術師部門の会場に向かう。

途中シェラハ達に会い、一緒にご飯を食べ、会場に戻ってくる。


トーナメント一回戦、ユリウスVSコジロウ先輩、シュラVSカグヤ先輩(コジロウ先輩パーティー弓使い)、キャロルVSビードル先輩、僕VSフリング先輩が同時に開始される。

僕の相手のフリング先輩は三年でシェラハと同じ様な大斧を使うようだ。

思いっ切り振りかぶって薙ぎ払って来たフリング先輩の斧を正面から受け止める。少し押されるけど防げない程じゃない。斧を盾で抑え、槍で突く。フリング先輩は僕が受け止められると思ってなかったのか驚いていて、それを避ける事も出来ず、喉に食らったフリング先輩の結界が壊れた。

余りにもあっさり終わったので、ちょっと変な感じになったけど舞台を降りてユリウスの戦いを見に行く。フリング先輩は呆然としたまま、審判に連れて行かれてた。


ユリウスは苦戦しているようだ。結界が薄くなっている。コジロウ先輩の速さを捕らえられないようで、急所は防いでいるようだけど、何度か攻撃を食らっているようだ。

あれは僕じゃ攻撃当てられそうにないなぁ、盾で防ぐ時に相手の体勢を崩す事が出来るかどうかかな。

ユリウスはどうするんだろう?

ユリウスは何度か斬りかかって、避けられ攻撃され、もう結界も壊れそうになった時、今度は構えたまま待ちの体勢に入った。

動かず、目だけでコジロウ先輩を追っている。

そしてコジロウ先輩が大剣の間合いに入ったと同時に動き出す。それは振り被り等の予備動作の無い連続斬りの剣技を応用したもので、コジロウ先輩は避けようとしたが避けられず、一撃をもらってしまう。

その上威力も申し分無かったようで、コジロウ先輩の体勢を崩し、そこから連続斬りに入る。

二撃目で結界の濃さが二人とも同じ位になり、三撃目を当てた所でコジロウ先輩の結界が壊れた。

が、二撃目と三撃目の間にされたコジロウ先輩の攻撃が先にユリウスの結界を破壊していた。

ユリウスが舞台から降りてくる。


「残念だったね」


「ああ、でも楽しかったぜ。強くなれた気がするし。ローレンの方はどうだった?」


「勝てたよ」


「そっか、俺の仇討ってくれよ」


「うん、頑張るよ」


シュラVSカグヤ先輩の戦いはカグヤ先輩の勝利。あれは凄かった、シュラの速さを持ってしても近づけない早射ちに、なんとか近付いても接近戦も出来るようで、弓を薙刀に持ち替えて攻撃していた。

キャロルVSビードル先輩の戦いはビードル先輩の勝利。キャロルの防御を崩す、技と力を見せ付けた。

残りの一年が僕だけになっちゃった。コジロウ先輩もカグヤ先輩もビードル先輩も強敵で誰に当たっても厳しそうだ。


準決勝はビードル先輩VSコジロウ先輩、僕VSカグヤ先輩になった。

カグヤ先輩は女性だけど、油断出来ない。シュラに勝ったってのもあるけど、シェラハの事もあるしね。

試合開始と同時に放たれる矢、確かに速いけど盾で防ぐのには問題無い。先ずは矢を確実に防いで接近する。

薙刀に持ち替えた所で、いつも通りの戦いに移る。長い間合いに速い斬撃を繰り出してくるカグヤ先輩。

威力も高く防御で手一杯にだけど、段々慣れてきた。薙刀を盾で逸らしたり、弾いたりして少しずつ相手を崩し、反撃をしていく。

僕の結界が半分位の薄さになった所で、カグヤ先輩の結界が壊れた。


「強いわね、私達のパーティー攻撃バカばかりだから、あなたの防御を見習って欲しいわ。決勝戦頑張ってね」


「はい、頑張ります」


舞台から降りると、ユリウスの所に向かう。


「やったな!」


「うん、ありがとう」


「決勝戦はビードル先輩とだぞ。こうなったら優勝しろよ」


「まあ、頑張るよ」


中等部の試合、高等部の試合を挟み、初等部の決勝戦が始まる。

ビードル先輩は両手で、僕の槍の二倍はありそうな槍を持っていて、とても大きく見える。


「決勝の相手が一年とはな。カグヤとの試合は見ていた、本気で行かせてもらう」


「よろしくお願いします」


速い踏み込みからの突き、盾で逸らしたけど、突いた状態から即座に払われる。盾で防いで、カウンターで突くが石突で受け止められる。

一旦離れる。なんとか攻防出来てるけど、速いし重い。あのタイミングでのカウンターが防がれるなら、もっと攻撃主体の盾の使い方をしないと、当てられなさそうだ。

再び突いてくる。今度は逸らしても連続で突いてくる。二、三と盾で防ぎ、四回目の突きの時に身体ごとぶつかるように槍に盾をぶつける。槍と共に相手の体勢を崩せたが、僕も後方に弾き飛ばされてしまった。

あそこで耐え切れないと反撃は出来ないな。

また突いてくる。今度は正面から真っ直ぐにというか、盾に向かって突いてきた。ちょっと変に思ったけどそのまま防ぐ、と伝わる衝撃。慌てて闘気を切り替え、衝撃を受け流すが、身体が少し痺れる。

そこを見逃すことなく突いてくる。なんとか盾で防ごうとするが力が入らず、盾を弾かれ肩に強烈な一撃をもらう。なんとか急所にもらう事は防いだが、今の一撃で結界が半分以下の薄さになってしまった。


「今のをもらって直ぐに動けるとはな、アッシュに勝っただけの事はあるな」


アッシュ?ああ予選の人か。

でもやばいな、今の僕じゃあれは完璧に受け流せない。内部にダメージを与えるから、あの技では結界がダメージを負わないようだけど、身体が痺れちゃったら追撃を防げない。

もう一度来た。多分あの技だ、狙いは適当なのに慎重さを感じる。僕はそれを受けず、一歩下がって槍の間合いから外れる。

追ってきて、また突かれるが多分違うのでそれを防ぐ。やっぱり技じゃない、そこからはあの技以外の攻撃で攻められ、なんとか防げているけど、あの技かどうかの見極めのせいで防ぐのに一杯一杯になってる。

このままだと何も出来ないので、今まで戦っていた間合いからもっと近付く。そしてなるべく相手の槍を槍で抑えながら、盾で殴りつける。

よし!初ダメージ。力は先輩の方があるし、槍の使い方も上手い、けど至近距離では多分あの技は使えない。それだけでもかなり助かる。

先輩はこの距離を嫌がって離れる。簡単に離れられてしまった、やっぱり力も技術も及ばない。でもあの距離で戦い続けたら勝てるかもしれない。

そこからは僕は近付く事だけに集中し、先輩は僕から離れつつ多彩な攻撃を見せる。

何度か攻防をした時、先輩の結界は半分位の薄さになり、僕の結界は今にも消えそうだった。

あと少しでもダメージを負えば結界は壊れるので、最後にやってみようと思う。

今度は近付こうとせず、相手の攻撃を待つ。

あの技を使ってきたので、今度は逆に槍を迎えるように前に出る。と同時に槍を振り被り、振り下ろす。それは槍ではなく剣で斬るような攻撃だったけど、僕の攻撃の中で一番鋭く速い攻撃だった。その槍での斬撃は、頭を狙ったけど避けられ、肩に当たる。が結界を壊す事は出来なかった。

先輩の技の衝撃は接する地点を変えた事もあって弱くなっていたけど、防御に気を配らなかった為、僕の身体は痺れ、追撃によって僕の結界は壊されてしまった。

はぁ、負けちゃったか。


「最後の一撃は見事だったぞ、あの鋭さの突きであれば避けられず、先に結界を壊されていたかも知れない」


あれはシェラハの斧での斬撃を参考に訓練したんだよね。だから突きでは出来ないという…


「ありがとうございます」


「パーティー戦にも出るんだろう?また戦うのを楽しみにしている」


「はい、頑張ります」


舞台から降りて、ユリウスの所に向かう。


「残念だったな、でもいい勝負だったぜ」


「うん、楽しかったよ」


「羨ましいぞ。…よし、じゃあ帰るか。明日もあるからゆっくり休もうぜ」


「うん」



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