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魔闘士シェラハ  作者: ミーネ
学園初等部編
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第08話

あれから、自己訓練、五人での連携訓練、たまに遠征とやってきて、もうすぐ闘技会である。私は生産の方にちょっと傾いていたけど、連携訓練と遠征はちゃんと参加していた。

皆そわそわしていて、魔具科の子も魔具を披露しなければいけないので皆試験前以上の打ち込み様である。

私は今冷蔵庫の作成に夢中になっていた。基本的には氷霧の魔法を応用したものを内部のみに発生させる魔具を作るつもりで、長期休みが終わってから色々準備してきた。

魔法陣の開発に魔石の採取と作成、冷気を外に出さない容器等はなんとか形になり、今は温度調節を研究している。

出来れば冷蔵庫と冷凍庫を作りたいんだけど、どうしようかな?


「シェラハ、私達のライバルになる強力なパーティーがわかったわよ」


私が悩んでいるとフィアナが部屋に入ってきた。フィアナは闘技会が近づくに連れて大張り切りである。

そういえば入学直後からこの大会に向けて頑張ってたけど、何かあるのかな?


「ふーん、どんな人達?」


「一つ目は去年の準優勝パーティーで三年のビードル先輩率いるパーティー、戦士三人魔術師一人のパーティーね。優勝候補筆頭ね。

二つ目は三年で異国の剣士のコジロウ先輩率いるパーティー、戦士四人の偏ったパーティーよ。ただ遠距離は弓使いが一人いるらしいわ。

三つ目は三年のリア先輩率いる女性ばっかりのパーティー、戦士二人魔術師二人のパーティーね。

四つ目は二年のノーディア先輩率いるパーティー、戦士三人魔術師一人のパーティーよ。

この四パーティーが有力のパーティーらしいわ」


「へぇ、でもよくわかんないんだけど、どれ位の強さなの?」


「そうね、ビードル先輩のパーティーの平均レベルが25らしいわよ」


「えっ?そんなものなんだ。そんなに私達と変わんないね」


「私達がレベル高すぎなのよ。まあでも私達より3~5位相手が高いしね、身体つきも全然違うわ、かなり厳しい戦いになるわね」


「まあ、負けても死ぬわけじゃないし、まだ一年だしそこまで勝ちにこだわらなくていいんじゃない?」


「そんなことでどうするの!絶対に勝つつもりで戦わないとだめよ!」


「うわっ!?…えっとフィアナ随分力入ってるけど、なんで?」


「…私の母親がこの学園の卒業生でね、この大会で優勝した事があるんだけど、小さい頃その時の話を聞かされてずっと憧れていたの。…まあその話は高等部の大会なんだけどね」


「そっか、でも力入り過ぎるのもよくないよ。私も勝つ為に頑張るからさ」


「そうね、気をつけるわ」


さて、じゃあ私も気合いれますかね。

…温度調節どうしようかな?



よっし!完成!

やっと冷蔵庫と冷凍庫が完成した。試運転も問題無し。やったね!

温度調節は氷を一番温度が上がり易い場所に置いて、氷が溶け始めたら魔法が発動するのが冷凍庫、全部溶けたら発動して凍ったら止まるようにしたのが冷蔵庫。

ちょっと大雑把で微妙な完成度だけど、良いアイデアが浮かんだら改良しよう。

先生に作品を提出して、訓練の方に久し振りに顔を出す。

いつもの場所ではユリウス・フィアナ組とローレン・ノエル組の模擬戦をやっていた。

ユリウス・フィアナ組が優勢のようだ。まあノエルとフィアナに実力差があるから仕方無いが、ローレン・ノエル組が防戦一方になっている。

それでもローレンもノエルも防御が上手いから、決着まではしばらく時間がかかりそうだ。

私はその間、魔闘気の訓練をしている事にした。

魔闘気にはまだまだ欠陥がある。発動までに時間がかかるし、集中が途切れると解除されるし、魔闘気を用いた強化が強すぎてコントロールが難しいし、魔闘気を使っている間魔法が使えない。

生産時に魔闘気を込めるのなら問題無いが、戦闘時は大問題である。

解決策として、集中する事無く自然に使えるように、魔闘気による強化をしながら生活しているが、まだまだである。

うーん、やっぱり闘技会で魔闘気使うのは無理そうだなぁ。

今も半分以下の力で動いているが、体勢を崩さないよう動くだけで精一杯である。


「おーい!シェラハ久し振りだな、お前も参加しようぜ!」


私が悩んでいる間に、模擬戦がユリウス・フィアナ組の勝ちで終わったようだ。


「それじゃあ、ノエル代わって。ちょっと休んでてね」


私とローレンの幼馴染コンビの力を見せてやろう。

ユリウスはあの剣技をかなり使えるようになり、フィアナは強力な魔法、魔術を素早く使えるようになった。だけど魔術に対する防御も覚えたローレンと私のコンビには敵わない。

今日もローレンが防いでいる間に、私が色々と周りから攻めユリウスを討ち取った所で決着は着いた。


「やっぱり強いわ二人とも」


「フィアナも強くなったよ、魔法での防御の他に杖での防御も上手くなったよね。

今回はユリウスがだらしないよね、フィアナを守るどころか、先にやられるなんて」


「いやっ、俺に向かってくる魔法が倍近く多かったじゃねえか、あんなの耐えられるか!」


「ユリウスもそろそろもうちょっと防御が上手くなった方がいいんじゃない?まあ攻撃が微妙なローレンとバランスは取れてるけど」


「ちょっと上達した位じゃ、あれを防げる気はしないけどな。いいんだ、いずれ防御する必要無い位強くなってみせるから」


「ふーん、まあいいんじゃない?それならそれで。じゃあもう一戦行く?メンバー代えようか」


それから私・フィアナ・ノエル組対ユリウス・ローレン組の魔術師対戦士等、色々な組み合わせで模擬戦をした。

もう直ぐ、闘技会本番。結構楽しみになってきた。



闘技会初日、今日は魔具披露会である。二日目が戦士、魔術師それぞれの個人戦、三日目にパーティー戦になっている。

訓練場に所狭しと作品が並べられ、見て回るわけだが、博物館とフリマを足して二で割ったような感じだ。

作品の先生による評価は提出している間に終わっていて、後は観客の投票みたいなものがプラスされるらしい。ただこれだけ有ったら、全部を詳細に見るなんて無理なので運の要素もありそうだ。

私たちは五人揃って、ノエルの作品の前に来ている。


「これ何の素材で作ったの?」


「ブラックウルフの毛皮と魔鉄」


濃い茶色の軽鎧の上に黒い毛皮のコートみたいな物がプラスされた鎧で、色は地味なのに着たら絶対目立つ装備になっている。


「へぇ、かっこいいね。ユリウス闘技会でこれ着て出たら?目立つよ」


「いや別に目立たなくていいんだが、そんな事出来んのか?」


「えっ?装備自由なんでしょ?これも今日の最後に引き払うし」


「そうだけど、あぁー…わかった」


話している途中からノエルがキラキラした目でユリウスを見ていたので、圧力に負けたようだ。

勧めてはみたものの、ノエルの作品だからなぁ、笑い辛いな。


次は私の冷蔵庫だ。と思ったら結構な人だかり。


「…私の見なくていいから、他の作品見に行こうか?高等部の作品とか興味ない?」


「いや、なんでだよ。お前自信作とか言ってたじゃん」


「その自信作の前に、凄い人だかりが出来てるからでしょう?」


「えっ?あれがシェラハの作品なの?」


しまった、寮の部屋で作ったりしてたからフィアナは私の作品を知ってるんだった。


「そう、あそこで私が作者とか知られたくないし」


「えー、いいじゃん、ここに作者がいますよって言おうぜ」


「ユリウス言ったら殺す」


「はい、言いません。他の作品見て回りましょうか」


「そうだね、ユリウスもこう言ってっることだし、わざわざ人ごみに入らなくてもいいでしょ」


途中私の殺気が吹き荒れて、一名程恐怖に震え上がったりしたが、皆快く方向転換して高等部の作品から見に行く事にした。


「それ程目を瞠るような作品無いね、どちらかというと面白さや美しさのデザインに気を配ってる感じで、機能性とか度外視だったり。

これなんか、着て戦闘とか出来ないでしょ」


「まあ、まだ学生だし、こんな物じゃないの?初等部の一年に言われたくないでしょうけど」


「うーん…おっ、あれは大斧だ。ミスリルの刃に硬化の魔法陣か。ありきたりだなぁ、デザインはかっこいいけどもっと違う所で遊んでほしい」


「こんなのばっかり装備してるんだったら、あのノエルの鎧も目立たなそうだな」


「それはどうかしら、生徒が作った装備を着けて闘技会に出る人も少ないでしょうし、これらの装備は魔具披露会だけの仕様だと思うわよ」


「そっか、じゃあ面白そうなの無さそうだなぁ」


その後も色々見て回ったが、あまり面白い物は無く、参考にもならなそうだった。

評価結果は最終日の表彰式に全部まとめて出るので、その日は冷蔵庫を回収だけして終わった。

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