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魔闘士シェラハ  作者: ミーネ
学園初等部編
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幕間04話

休みの間、剣技の習得の為に、必要な身体と闘気の扱いをずっと練習して、なんとか形に出来たけど、なんとか形に出来ただけではローレンには殆ど防がれるし、シェラハには全く通用しなかった。

はぁー、まあそんな気はしてた。シェラハには俺が気付かなかった事を指摘されるしさぁ。

親父からは応用が利くとだけ教えられ、後は自分で試してみろって言われたけどそういうことかぁ。

…落ち込んでても仕方ない。取り敢えず闘技会までに完璧に使えるようになるのを目標にしよう。


シェラハとノエルは魔具や防具作りに集中していて、あんまり訓練に顔を出せないので、フィアナに相手をしてもらう事が増えた。

フィアナは魔術師なのに俺達の中で一番素早く、シェラハの次に避けるのが上手い。属性の違いもあるだろうけど、魔法を使っているフィアナを捉えるのはかなり難しく、シェラハが作った杖を使い出してからそれがひどくなった。

ローレンも魔術に対する防御を訓練したいようで、二人でフィアナに訓練してもらった。


久し振りの遠征だ。行き先は前にミスリルゴーレムを倒したトロート山だ。また鉱石が欲しいってのと、魔石が欲しいそうで、もっと山の奥深くまで行きたいとシェラハが言い出した。

俺としてはどちらかというと素早いモンスターを相手したかったけど、今度は俺にも武器を作ってくれると言われ、しょうがないから頷いた。顔がにやけてると言われた。


前にミスリルゴーレムと戦った場所まで来た。ここまでは楽勝だった。ギガントゴーレムを一人で数分で倒せた時は俺も成長してるんだと実感出来た。


「ここからは、気を引き締めて行くよ」


「ああ、わかってる」


目的地はもう少し先で、ここからはミスリルゴーレム、アダマンゴーレム、少数だがハイゴーレムも生息している。

ハイゴーレムは身体の素材は鉄、ミスリル、アダマンタイトと色々だが、長い期間生き一つの方向性に進化したもので、腕が剣になった者や、魔法を使う者、速度に特化した者、身体の上に鎧の様な物を着て更に硬くなった者等厄介な能力を身に付けたゴーレムだ。元の素材によって強さは変わるが、ギルドで定めるランクが2ランク上がる。

ハイアダマンゴーレムなんてのと遭遇したら、逃げの一手である。その時は諦めるしかないだろう。シェラハが居たら勝てそうな気もしないでも無いけど、気のせいだろう。

そんな事を考えていると、シェラハが小さく声を上げる。


「あれ!アダマンゴーレムだ!…身体も普通だし、魔力もそれ程高くないみたいだから、ハイゴーレムでは無いみたい。周りにも他の魔物居ないみたいだし倒そう!」


「いいわよ。でもアダマンゴーレムはBランクの魔物よ。ミスリルゴーレムより魔法に抵抗は無いけど、硬くて強いわよ。充分気を付けてね」


「よし!じゃあ行く「ちょっと待って!」ぞ?」


俺が突っ込もうとすると、シェラハから止められる。


「試してみたい事があるから、奇襲をしよう。私の魔法の後に行って攻撃して」


「?ああ、わかった」


シェラハは全員が頷いたのを確認した後、魔法を打ち出した。それは水の波の様な魔法で、今迄の勢いのある水流とは全然違う魔法で、それはアダマンゴーレムの左腕に当たると、腕が内側から弾け飛ぶように砕けた。

シェラハ以外が呆然とそれを見ていると、片腕を無くしたアダマンゴーレムがこっちに走ってくる。


「ほら皆!来るよ!ボケッとしない!」


なんとか立ち直ると、ローレンがアダマンゴーレムの正面に立ち、残った右腕のパンチを防ぎ、俺は後ろに回りこみ斬りかかる。

硬っ!敵の身体はほんの少し欠けた位で、俺の大剣の欠けの方が酷い。

どうしよう?このまま攻撃してたら、武器が無くなっちまう。


「シェラハ!もう一回さっきの出来ねえの!?」


「無理!さっきは相手が気付いてなかったから効いたけど、これだけ動いていると効かないから」


「武器が駄目になっちまうんだけど!」


「もっと剣に回す闘気を増やして、少し柔らかい関節部を狙いなさい!それでもダメなら魔法で倒すまで牽制してなさい!」


身体に回す闘気を減らすのは少し怖いが、敵は片腕だしローレンがきっちり防いでいるので、剣に回す闘気を上げる。アダマンゴーレムはウルフ程ではないが充分素早いので、関節部に当てるのは難しいが練習してきた剣技を使いなんとか狙う。

よし!効いてるし、剣も大丈夫だ!…シェラハに言われる前に自分で判断して出来るようにならないとなぁ。

そこからは俺の攻撃とシェラハとフィアナとノエルの魔法で少しずつ削り、倒す事が出来た。


「シェラハ、さっきの魔法何だよ?」


「最初のやつ?あれはローレンから聞いた、師匠が使ったという防御貫通の技を魔法で出来ないかなと思って作った魔法。相手が硬ければ硬いほど効果が高いからゴーレムには最適なんだけど、まだ完璧じゃなくて相手がある程度早く動いていると効果が無くなっちゃうんだよね」


「凄いわね。私にも教えてくれる?」


「いいよ。ノエルにはまだ難しいかもしれないけど、フィアナだったら出来るようになると思うよ」


自分で見たわけでも無いのに、技の内容を又聞きしただけで、しかも槍の技を魔法で再現したのか?

なんか追いつくどころか、離されてる気がするな、はぁ。


それからは順調で、ゴーレムの索敵はそれ程良くないので、殆ど先に見つけシェラハの魔法で先制し、前は苦戦したミスリルゴーレムが二匹いてもあっさり倒し、魔石の取れる採掘所まで到着した。

シェラハとノエルが採掘している間、警戒しているとミスリルゴーレムを発見する。


「おいっ、気を付けろ。近づいてきている」


「ん?…あれもしかして、ハイゴーレムじゃない?」


「みたいね。多分速度特化よ、戦うなら気を付けないと危ないわ」


普通のミスリルゴーレムより小さく痩せているが、身に宿る魔力は格段に多いのがわかる。

採掘の為に洞窟の中に入っている俺達では、入り口の方からやってくるハイゴーレムを避けるのは難しいだろう。


「こっちには気付いてるみたいだね。一応使うけど効果は期待しないで」


シェラハの魔法がハイミスリルゴーレムに飛ぶ。だが腕で振り払うと水は弾き飛ばされた。


「やっぱり無理か、魔法に対する耐性も高いみたいだし、私も前衛やるよ」


俺とローレンとシェラハが一斉に飛び出して取り囲む。と同時に俺に向かって突っ込んできた。

ちっ、速い。敵の動きはブラックウルフリーダーと同じ位の速さで、殴りかかってきたのを必死で剣で防御するが、そのまま弾き飛ばされる。力も強い。

俺に追撃をかけようとした敵の前に、ローレンが立ち塞がり盾で押し返す。そこをシェラハが後ろから氷の大斧で攻撃するが、刃の部分が一撃で砕け散る。敵の肩の部分も少し欠けているが、普通のミスリルゴーレムより硬さも上のようだ。

敵はシェラハの攻撃を脅威に感じたのか、俺とローレンを無視して反転してシェラハにハイキックを放つ。

踏み潰そうとする位ならあるけど、ゴーレムの蹴り技なんて初めて見た。力と硬さは少し上位で済んでいるが、動きに関しては巨大なシェラハと格闘するつもりで戦わないといけないかもしれない。

シェラハは敵の拳や蹴りを受け流したり、避けたりしてダメージを食らわないが、大斧を修復出来ていないので、防御で一杯一杯のようだ。

ローレンが後ろから突くが、シェラハを攻撃するついでのように避けられる。槍の軌道から身を避けつつ蹴りを放ってくるのだ。

此処こそが使い時だと、剣技を使って攻撃するが、当てる事は出来るがアダマンゴーレムの時のように関節部を狙う事等出来ず、剣に闘気を込める事も出来ない為、一発当てる毎に敵に与えるダメージより、俺の大剣の方がダメージが大きい。

でもダメージは与えているようで、何発か攻撃を当てると俺にも攻撃してくるようになった。

ただ、俺はシェラハのようには防御出来ないので、何とかローレンに助けてもらって、必死で防御する事でやられるのを防いでいる。

シェラハと俺、ローレンの交互に攻撃と防御を交代する事で着実にダメージを与えているが、俺の大剣、ローレンの盾、それと体力がやばくなってきた。

フィアナとノエルの魔法は牽制程度にしかなっていないし、倒すよりも先にこっちの方がダメになりそうだ。


「フィアナごめん!前衛お願い!」


俺とローレンが防御に回るタイミングでフィアナを呼ぶシェラハ。フィアナは直ぐに駆けつけると杖で殴りかかる。シェラハはフィアナと代わるように下がって行った。

フィアナなら速度で敵を上回れるかもしれないが、攻撃力は低い為それ程ダメージは与えられないだろう。

やはりシェラハより脅威度が低いようで、俺とローレンが防御する時間が長くなり、フィアナが守備に回る時もローレンがフォローに回るようになる。

それから何度か攻守を切り替えた時、防御時に俺の大剣が粉々に砕かれそのままの勢いで蹴り飛ばされた。

大剣で少し弱まっていたようで、直ぐに起き上がる事が出来たが、俺は武器がもう無いし、ローレンとフィアナも限界に近いようだ。もう攻撃も出来ず、防戦一方になっている。

今迄余裕が無かった為、何をしているかわからなかったシェラハに目をやると、シェラハは目を閉じて大斧を振り被っていた。

次の瞬間シェラハが一瞬で敵の前に移動すると、大斧の刃を形作る氷と共にハイミスリルゴーレムの身体の半分が砕け散った。

はっ?


「やったね!」


シェラハが一人喜んでいるが、俺とフィアナとローレンはまたもや呆然としている。ノエルはわからないが多分一緒だろう。

ある程度落ち着いた後、聞いてみたら、前から言っていた闘気と魔力の融合をしての身体と大斧の強化らしい。

まだまだ未完成で、長時間の集中がいるので戦闘中は出来ないし、強化が持続しないから接近しての一振り位しか出来ないらしい。

今回はフィアナのおかげで集中出来て、一振りで終わったから良かったと言っていた。

あれを自由に出来るようになったら、やばそうだな。動きが全く見えなかったんだけど、…追いつくとか無理じゃね。


取り敢えず、採掘も終わって、目的以上の成果も出たので、帰る事にした。帰りは装備がぼろぼろの為戦いを出来るだけ避けて行く。

俺達はそのまま宿に直行すると直ぐに休む。今回は休みが一日多い為、前回みたいに休む事無く学園に帰らなくて良くて本当に良かった。


次の日、冒険者ギルドに行く。鉱石等は殆ど持って帰る為換金は出来ないが、アダマンゴーレムはBランク、ハイミスリルゴーレムはAランクの魔物の為、それらの核と普通のミスリルゴーレムやギガントゴーレムの核だけでかなりの金額になった。約200万である。

今回はこの素材でシェラハが武器、ノエルが防具を作るという事にして、全員で40万ずつ分けた。

武器も防具も作ってもらえるので、金の使い道が無かったが、…貯金しとこう、今日みたいに武器が壊れる事もあるだろうし。それとも予備を持っといた方がいいだろうか?


今回の遠征もシェラハに頼った結果になってしまった。

これから俺は連続斬りの剣技を完成させるだけじゃなく、シェラハの水魔法みたいな防御貫通の技か、最後の一撃みたいな相手がどれだけ硬くても破壊出来る強力な攻撃を覚える必要があるだろう。

連続斬りの剣技だと速さには対抗出来るけど、硬さには対抗出来ない。

親父教えてくれるかな?でも休みまで結構あるしな…自分で考えてみようか、自分だけの剣技とか良いかもしれない。


魔具披露会で俺の闘技会での装備が決まった。ノエルの作った防具でブラックウルフの毛皮を使った装備だ。

あれ着て戦うのかぁ。仕方ないか、性能は良いみたいだし、諦めよう。

武器はシェラハが作ってくれた奴は魔具の範疇に入る為使えないので、適当な物を買っといた。

明日は個人戦。優勝目指して頑張ろう!








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